脂が乗った美味しいグレが狙えるシーズンが到来した。
和歌山県串本町では、”カセ”と呼ばれる固定式のボートから楽しめる釣りで多彩なターゲットを狙うことができ、今の時期は40cmを超える大型のグレを狙うことができる。
ということで早速、串本大島の愛丸フィッシングに乗船してグレを狙ってきた。今回はタックルや仕かけ、釣り方、そして当日のよかったエサなどをお届けしたい。

▲釣行当日、同船者のつりそく船釣りクラブの林氏が釣り上げた、40cmオーバーのグレ
グレが濃い「センカイ」
のんびり釣りが楽しめる、串本のカセ。さまざまなポイントがあるが、中でも「グレの魚影が抜群に濃い」のが、センカイ奥のカセだ。
ここは、本州と大島を繋ぐ橋の手前にある、センカイの堤防の際に付けているカセのことだ。
ここの堤防はスリットになっており、潮通しがよく、また堤防の際には石積みがあり、急激なかけ上がりとなっているため、グレをはじめ、さまざまな魚の棲家となっている。その日、時間によって潮の向きはさまざまだが、最もよいとされているのが、苗ケ島に流れる潮だ。

▲センカイ奥のポイント。グレがよく釣れるセンカイは底が石積みになっており、グレが居付いている

▲愛丸フィッシングのカセにはトイレがあるので、女性、子供も安心して楽しむことができる
タックル&仕かけ
「グレ狙い」と言うと、磯のフカセ釣りをイメージする人も多いが、カセのグレは、基本的に掛けていかないといけないため、ハリスに針を付けただけのシンプルなズボ釣りがベター。潮が速い時には、状況に合わせて、ガン玉を打つこともある。そのため、ロッドは磯竿でもよいが、積極的に掛けていけるライトルアーロッドなどが使いやすい。
また、アジや小サバなどのエサ取りが多い時は、マグネットカゴなどを使って、サシエとマキエをカゴの中に入れて、タナまで下ろすのが有効な場合もある。その際は、マグネットカゴと呼ばれるカゴを付けて、その先に、1mぐらいのハリスを付けておけばよい。

▲記者はガシラやメバルなどを狙うライトルアーロッドを使った

レバーブレーキタイプがやり取りがしやすい

▲「G HARD V2セレクトグレ(がまかつ)」は、針の色をオキアミカラーにカモフラージュしている
これから水温が上がれば、小サバやアジ、ウリボー(小型のイサギ)などのエサ取りが多くなる。そんな時には、マグネットカゴなどを使うのがよい。タナまで下ろして軽くシャクれば、フタが開き、マキエと共にサシエが出る仕組みだ。

▲記者は、マグネットカゴを持っていなかったため、バタフライと呼ばれるカゴを使用した
基本的にはズボ釣りでよいが、状況によってはウキを付けたフカセ釣りがよいことがある。それは、潮がセンカイの堤防側に流れていたりする場合だ。フカセ釣りでは、幅広く探ることができるので、ズボ釣りを基本に、ウキも用意しておくとよい。

記者は当日、2Bのウキを使った。タナは日によってかわるが、ハリスを2ヒロ、タナを2ヒロ取ってシモらせて狙うと、よいことが多い
基本的なエサは「ペレット」
串本のカセでは、グレを狙うのに養殖ペレットを使うのが基本。マキエ用のドライペレットとサシエ用のモイストペレットがある。エサは、予約の際に伝えておけば船宿で用意してくれる。愛丸フィッシングでは、1人分で2000円(2025年6月6日時点)。
サシエの付け方だが、モイストペレットを1つ手に取り、よく揉む。乾いてきたら少しだけ指先を濡らすと練りやすい。基本的には、モイストペレットを使うが、エサ取りが非常に多い時には、ドライペレットをエサとして使うこともある。
ドライペレットは硬くて針に刺しにくいため、針のフトコロに挟み込む。これがよいことも。

▲エサはペレットを使うのが基本。写真はマキエ用のドライペレット

▲サシエ用のモイストペレット。エサ取りが多い場合は2、3個まとめて付けるのがよい
当日よかったのが「アオサ」。アオサは釣行当日にあればだが、船長が無料で用意してくれる。
当日はペレットに反応がでず、アタリがあったのは、アオサばかりだった。アオサは1摘みをまとめて針に通し刺しする。あまり広がり過ぎないようにするのがコツ。
ズボ釣りの釣り方
①マキエをパラパラと少し撒く
②仕かけを入れる
③タナ(底から3~5m上)で、仕かけをステイ
④時おり竿を上げ下げして誘う
⑤穂先を押さえ込む、本命らしきアタリがあれば合わせる
⑥焦らず丁寧に、やり取りを楽しもう!
ドラグは、強く引っ張れば滑る程度にしておく。底は根が荒いため、状況に応じてドラグ調整するのも大切。
エサ取りのアタリは激しく、ココン、コンとアタるため、エサ取りとグレのアタリの違いを見極めて、合わせることが大切。ここのグレは居食いすることが多いので、合わせないと掛からないことが多い。

▲グレはエサ取りと違い、穂先を押さえ込むようなアタリが多い。グレがヒットしたら、根に入られないように、すぐに底から離すことが大切だ
カセはのんびり釣りが楽しめるので、船酔いも比較的しにくくて安心。
手軽に大物の引きを楽しむことができるので、皆さんもぜひ釣りに行ってみてはいかがだろうか?