いきなりですが、まずはこの画像をご覧ください。
完全に……エビ、ですよね。
この生き物は、釣り人なら誰しも知っているであろう、釣りエサの王様「オキアミ」。
しかし、「オキアミは実はエビではない」という事実をご存知でしたか?
この記事では、多くの釣り人が知らないオキアミの正体と、エビとの決定的な違いを分かりやすく解説します。

△磯釣りでも船釣りでも大活躍の万能エサ「オキアミ」
オキアミの正体は「動物性プランクトン」だった!
結論から言うと、オキアミはエビではありません。では、その正体は何なのでしょうか?
実は、オキアミは「動物性プランクトン」の一種だったのです。
生物の分類上では「ホンエビ上目 オキアミ目」に属する甲殻類の総称であり、「エビ目(十脚目)」に属するエビとは、そもそも分類の段階で異なる生き物。
エビとの違いは大きく3つ
プランクトンと言われても、見た目はどう見てもエビ。
オキアミがエビではない根拠は、その「体のつくり」にあります。代表的な違いを3つ見ていきましょう。
最も分かりやすい違いが「エラ」の場所です。
オキアミは脚の付け根にあり、体の外にエラが露出していることに対し、エビは頭胸部を覆う甲羅の内側にエラがあり、外からは見えません。
この構造の違いが、両者を区別する大きなポイント。
体の分かれ方にも明確な違いがあります。
オキアミは、体が多くの「体節」に分かれていることに対し、エビは体が「頭胸部」と「腹部」に、はっきりと分かれていると。
ちなみに、私たちが普段「エビの尻尾」と呼んでいる部分は、エビの「腹部」にあたります。
厳密には脚の数や役割も異なります。エビは「十脚目」という分類名の通り、10本の歩くための脚(歩脚)を持つのが特徴ですが、オキアミの脚は異なります。
このように、オキアミとエビは、生物学的にはかなり遠い関係と言えます。
標準和名は「ナンキョクオキアミ」
私たちが釣りエサとして使っているオキアミの多くは、標準和名を「ナンキョクオキアミ」と言います。
その名の通り、南極大陸周辺の冷たい海域に生息しており、クジラやペンギンの貴重な食料にもなっています。体長は最大で約6cmほどに成長し、寿命は約6年。大規模な群れ(スーパー・スウォーム)を形成して海中を漂っている、まさにプランクトンなのです。
話題作りにぴったり!
今回は、釣りエサの定番「オキアミ」の意外な正体について解説しました。
この豆知識を知っていると、友人やお隣さんとの話題作りになりますよ。ぜひ、次の釣行で仲間の釣り人に話してみてはいかがでしょうか?