
今永航汰(いまながこうた) プロフィール
過去に類を見ないほどの大接戦、大爆釣となった大阪湾タチウオKINGバトル2020セミファイナル。
今回は11月8日に和歌山県加太の三邦丸で行われたこの大会での戦い方を紹介しようと思う。
釣座は例のごとく……
まずは、当日の戦いの流れを大きく左右する朝イチの釣座抽選。
前日のプラで入れ食いバトルになることは予想していたため、何としても四つ角を引き当てたいところ…。
しかし、私の期待とは裏腹に、予想通り(?)引いた釣座は右舷胴の間。
この時点で心が折れかけましたが、与えられた釣座で最善を尽くすのみ。
そう自分に言い聞かせ、作戦を考えながら向かった先は洲本沖。
テンヤはすべてグローを使用する
規定数の3本のテンヤは、まずは全て掛獲船太刀魚テンヤのグローカラーをチョイス。
鉛テンヤゆえの発光面積の広さを生かし、テンヤのアピール力で高活性なタチウオにいち早くテンヤを発見させ、少しでも上のタナで釣る作戦である。
開始の合図とともに探見丸へ目をやると、反応は50m前後。
開幕から高活性で入れ食いモード
そして、その付近でジャークを入れた瞬間、いきなり自動フッキング成功。
もちろん周囲も入れ食いモードで、船中では電動リールの音が鳴り響いていた。
朝イチは2枚潮などもなく、釣座に関係なく釣りやすい状況であった。
それゆえ、何としてもこの時間帯に遅れを取ることなく、むしろ大幅にリードしておきたいと考えた。
テンヤのキャストは控えめにし、極力早くタナへ到達させることを意識した。
また、狙いのタナは回収時間を短くするため、反応の少し上。
誘いは高速ジャーク2回+ステイ2秒。
アタリがあれば、もちろん即アワセであるが、超高活性ゆえに、ジャークと同時に自動フッキングすることも多かった。
高速ジャークで、魚のスイッチが完全に入っていたからだと考える。
中盤からは2枚潮でオマツリが多発、キャスティングに切り替える
順調に数を伸ばしていたものの、中盤からは2枚潮がキツくなり、複数人でのオマツリが多発。
ここで作戦を変更し、今まで控えめにしていたキャストで、極力船から離し、ほかの方のラインとの干渉を避けるためロングキャストに切りかえた。
竿下で魚を掛けても、回収中にオマツリしてしまい、魚のバラシや絡んだラインをほどくことがタイムロスに繋がるためである。
ロングキャスト後のカーブフォールにアタリも集中し、効率よく掛けていくことにも成功した。
こういった刻一刻と状況が変化する中で、作戦をその都度変更し、アジャストできた。

セミファイナルを通過した筆者(右)と仙正丸の常連の粉川氏(左)
結果として10時半の競技終了までに86尾のタチウオをキャッチすることに成功し、全体2位でファイナルステージへの出場権を獲得することができた。