春と言えば桜、桜と言えば頭に浮かぶのはピンクや朱色の美しいタイ。春は産卵のため、荒食いする乗っ込みが始まり、大型のタイが期待できるシーズンだ。
和歌山県市江沖の「乗っ込みのタイ」
そんな、乗っ込みのタイが高確率で狙えるアツいエリアが和歌山・市江沖。今回は大型のタイを釣りたいと、つりそく船釣りクラブメンバーが集まり、釣行会が開催された。

つりそくの公式船釣りクラブ。毎月1度各地で釣行を行っている。今回は18人が集まった(写真は17人)
朝、市江漁港に集合したメンバーは市江崎と僚船の計3船に分かれて乗船する。記者は中戸船長が操船する本船に乗船。ポイントまでは、およそ10分ほどと近い。まずは、魚礁周りの水深70mからスタートした。
市江崎では天ビンズボ釣りでタイを狙う。

天ビンズボ釣りで使用するマキエカゴ、天ビン、クッションゴム、オモリ
・まずマキエカゴから投入し、その後にハリスを入れていく
・そのまま仕かけを底まで下ろしていき、着底すればすぐに底を切って、仕かけ分上げる
・仕かけ分リールを巻けば、2、3回シャクリ、ステイする
・アタリがなければ、上の指示ダナまで1mずつ誘い上げていく
マキエは一気には出さず、パラパラと撒けるようマキエカゴを調整しておくことが大切だ。
開始しばらくはアタリがでなかった。エサも取られることがなく、この日は食いが渋い。だが、開始1時間ほどして、左舷トモの人の竿が曲がった。心地よい3段引きを楽しみながら上がってきたのは、45cm前後の食べ頃サイズのタイだ。
この後はポツポツとアタリ、メジロやタイ、そして60cmオーバーの良型のタイが釣れた。
この日は予想よりも南の風が吹き、次第に波が高くなってきた。危険と判断した中戸船長は「ラスト2回にしましょうか」と記者に言う。ラスト2投に気合いが入るメンバー。そんな時ドラマが起こった。
この日は、魚探の反応が底付近に出ていたが、アタリがでないと、底から15mタナを上げた藤原氏。すると、小さなアタリがでた。しかし、その瞬間に、海面に突き刺さる竿先。ドラグが滑り、ラインが出されるほどの強引に、これは大物と確信。
突っ込みに耐え、浮いてきた魚を見るや、船上では「デカイっ!」と声が上がる。計測してみるとジャスト80cmの大型のタイ。ほれぼれするような美しい魚体だ。そして納竿の時間となった。

80cmのタイを釣り上げた藤原氏
計測すると、何と7.6kgの重量。

魚の長さ、重さが計れる超便利なハピソンのアイテム「計測釣りはかり」
この日は悪天候で釣り辛い状況だったが、見事なマダイに船長もホっと一息。これから水温が上がれば、さらに期待できる市江沖の乗っ込みのタイ。ぜひ、皆さまにもその強引を感じてもらいたい。