夏を迎えて、船のタコ釣りが最盛期に突入し始めましたが、皆さんはどんな仕かけを使っていますか?
近年は全国的にタコ専用のエギを使用したエギタコの釣りが主流で、エギを使ってタコを狙う人も多いかと思います。
旧来から行われてきたエサを巻くタコテンヤと違って、エギの魅力は手軽にできて、しかもカラーローテーションなどが楽しめてゲーム性があるところ。そんな、手軽さが受けて女性や子供にも大人気です。高活性の日は手返しもよく、釣果もグーンと伸びますね。
でも、状況によっては“エサを付けた仕かけにだけ乗る”ってこと、体験したことないですか?
先日、筆者が出掛けた船タコのメッカ、兵庫県明石沖でも、乗りが渋い時間帯には“エサ付きが圧倒的に有利”という時間がありました。

出典:脇漁具製作所
そんな時、「エギのようなゲーム性は捨てがたいけど、エサも付けられる仕かけがあればなあ」と思いませんか?
実は、そのハイブリッド的な要素を満たしたタコテンヤがあるんです!!
「タコ串」と言うこの仕かけは、明石の船タコレジェンド・ワダゲルゲこと、アシスト工房代表の和田勝也氏と脇漁具製作所が共同開発した船タコ釣りに特化した金串針です。
「ワームとエサ、どちらも使えるハイブリッドな要素を満たした」と言う通り、いわば「究極のタコテンヤ!!」
脇漁具から発売されているタコ串には、タコ串単体のモノ、タコの恋人というワームがセットされているモノの2タイプがあります。
では、それぞれを紹介します。
タコ串6本針
まずは、タコ串単体の「タコ串6本針」。
パッケージから出してみると、こんな感じです↓
長さが異なる2種がラインナップされており、写真上のロングは全長16cm、下のショートは全長13cmに設定されています。
サイズが2パターンあることで、使用するエサや、ワームの大きさに合わせて選ぶことができますね。
針は、太すぎず細すぎずバランスの取れた半丸形状のスズメッキフックを使用。この針の特長は、根掛かりが少なく、乗ってきたタコへの掛かりは抜群で、その6本の針でしっかりとタコを捕えてくれます。2021年製モデルは、根掛かり低減を計るために、従来の10本針から、環境に優しい6本針に改良されました。
さて、このタコ串ですが、どのように使用するのでしょうか?
この串には、「タコの恋人」のようなタコ用ワームや、アジやイワシなどのエサを刺して使用します。
イメージはこんな感じです↓

