最近の釣りエサ箱は、EVAやプラスチック製が主流。手入れが簡単で便利ですが、昔ながらの木製エサ箱も、特に虫エサを使うベテランアングラーには根強い人気があります。
なぜ、わざわざ木製を選ぶのか。それは、活きエサを快適に保つための、木材ならではの天然の機能に秘密があります。
今回は、木製エサ箱が活きエサ収納に優れている理由と、その効果的な使い方をご紹介します。
木製エサ箱の最大の武器は「天然のエアコン機能」
木製エサ箱がイソメやゴカイといった虫エサの収納に適している最大の理由は、その素材が持つ調湿と調温の機能にあります。
活きエサが弱る大きな原因のひとつが、エサ箱内部の熱ムレです。特に気温が高い日は、エサ箱内の温度が急上昇してしまいます。
木製エサ箱は、使用前に海水などで湿らせておくことで、この熱ムレを防ぐことができるんです。
水分を保持:木材は適度に水分を吸い込む性質があります。
気化熱で冷却:吸い込んだ水分が蒸発する際、周囲の熱を奪います。この「気化熱」現象により、エサ箱内の温度上昇が抑えられ、エサにとって快適な涼しい状態を保ちやすくなるのです。
木材は、周囲の湿度に応じて水分を吸ったり吐いたりする調湿作用を持っています。
過剰な湿気を防ぐ:エサが出す水分でエサ箱の中がべちゃべちゃになるのを、木が余分な水分を吸収することで防ぎ、エサが弱るのを抑制します。
急激な乾燥を防ぐ:逆に、エサ箱が乾燥してきた際には、木材が蓄えた水分を放出し、適度な湿度を保つ手助けをします。
これにより、エサは常に最適な湿度を維持しやすくなるということ。
木材は、熱を伝えにくい断熱性に優れています。
炎天下対策:外気温が上がっても、木材の断熱効果により、エサ箱内の温度が急激に上がるのを防いでくれます。
温度ショック防止:クーラーボックスに入れる際も、急激な冷え込みを緩和し、活きエサを温度ショックから守ってくれます。
昔ながらの道具には理由がある
木製エサ箱は、その自然素材ならではの優れた調湿・調温機能により、活きエサを長時間快適に保つことができます。
特に活きの良さが釣果に直結する虫エサを使う釣りでは、強力な味方になってくれます。プラスチック製を使っているかたも、ぜひ一度、木製エサ箱を試して、その効果を体感してください。