食欲の秋、そしてご馳走として釣り人に愛される「フグ」。現在、大阪・泉南の樽井漁港から出船している「八千代丸」では、フグの釣果が連日上がっていますが、ここにきて釣り人たちの間で「ある噂」が飛び交っています。それは、フグの王様、あの超高級魚「トラフグ」が頻繁に姿を見せている、というものです。
この噂は本当なのか?なぜ今、トラフグが釣れているのか?そして、どうすれば手にすることができるのか?気になる真相を確かめるべく、八千代丸の舩野貴久船長に話を伺いました。
まず、フグ全体の釣果について尋ねると、船長は冷静に現状を分析してくれました。
「正直に言うと、ここ最近は数で言えば少し少ないです。ただ、去年とはポイントが違い、例年のサバフグの新子狙いから、今年は良型のショウサイフグをメインに狙っています。日によりますが、釣れるフグの型は良いですよ」

10月2日の釣果。フグ1人7~15尾
メインはショウサイフグとサバフグ。これが現在の大阪湾の状況のようです。
トラフグ好調の真相「去年からの傾向です」

10月7日はトラフグ1kg
そして、本題であるトラフグの釣果について。釣果が目立っているのは、何か要因があるのでしょうか。
「トラフグが目立っているのは確かですね。去年からの感覚ですが、秋から初冬にかけて、いつもトラフグが多く上がるイメージがあります」
どうやら、この時期のトラフグは決して珍しいゲストではないようです。サイズも1~1.5kg級がアベレージで、船の最大記録では4kgクラスも上がったことがあるとのこと。

10月2日はトラフグ1kg

10月1日はトラフグ1.3kgと1.8kg

9月30日はトラフグ2.5kgと1.5kg
では、どうすればトラフグに出会える確率を上げられるのでしょうか。、船長は「当たり物なので狙うのは難しい」と前置きしつつも、貴重なアドバイスをくれました。
①基本を徹底すること
「誰にでもチャンスはあります。だからこそ、その時の潮に合ったオモリを使うなど、基本を大事にしてください」
②万全のタックルで挑むこと
「いざ大物が掛かった時に、仕掛けやラインが傷んでいてブレイク、というのが一番悔しい。タックルチェックは万全にしておきましょう」
③トラフグ専用のエサを試す価値アリ
「トラフグは魚食性が強い。脂が乗ってエサ持ちの良い、新鮮な魚の切り身を自分で用意してくるのも面白いかもしれませんね」
不意に訪れるチャンスを逃さないための「準備」。これが、夢への一番の近道となりそうです。

9月15日はトラフグ1kg

9月14日はトラフグ1.8kg
気になるこの状況がいつまで続くのか、今後の展望についても伺いました。
「冬が深まるにつれて、ショウサイフグがメインになってくると思います。ただ、去年一番良かったのは11月頃。サバフグ、ショウサイフグが多く、そこにトラフグが混じる、一番面白い時期でしたね」
最後に、船長からメッセージをいただきました。
「フグ釣りは1年を通して楽しめますし、アタリの出し方など、まだまだテクニックを磨く”伸びしろ”がある奥深い釣りです。ぜひ挑戦してみてください。ちなみに、エサはアルゼンチンアカエビなどの海水産のエビが鉄板。ブラックタイガーなどの淡水エビは食いが悪いので注意してくださいね」
フグ釣りが未体験の方も、専門に狙っているベテランの方も、この秋は「トラフグ」という大きな夢を追いかけて、竿を出してみてはいかがでしょうか!