▲ワームを刺したパターン

▲魚を刺したパターン
近年流行のエギを使用した仕かけでは、ツイン仕様にする場合が多いですが、このタコ串もエギ同様にツイン仕様にすると、そのゲーム性が広がります。
上の写真はカラーの異なるワーム(タコの恋人)をセットしたものですが、色を変えることにより、タコへのアピールが増しますよね。
もちろん、この組み合わせはアナタ次第。
ツインの片方をエサにしてみたり、両方をエサにしたり、ワームとエサを合わせて付けたり、ワームのカラーをローテしたり、ワームを組み合わせてみたりと、ゲーム性は大きく広がります。
タコ串仕かけの関連動画はこちら↓
その一例を紹介します。
まずは、最も基本的なパターンでワームを2つ付ける形。
この時、カラー系統の異なるものを付けると、より早く当たりカラーを見付けることができるので効果的です。そして、どちらに乗ってきたかを見て、乗らなかったワームを変えて、乗ったカラー系統に寄せていくと、さらにアピール効果も高まりますね。
続いては、ハイブリッドと言われる所以、ワーム1つとエサ付き1つのツイン仕様。
写真は、エサにブタの脂身を使用していますが、代用でアジやイワシなどの魚を使用するのもアリです。
次は、1つの串にハイブリッドさせたバージョン。ワームとエサを同じタコ串に刺しています。
ワームのカラー+エサの集タコ&抱かせ効果がミックスされたアピール&抱かせる魅力が最大限発揮された究極のハイブリッド仕様ですね!!
これならワームに反応する時も、エサにしか反応しない時もどちらも場合でも柔軟に対応できて、コンスタントな乗りが期待できそうです。
まだあります。こちらは上のパターンと同じく、1つのタコ串に合わせワザですが、ワームとエサではなく、ワームと発光体の組み合わせ。
光量の少ない深場のポイントを狙う場面では、発光体がアピール力を高め、ワームでしっかり抱かせてくれそうですね。潮が緩ければ、スナップの上部に小型の水中ライトを付けても面白そうですね。
もちろん、タコ串のツインだけでなく、タコエギとタコ串の組み合わせも効果抜群です!!
また、ワーム同士の組み合わせ技ができるのも、このタコ串のメリットです。
組み合わせパターンをいくつか紹介しましたが、ここからは、そのワームやエサのセット方法や外し方を紹介します。
まずは、ワーム(タコの恋人)の装着方法。
①ワームの口の部分に串の先を当てて刺します。
②ワームのど真ん中を串が通るように、ゆっくりと串を刺し込んでいきます。
③串の先が尾の部分から出るまで刺します。
④ワームの尾の部分まで串を刺し込めば、ワームをフックの方へ伸ばします。
⑤フックの根元までワームを伸ばせば、セット完了です!!
タコの恋人の取り付け方法の動画はこちら↓
次は、セットしてあるワームの外し方です。この方法は2つあります。
1つ目は、プライヤーを使うパターン。
プライヤーを持って、タコ串のカンナの後ろに付いているアイをつまみます。
そこから、ワームをしっかり押さえて真っ直ぐにプライヤーを引けばOKです。
プライヤー使用の外し方の動画はこちら↓
2つ目は、付属のクリップを使うパターン。
タコ串のパッケージ内にゼムクリップが付属されているので、それをアイに引っ掛けます。引き抜く時は、クリップを横や斜めにすると引き抜きやすいです。
付属のクリップ使用の外し方の動画はこちら↓
プライヤーを持参していれば、それを使うもよし、なければ付属のクリップで外すもよしです。
ただ、必ず注意してほしいのが、素手で外すのは避けること!!
釣りをしていると、手が濡れていたり、タコのヌメリが付いていて滑りやすくなっているので、ケガをしないように素手では外さないようにしましょう。
続いては、魚(アジ)の刺し方。
こちらは、とっても簡単。
①魚の口からタコ串の先を入れていきます。
②魚の中心を通るように進めていき、尾の付近から串の先を出せば完成です。
アジの装着方法の動画はこちら↓
タコ串6本針は、ロング、ショートともに2本入りで、価格はどちらも790円です。
脇漁具製作所公式「タコ串6本針」詳細ページはこちら
タコ串恋人付6本針
「タコ串恋人付6本針」は、予めタコ用のワーム、「タコの恋人」がセットされたタイプ。
タコの恋人を別で購入して、串にセットする手間が省かれるので、すぐに釣りができてとっても便利。ビギナーにも最適なアイテムです。
こちらも「タコ串」単体と同様に、串の全長が異なるロングとショートの2タイプがあります。
セットされているタコの恋人のカラーは、ロング、ショートともに全部で4色あります。
ピンク
ホワイト
オレンジ
イエロー
タコ串恋人付6本針は1本入りで、価格はロング、ショートともに各色780円です。
脇漁具製作所公式「タコ串恋人付6本針」詳細ページはこちら
最後に、タコ串の共同開発者である、和田氏がこのタコ串の応用編も教えてくれました。
タコ串にはフックの先にもアイが設置されているので、ここにアイテムを取り付けることができます。
その1つがブレード。
タコ用のエギにはブレードが付いているモノがありますが、このタコ串にもセットが可能。ブレードがクルクルと回って波動を起こしてくれたり、フラッシングでタコにアピールしてくれます。
2つ目はシンカー。
そう、オモリです。タコ用のスナップには、オモリをセットするスナップが付いていますが、あえてタコ串の下のアイに付けることにより仕かけが立ちます。
仕かけが立てば、針は底から少し上にあるので根掛かりの多いエリアを攻める場合や、逆に砂地や泥底の場合でも仕かけが埋まらずにアピールし続けることが可能になります。
また、ブレードとシンカーの合わせ技もアリです。
和田氏は、「両方にオモリを付けてウエイトを変えたりして、船宿指定の号数に合わせるのもよい」ともコメントしています。
タコ串応用編の関連動画はこちら↓
「タコ串」は、正にアングラーのアイデア次第で、その使用方法は無限大ですね!!
実際にタコ串を使ったアングラーの声では、
・手持ちのワームやウインナーなど、刺せるものなら何でも串に付けてやってみると釣れちゃうし、話題性も膨らんで楽しい。
・生エサを刺した時のタコの抱きっぷりがよく、巻き上げ中もバレにくくなった。
・タコ串本体が金串と針だけなのでコンパクトに収納でき、匂いを発する生エサやワームと区別して保管できるのもよい。
などというコメントがありました。
まだまだ続く船タコの好シーズン、今まではゲーム性を重視してエギがメインだった方も、このタコ串ならゲーム性が損なわれることなく、場合によってはエサで狙う強みも発揮できます。
船タコのレジェンド・和田氏のアイデアが詰まった究極のハイブリッド蛸テンヤ「タコ串」があれば、奥深い船タコゲームを今まで以上に楽しめそうですね!!