
竹村勝則 プロフィール
舞鶴湾(京都府)佐波賀の筏では、毎年冬から春にカキをエサにチヌを釣る、「カキチヌ」と呼ばれる釣りがある。
今年は天候の加減か、水温がまだ下がりきっていないようで、カキチヌはまだ本格化していないようだが、それでも実釣取材当日は50cmの年なしと35cm、28cmがカキで釣れていた。型がよいのが魅力の、そんなカキチヌをレポートしたい。
舞鶴湾は冬場でもカカリ釣りでチヌが狙える
冬場のチヌカカリ釣りは、季節風が強いせいもあって、休業する所が多いが、天然の良港・舞鶴湾は奥が深く、外海の影響をあまり受けないので、冬でもチヌカカリ釣りが楽しめる。
波静かな湾内にはカキ養殖筏があり、そこはチヌの絶好の越冬場となって、居付きのチヌが多い。
佐波賀は舞鶴湾が大きく西に入り込んだ北岸に位置するので、なお冬の季節風にも強い釣り場と言える。
この付近はカキ養殖筏がたくさん浮かんでいる。チヌ筏にもカキが吊り下げられていて、その下にいるであろうチヌを、カキの出荷時期である冬から春に釣るのだ。
6時半に出船、エサは予約しておいたカキをメインに
6時半、予約のカキを1カゴもらって出船。乗船場から左前方10分とかからない所にカキ筏が浮かんでおり、その中にチヌ筏がある。
カキ1カゴと、ボケ、くわせオキアミ。カキで釣れなければダンゴでチヌを寄せる作戦で、パワーダンゴチヌ1箱と、濁りオカラに大チヌスペシャルハイパーを各1袋。ダンゴのアンコにニュー活さなぎミンチ激荒を2袋持参した。
朝は少し冷え、濃霧で霧が晴れるのが遅かったが、陽が当たると小春日和となった。
1.6m竿に片軸リールで、糸は2号。オモリなしで、針はがま改良チヌ7号(黒)。
まずは陸向きで釣り開始
陸向きで、まずはカキを数個潰してパラパラと撒き、半貝にしたカキを付けて、貝殻の重みで落としていく。
この釣りは、エサの着底前後にアタリがでることが多いので、その時を見逃さないようにするのがコツ。
アタリがなければ、そっと1mほど持ち上げては、ゆっくり落としていく。それを2、3回繰り返してもアタリがなければ、エサ切りをして仕かけを上げる。
チヌがいれば、2、3投目ぐらいまでに釣れるものだが、アタリがなければエサも取られず、音沙汰なし。
カキではアタリがでないのでダンゴ釣りに切り替える

ダンゴ釣りの食わせエサ
昨年2月に訪れた時は、ボケで40cm級のチヌを2尾釣っているので、ダンゴ釣りに切りかえた。
ボケではエサを取らないが、そのうちオキアミだと取るようになった。しかし、アタリはチヌのようではない。しばらくして針に掛かったのは、フグではなくヒイラギ。
昨年の釣行時、常連からオキアミエサのウキ釣りで、マキエもなしでチヌが釣れると聞いたので、置き竿でウキ釣り用の竿を出してみた。
エサを少しハワセ気味(タナは約10ヒロ)で、ボケとオキアミで試したところ、ボケは取らないがオキアミは時おり取られる。
ほかの筏ではチヌが釣れていた
16時で帰る21番筏の人がチヌを釣っているようなので、帰りの渡船でこちらに立ち寄ってもらい、大チヌ(50cm)だけ写真を撮らせてもらった。
その人の話では、「7時半頃にカキの半貝で50cmがきた」と言い、「その後35cmと28cmが釣れた」と言う。竿は1.6m、片軸リールに、糸は2.5号、針はチヌ針6号。大チヌのアタリは、エサ取りのような感じだったらしい。
当日は釣り人6人で、チヌを釣ったのは1人だけだったが、50cmの大チヌがきたのは、やはりカキチヌならでは。まだ、当分は楽しめそうだ。