砂底に張り付き、じっと獲物を待つヒラメ。
「動かない魚」という印象がある一方で、実際には落ちてくる餌に対して素早く反応する“ハンター”でもある。
その能力を支えているのが、上方向の視野が極端に広い独特の目の配置だ。
今回は、ヒラメの目がなぜ上についているのか、その仕組みと釣りへの応用をまとめる。
実は「成長とともに“目が移動する”不思議な魚」だった
実はヒラメの稚魚は、最初は普通の魚と同じく左右対称で、目も両側にある。

▲画像はイメージ
ところが成長が進むと、片側に目が寄り、やがて体の上側へと移動する。これがいわゆる“変態”と呼ばれる過程で、ヒラメが底生の待ち伏せ型へ特化するための進化だ。
目が上へ移動することで、砂に潜った状態でも広い範囲を見渡せるようになり、獲物を逃さない位置取りが完成する。
落ちてくる餌に強い理由は“視野と狩り方”にある

ヒラメは砂に身を潜めながら、上を通る小魚や甲殻類を見上げるように観察している。
エサが落ちてきたり、沈みながら揺れたりすると、その動きを視界の中で正確に捉え、下から一気に食い上げるのが捕食の基本動作だ。
釣りに活かせるポイント

釣りでよくある
・仕掛けの着底直後に食う
・最初のリフトでひったくる
という現象は、この視野構造が理由になっている。
なので、落ちてくるルアー・エサは“見せる間”が大事。フォールを速く落としすぎると視界に入らないことがある。
着底前後の数秒は、意識してルアーを見せたい。
また、底から離れたルアーやエサにも食い上げるので、底ばかりを意識すると逆に釣果を落とす要因になってしまう可能性がある。

目の配置と視野の仕組みを理解すると、着底直後の誘い、斜め上へのリフト、エサやルアーを見せる“間”の重要性がわかり、ヒラメ釣りの成功率が一段と上がる。

























