夜の帳が下りた水面や、太陽光の届かない深淵。そんな未知なる領域で、妖しくも頼もしい光を放つ釣具「グロー」。
釣りにおいて、やっぱり外せないグローのお話
それは単なる蓄光素材という言葉だけでは語り尽くせない、魚との出会いをドラマチックに演出する魔法のツールかもしれません。なぜグローは光り、私たちアングラーを、そして魚たちを惹きつけるのでしょうか?
グローの心臓部は、光を蓄え、暗闇で解き放つ特殊な顔料。太陽やライトのエネルギーをまるで呼吸するかのように吸収し、それを静寂の中でゆっくりと輝きに変えるのです。
この「光の貯金箱」とも言える仕組みは、電池要らずで環境にも優しく、古くから夜光塗料として私たちの生活を支えてきました。時計の文字盤で時を刻み、非常口のサインで命の道筋を示すように、釣具のグローもまた、暗がりでの確かな「道しるべ」となるのです。
水中において、このポッと灯る光は、時にプランクトンや発光生物の群れを模倣し、好奇心旺盛な魚たちの捕食本能をくすぐります。タチウオやイカ、深海魚といった光に敏感なターゲットには、まさに抗いがたい魅力となるでしょう。
しかし、この魅惑の光も万能ではありません。澄み切った水や警戒心の強い魚に対しては、その存在感がかえって不自然な警戒信号となり、そっぽを向かれることも。
光を最大限に活かすには、UVライトでしっかりとエネルギーをチャージし、ここぞという場面で投入する見極めが肝心です。それは舞台の演出家のように、アングラーの戦略と感性が試される瞬間と言えますね。
グローの魅力は、単に魚を釣るための機能に留まりません。
最近では、ちょっとした便利アイテムなどにもグローの性能を持たせたものもあり、注目されています。
たとえばこちら。
Omottiの「甘噛様」にもグローのモデルが近々登場するそうで、このアイテムは風で釣り糸の先端がなびいたり、仕掛けがバタついたりする際に、ロッドに留めて固定できる便利なアイテム。光ることで視認性もアップして、さらに使いやすくなるだとか。
本来の用途以外にも、グローのモデルだと、ロッドの穂先や小物類に付けておくと、暗闇での視認性が向上し、紛失防止にも役立つというワケなんです。
この蓄光素材は、釣りのいろんな場面で活躍してくれます。
グローの光は、魚だけでなく、私たち自身の心にも、新たな発見やときめきという名の光を灯しているのかもしれませんね(笑)。