なぜ今まで使わなかった?70mmの「T」が冬の船上で最強な理由

船釣りのターゲットの中でも、ひときわ熱狂的なファンを持つカワハギ。その最大の魅力といえば、やはり肝パンの個体です。濃厚な旨みを最高の状態で味わうため、エラを切る血抜きは、基本的な処理方法です。

ハサミを使えば確実ですが、濡れた手やグローブ越しに小さなハンドルへ指を通す動作を、煩わしく感じた瞬間があるはずです。

そんなストレスを一掃するのが、「掴んで、刺す」だけのナイフ。第一精工の「MC Tハンドルナイフ #70」は、カワハギ師の悩みを解決できる1本です。

握り込むだけで力が伝わる「変形」ギミック

出典:第一精工

一見するとシンプルなスティック状ですが、グリップ後部のキャップを付け替えることで「T字型ハンドル」へと姿を変えます。

この形状こそが、現場で真価を発揮するポイント。指先だけで持つのではなく、人差し指と中指の間に挟み込み、拳でガッチリと握り込める。手首をひねる必要すらなく、上から体重を乗せるだけでダイレクトにパワーが伝わります。

カワハギの頭蓋骨を貫く脳締めも、このハンドルならムダな力みも不要。濡れた手でも滑らず、安定した軌道で急所を捉えられます。

70mmの刃渡りが生む「一撃必殺」の仕事

船上で取り回しやすい、絶妙な「刃渡り70mm」。この長さは単なるコンパクトさの追求ではありません。カワハギクラスの魚体に対し、大きすぎず小さすぎない、まさにジャストサイズ。

特筆すべきは、先端に施された「両刃仕様」です。通常のナイフ以上に「刺す」性能を突き詰めた形状で、抵抗なく対象へ吸い込まれていきます。

エラ蓋の隙間から、狙ったポイントへズドンと一突き。70mmの刃が深部まで瞬時に到達し、血管を断つ。切る動作すら不要なほどの貫通力が、血抜き時間を極限まで短縮させます。

長く使うための「作法」と「裏技」

刃の素材には、切れ味と強度を両立したステンレス鋼(SUS420J2)を採用。ただし、高性能な刃物ほどデリケートな一面も持ち合わせます。海水が付着したままでは錆びるリスクがあるため、帰宅後の真水洗浄と乾燥はマスト。

また、携帯時の安全性を高めるネジ式キャップですが、手返しのよさを最優先するなら、使うたびに脱着するのは手間。同社の「マルチステーション」などを活用し、すぐに抜ける状態で船縁にセットしておくのが、玄人のスタイルです。

冬の寒風で指がかじかむ状況でも、握り損ねる不安がない操作性。手返しの向上は、そのまま釣果へと直結します。次回の釣行は、このTハンドルを相棒に、スマートかつ最速で肝パンカワハギを仕留めてください。

サイズ 重量 材質 刃材質 刃渡り 刃厚 価格(税込)
164mm×57mm×24mm 75g ガラス繊維強化プラスチック 刃物用ステンレス鋼 70mm(片刃)、10mm(先端両刃) 2.5mm 2750円

第一精工公式「MC Tハンドルナイフ #70」の詳細ページはこちら

第一精工(DAIICHISEIKO)

1937年創業、大阪市東成区を拠点と、「より良い確かな釣用品」をモットーに釣具を製造、販売するメーカー。「これがないと釣りができないわけではないが、無いと困るもの、あればスマートなもの」、いわゆる便利系アイテムを多数輩出!リールへのラインの巻き取り、ラインの巻き替えが簡単にできる「巻き替えスプール」、エギング用のランディングギャフを安全、コンパクトに持ち運べる「オートキングギャフ」などなど、多くのヒット作を生み出している。

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