
いよいよ、渓流釣りファンが待ちわびた「解禁」の足音が聞こえてきました。
早春の凛とした空気の中、透き通るような清流に仕掛けを投じ、宝石のように美しいアマゴやヤマメと出会う――。そんな贅沢な時間を楽しむために、今回は初心者でも手軽に始められる「渓流エサ釣り」の基礎講座をお届けします。
ルールからタックル、そして釣果を伸ばすコツまで、現場で役立つノウハウを凝縮しました。
1. まずは「遊漁券」の準備から。ルールを守って楽しむのが大人の嗜み
渓流釣りにおいて、何よりも先に準備すべきは「遊漁券(入漁券)」です。 日本の河川の多くは漁業協同組合(漁協)によって管理されており、魚の放流や環境保全が行われています。
・購入方法: 地元の釣具店や漁協事務所、コンビニなどで購入可能です。
・便利な最新ツール: 最近では、スマートフォンで24時間いつでも購入できるアプリ「フィッシュパス(FISHPASS)」を導入する河川が増えています。
・券種: 1日のみ有効な「日券」と、シーズン中何度でも使える「年券」があります。頻繁に通うなら年券がお得です。
・注意点: 券を持たずに釣りをしていると、現場巡回員から「現場加算金」を上乗せして支払う必要があります。必ず入川前に購入し、見える位置に携帯しましょう。
2. タックル選び:基本は「5~6mののべ竿」

渓流のエサ釣りは、リールを使わない「のべ竿」スタイルが基本。シンプルだからこそ、魚とのダイレクトなやり取りが楽しめます。
・竿の長さ: 川幅によりますが、汎用性が高いのは5.0m〜6.0mです。
・硬さ: 初心者には、仕掛けを振り込みやすく、魚の引きもしっかり受け止める「硬調(こうちょう)」タイプがおすすめです。
・仕掛け: 竿先から「天井糸→水中糸→ハリス→針」という構成です。

慣れないうちは、全てがセットになった「完全仕掛け」を選びましょう。選ぶ際は「竿と同じ長さ」のものにするのが鉄則です(天井糸で長さ調整できるタイプが便利)。
・目印: 水中糸につける目印は、アタリを取るだけでなく仕掛けの位置を把握する命綱です。
・ガン玉(オモリ): 流れの速さに合わせられるよう、G3〜3B程度を揃えておきましょう。
3. エサのバリエーション:ローテーションが釣果の鍵

渓流魚は非常に警戒心が強い反面、飽きっぽい一面もあります。数種類のエサを用意して反応を探りましょう。
・イクラ: 最も手軽。釣具店の生イクラのほか、スーパーの食用(味付けなし)でも代用可能です。
・ブドウ虫・ミミズ: 視覚的なアピールが強く、活性が高い時に有効です。
・川虫(現地調達): 究極の特効薬。川の石の裏に潜む「ヒラタ」「キンパク」「クロカワムシ」などを捕まえて使います。その川の魚が普段食べているものなので、食い込みが抜群に違います。


4. 必須装備:安全と快適さが集中力を生む

山深い渓流は足場が不安定。しっかりとした装備が安全に繋がります。
・ウェーダー: 川の中を歩くため必須。
・偏光サングラス: 水面のギラつきを抑え、水中にある岩の形状や魚の影、目印の動きをクリアにします。
・タモ・ビク・エサ箱: 魚を取り込み、キープし、エサを素早く取り出すための三種の神器。
・針外し: 魚が針を飲み込んでしまった際、ダメージを最小限に抑えるために用意しましょう。
5. 実践!釣り方のコツとアタリの取り方
渓流釣りの基本は「上流へと歩く(遡行)」ことです。魚は頭を上流に向けて泳いでいるため、後ろから近づくのがセオリー。

・流し方: 狙ったポイントの少し上流に仕掛けを入れ、「川底付近を自然な速さで流す」ことを意識してください。
・オモリの調整: 目印が不自然にブルブル震えるのは、オモリが重すぎて底を引きずっている証拠。逆に浮きすぎてもいけません。
・アタリの判断: 目印がフッと止まったり、流れとは違う方向にピシッと走ったりしたら、それがアタリ。手首を軽く返すようにして「アワセ(フッキング)」を入れましょう。

早春の光を浴びて輝くアマゴやヤマメ。その美しさは、一度手にしたら忘れられない感動を与えてくれます。自分で釣り上げた魚をいただく喜びも、渓流釣りならではの醍醐味です。
さあ、あなたもこの春、美しい渓へと出かけてみませんか?

























