
メジロ、ブリなどの青物を筆頭に、さまざまな魚種が釣れるのも魅力な落とし込み
和歌山・加太港出船の三邦丸では、現在「落とし込み」で出船しており、ファンがかけつけている。
「落とし込み」ってどんな釣り
「落とし込み」釣りのターゲットとなるのは主にフィッシュイーターで、具体的には青物(ブリなど)や底物(ヒラメやアコウなどの根魚)。これに加えて雑食性で小魚も食べるマダイなども釣れてくる。
では、どう釣るの? これが特徴的だ。
ベイト(小魚)をエサにする魚を狙うワケなので、そのベイトを釣り人は仕掛けに付けて、青物や根魚のいるタナに「落とし込む」というもの。
具体的には専用のサビキ仕掛けで、まずはベイトを釣る。ベイトが付いたら仕掛けをそのまま底付近へ落として、本命を狙うというスタイルだ。ちなみに、同様の釣りを「タテ釣り」と呼ぶ地域もある。
以下、三邦丸で聞いたワンポイントをまとめてみたい。
ベイトの付け方

まずは専用サビキ仕掛けにエサとなるベイトをつける
まずはベイトをサビキ仕掛けにつけないと釣りが成立しない。ベイトを付けるワンポイントが以下。
①船長からベイトのいるタナが指示されるので聞き逃さないこと
②指示ダナまで仕掛けを一度下ろす
③竿いっぱいゆっくり大きく竿を上げる
④今度はゆっくり竿を元の位置に下ろしていく
⑤しばらく静止させる
以上の繰り返しで、ベイトを掛ける。この中で、基本的には竿を下げた(フォール)時に食ってくることが多く、ステイした時にベイトがハリに掛かっているかを確認をすればよい。掛かっていなければ、同じことを繰り返す。

三邦丸では加太流落し込みサビキを販売している。長年、加太で落とし込み釣りを研究してきた三邦丸オリジナルの仕掛けだ。この周辺のベイトにはこのホロフラッシュが効果的
ちなみに取材時のベイトは、カタクチイワシが主体でウルメイワシがまじっていたが「カタクチイワシは身が硬いため、ウルメイワシの方が食いがよい」と船長は話していた。サイズは5~20cmとバラバラだったが、大きいものでも食ってくるとのこと。
本命のタナは底付近

仕掛けをタナに落とし込んだ瞬間のヒットも珍しくない
ベイトが掛かれば本命のいる底付近のタナへ仕かけを落とす。基本的には、底から50cm~1m前後に仕掛けを入れる。仕掛けが根掛かりしないようにタナを取っていればOK。落とし込み釣りでは本命のタナに仕掛けを落とした瞬間にアタリが出ることが多いので、油断は禁物。
魚探を見てワクワク
ちょっと余談になるが、船長は「ベイトの映り方で、その周りにフィッシュイーターがいるかが分かる」と言う。
写真のようにベイトの群れにポッカリ穴が空いているように映る場合は、青物がいる可能性が高いとのこと。

ベイトの群れを示す赤い反応の中にポッカリ空間がある。青物の可能性は高め!
また、ベイトが玉のように固まって映ったり散らばって映る時は、ベイトが青物に追われている可能性が高くチャンスタイムだ。ちなみに根魚の場合は、追って食うというよりは目の前にきたエサに反応することが多いので、魚群探知機では分かりづらい。
チャンスは9月いっぱい、お早めに!
三邦丸では、ベイトの付きやすい9月いっぱいが「落とし込み」で出船する期間の目安となる。大型青物や根魚、思わぬ魚種が飛び出したりするからオモシロいこの釣り、お出掛けはお早めに!

9月2日の三邦丸の釣果写真。ブリ、メジロ、マダイなどがヒットしています
※本記事は週刊釣場速報2018年9月7日号に掲載された記事を再編集したものです