
大東哲也(おおひがしてつや) プロフィール
ようやく春らしい日が増え、釣りに行きやすくなってきました。
今回は旬の釣りキモのお話ではなく、のんびりと春を感じる釣りを紹介したいと思います。
でも、キモをあえて言うなら、「取り回しのよい仕かけ全長」というところでしょうか?
老舗ジギング船・魚英からマコガレイを狙う
ターゲットはマコガレイ。
投げ釣りではポピュラーなターゲットですが、近年は釣果も減り、幻の魚と言われることもある魚です。
「白身の女王」との異名があるくらい、上品で美味な魚で、高級魚としても知られています。
昔はドンドン釣りと言って、カレイ便が出船していたようですが、現在出船している船宿さんはありません。
しかし、古くから期間限定でカレイ便を出している、明石の老舗ジギング船・魚英にお邪魔しました。
以前より挑戦したいと思っており、念願が叶い、ようやく釣行が実現しました。
シーズン的には産卵後のアフター(回復のタイミング)に当たり、釣期は3~5月頃までで、特に4月以降は魚のコンディションもよくなるようです。
釣り方としては、カカリ釣り(船をアンカーなどで固定)で、チョイ投げの置き竿と、手持ち探り釣りスタイルで狙います。
エサは自身で用意する形となり、最低でも青イソメ1000円、マムシ1500円程度は必要です。
水温が上昇してくると、エサ取りも出てくるので、もう少し多めに用意した方がよいと思います。
タックルですが、チョイ投げの置き竿用は60号~100号ぐらいのオモリに対応した8:2、もしくは7:3の2m前後の船竿があればよいかと思います。
手持ちの探り竿は、テンヤタチウオ用や、船タコ用竿があればOKです。
リールは、水深もそれほど深くないので、PE1.5~2号程度を100m巻ける物があれば、対応可能です。
少し投げる距離を稼ぎたい方は、ジギングロッドにスピニングリールを用意しておけば、さらに安心です。
仕かけは、潮の速さに対応してオモリを調整する必要があるので、船カレイ専用仕かけがオススメです。
通常の投げ仕かけでも対応可能ですが、オモリをかえられる天ビンを使用する必要があり、投げる場合は仕かけ全長が長くなり、使い勝手が悪いので注意が必要です。
エサ付けですが、青イソメ1本掛け、マムシと青イソメのW付けなど、お好みでOK。

マムシと青イソメのW付け
実釣時は、マムシの集魚力と、青イソメの動きで寄せて食わせると言われている、W付けで1日通しました。
釣り方ですが、ざっと言うと、1本はチョイ投げで置き竿に、もう1本で足元を小突いて釣るか、置き竿でのんびりと待つかです。
船カレイの盛んな東北では、派手なオモリで底を小突いて砂煙を上げ、カレイを寄せて食わせると言われています。
底で上から落ちてくるエサをしっかりと見ている魚なので、最初は竿を大きくあおってエサを見せ、その後、小さく底をトントンして、砂煙を上げて寄せるイメージで誘います。
アタリ方はさまざまですが、アタリがあれば、しっかりと食い込ませるイメージで糸を送りながら、ひと呼吸待ち、改めて食い込んだタイミングで、聞き合わせます。
この日は釣果に恵まれ、置き竿、小突きの両方で釣果を出せましたが、船中全員が釣れるような釣りではありません。
1尾でも釣れると、メチャクチャ嬉しいターゲットなんです。
40cmに迫る大型になると、思いのほか引きますので、アタリがでてから釣り上げるまでのやり取りは、とてもスリリング!
ぜひ1度、挑戦してみてください。
今回紹介するのはオーナーばりの「船カレイの基本」と言う仕かけです。
この仕かけは、遊動式の天ビン一体型仕かけで、食わせの釣り、掛けの釣りの両方に対応した、スタンダードなタイプの船カレイ仕かけです。
仕かけは65cm(天ビン部含むと75cm)と、通常の投げ仕かけと比べて短く、短い竿でも取り回しが容易で、傷んだハリスを交換できるようになっていますので、しっかり飲ませても、ハリス部分を交換すれば、そのまま使用することができます。
交換ハリスを用意しておけば、仕かけ全てが無駄になるようなことはなく、経済的です。
3本針なので、上の針(オモリの近く)は誘い用、2番目、3番目の針は食わせ針となり、カレイに対して戦略的なアプローチが可能です。
針は吸い込みやすい形状の「ケン付丸セイゴ」で、エサズレしにくいのが特長。
強度面も安心して使用することができます。
天ビン一体型なのでオモリを即交換でき、水深や潮流にも素早く対応できるようになっています。