【この魚、何?】AIの回答も二転三転!? 謎に包まれた南紀で釣れた魚は…

魚釣りをしていると、見たことがない魚や、類似魚種とその判別に戸惑う魚ってありますよね?

先日の南紀・串本のノマセ釣りで釣れた魚が、今、筆者を悩ませております。

それがこちらの魚です↓

タモに入れた時は「カンパチ」かと思いましたが、取り込んだ船長が「ヒレナガ(カンパチ)やな」。

顔の部分や口付近がカンパチに比べて少し丸みを帯びている?という違和感はありましたが、船上では「ヒレナガカンパチ」となりました。

ヒレナガカンパチかアイブリか、それとも…

そして、帰港後、別船に乗っていた編集部の魚好きスタッフに見せると、「これアイブリちゃいます?」。

アイブリの写真や特徴を引っ張り出して、スマホで検索すると、「なるほど!アイブリか」と、ひとまず決着。

で、後日に記事を書こうとした時に、今をときめくAIさまに最終確認の意味で、投げかけてみると…。

ヒレナガカンパチです!

「ええ、アイブリじゃないの?」

この時点までは、アイブリと信じ切っていた筆者。

そこで、アイブリとヒレナガカンパチの違いを調べてみました。

アイブリとヒレナガカンパチの特徴

すると、その両魚の特徴がヒレの違い。

1番の判断材料は、「背中の真ん中にあるヒレ(第2背ビレ)の形」だそうです。

アイブリ:背ビレの前側が低く、丸みを帯びている(鎌のような形にはならない)。

ヒレナガカンパチ:背ビレの前側が高く、鎌のように長く伸びて尖っている。

長く伸びて尖っていると言われれば、そうですし、丸みがあるような気もします。

そして、2つ目の理由が体色と模様

アイブリ:名前の通り「合の子(アイノコ)」のような見た目で、全体的に黒っぽい、または茶色っぽい色をしており、うっすらと黒い斜めの縞模様が入ることが多い。

ヒレナガカンパチ:写真のように、全体が銀色で、独特のピンク色(薄紫色)の光沢を帯びることが多い。写真のような「ピンクがかった銀色」はヒレナガカンパチの大きな特徴。

で、違和感を感じた顔つきに関しては、

AIの回答は、

アイブリも「おでこが丸い」のが特徴ですが、ヒレナガカンパチも普通のカンパチに比べて顔が丸く、おでこの傾斜がきついため、この点は非常によく似ている。ここだけで見分けるのはベテランでも難しいポイント、とのこと。

→そして結論は、顔つきはアイブリに似ていますが、「高く尖った背ビレ」と「ピンクがかった綺麗な魚体」から、ヒレナガカンパチと判断できます、でした。

ハイブリッドの可能性は?

そこで再度食らい付いて、ハイブリッドを疑いました。

その質問を投げかけると、

「結論から言うと、これは「ハイブリッドではなく、純粋なヒレナガカンパチ」である可能性が極めて高いです。なぜそう言い切れるのか、その理由は「ヒレナガカンパチの顔つきの特徴」にあります。

1. ヒレナガカンパチはもともと「おデコが丸い」

実は、ヒレナガカンパチは普通のカンパチに比べて、標準的におデコが丸く、顔の傾斜がきついという特徴を持っています。

普通のカンパチ:顔がシュッとしていて、頭のラインがなだらかです。

ヒレナガカンパチ:成長すると特におデコが出っ張ってきて、全体的に丸顔になります。この「丸顔」がアイブリに似ているため、よく混同される原因になります。

2. 生物学的な「属」の違い

少し専門的な話になりますが、この2種は分類上のグループ(属)が異なります。

アイブリ:アイブリ属 (Seriolina)

ヒレナガカンパチ:ブリ属 (Seriola)

属が違う魚同士の自然交雑(ハイブリッド)は、同じ属の魚(例:ヒラマサ×ブリ)に比べて発生する確率が極めて低く、釣り場で遭遇することはまずありません。

結論…この魚は、「アイブリのように丸いおデコを持つ個体のヒレナガカンパチ」であると言えます。「顔はアイブリ、体はヒレナガ」という、ちぐはぐな特徴に見えるのは、まさにヒレナガカンパチ特有の個性そのものです、

だそうです。

最後に投げかけた写真で、まさかの答えが…

ここまで断言されたら、「ヒレナガカンパチ」だな、と決着するんですが、諦めの悪い筆者は最後に尾びれの写真を投げかけてみました。

ヒレナガカンパチは尾びれの下の先端が黒く、カンパチは白い、そうです。

その写真がこちら↓

尾びれの下の先、白い感じもしませんか?

筆者も「個体差かな?」程度に思っていて、どうせ「ヒレナガカンパチ」です、と返ってくるのかと思いきや、

これはヒレナガカンパチではなく、普通の「カンパチ」であると判断するのが正解です。これまでのご指摘(尾びれの白さ、背びれの形)がすべてカンパチの特徴を指しています。

その決定打が「尾ビレの白さ」。

「尾びれの下の先が白い」、これはカンパチ(Seriola dumerili)だけの決定的な特徴であり、ヒレナガカンパチにはこの白さはありません。この証拠が最も確実です。

そして、「アイブリ」ではない理由。アイブリの背ビレは、先端が「丸く」なります。

この魚の背ビレは「尖って」ますのでアイブリではありません。また、アイブリには尾びれの白い模様もありません。この魚は、「おでこが少し丸くてアイブリに似た顔つきをしているが、正体は立派な『カンパチ』」です

との回答。

筆者的には回答が出ず…

AIさまの中では、「ヒレナガカンパチ」から、「カンパチ」に落ち着きましたが、筆者の中ではヒレナガカンパチ、アイブリ、まさかのカンパチ? で頭の中がモヤモヤ。

まだ自身では何の魚か、答えに行き着いていません。

皆さんは、この魚、何だか分かりますか?

ヒレナガカンパチ? アイブリ? それともカンパチ?「我こそはお魚博士!」という方、ぜひ正解を教えてください!

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