テンヤタチウオ、「餌」って大事

△ウワサの餌、マルキユー「ギュッとイワシHARD」について、多田正人さんに色々と直撃
テンヤタチウオは、パターンやタナ、テンヤのカラーなどを、その日その時でマッチさせることが重要です。ある種ルアー要素のある餌釣りというか…。
けれど…そうなのです。あくまで餌釣りなのです。
タチウオが直接コンタクトしてくる餌。だからこそ餌の種類や、集魚材への漬け込みなど、釣果に直結する工夫を凝らしたいもの。
とはいえ、例えばイワシをお近くのスーパーなどで購入し、手間をかけて仕込む…これは意外と面倒なのもまた事実で。
即使える「高品質」な餌
そうした手間が不要。だからテンヤタチウオファンに受けたのがマルキユーの「ギュッとイワシ」。
出典:マルキユー公式
タチウオのテンヤ釣りに欠かせない新鮮なイワシに、ギュ~ッとアミノ酸を添加。さらに、その身はギュッと締まって餌持ち抜群。集魚効果と餌持ち、それを両立させるスペシャルな餌なのです。
ちなみに不凍加工を施していて、つまりは解凍要らず。パッケージ開けたら即使えるヤツなのです。
そして今季は、そんな「ギュッとイワシ」の締め具合をさらに強くした「ギュッとイワシHARD」が話題に。
テスト販売だけに、マルキユー公式webサイトにも記載がないアイテムながら、使用した人からの口コミは広がり、高い評価を受けています。
少し前に、そのギュッとイワシHARDについては詳細をお伝えしたので下記を参考にして頂ければ幸いです。
さて、では実際の釣りでは、どんなメリットがあるのか? これが気になるところ。
ということでお話を聞いたのは、テンヤタチウオに精通する多田正人さん。

多田正人(ただ まさと) プロフィール
ギュッとイワシHARDのメリット
「ギュッとイワシHARDのイイところは、HARDの名の通り、ノーマルモデルと比べても、さらに身が締まっていてとにかく型崩れしない。餌持ちは抜群です」
そう話す多田さん。当然だが、HARDもアミノ酸が添付され、その集魚効果はタチウオを誘うトリガーになる。そしてパッケージに従えば、ノーマルは〝エサ持ち最高〟とあり、HARDは〝エサ持ち最強〟とある。身崩れのしにくさは、まさに最強。

△エサ持ち最高のギュッとイワシと、エサ持ち最強のギュッとイワシHARD
タチウオはカツカツと餌をかじるようなアタリが断続的に続くことも多く、その時にHARDの餌持ちの良さは、やがてタチウオがガツンと餌を本気食いするまで長~く誘えるメリットがある。
多田さんは、ほとんどテンヤタチウオ釣りをやったことのない人に、釣り方を教えることもあるそうだ。
とある日、船で配られた生のイワシで、そうしたビギナーに釣り方を教えてみると、そもそもワイヤーを巻く作業がなかなか難しいと感じる人も多かったそうだ。
そんな時にギュッとイワシHARDを使わせてみると、身がしっかりしているので餌付けも安定し、また掛け損なっても二次バイト、三次バイトが出るから、そのうちアワセのタイミングをしっかり体で覚えるにも役立ったという。
また、中小型に餌にちょっかいを出されるだけ出されて掛からないという場合でも、餌持ちがよいので最終的には掛かる、または小型を狙わないのであれば素早く回収しても餌が残るのがメリットだとも話す。
しっかり餌付けできるし、高い集魚効果を持つからバイトが続く。万が一掛け損ねても連続して誘い続けられるのは、誰にとってもウレしい。
サバフグ対策にも
また、昨年の大阪湾周辺テンヤタチウオを振り返ると、大いに悩まされたのがサバフグの多さ。サバフグにラインを切られたり、餌を取られたりで涙する方も多かったのではないでしょうか?
そこでも抜群の餌持ちを見せるHARDは、多少サバフグのアタックを受けても対応できる。
そしてHARDには、プラスアルファの利点があるとか。

△海中にサバフグをとどまらせない、そんな効果も期待できるという
「生餌で、身持ちのよいモノもあると思うのです。けれど、HARDの利点は、かじられたところからボロボロと身肉が海中で漂いにくい所にもあります」
「もしHARDが、ガッツリとサバフグにかじられたとしても、しっかり身が締まっているので〝その部分だけ〟がきれいにかじり取られるといいますか、その部分からボロボロと身肉が漂いにくい。だから、次の投入、その次の投入時に連続でサバフグが待ち構えている状況を回避しやすいとは思います」
今年は昨年に比べて被害は少ないが、そうしたサバフグ対策にもよいのでは?
ノーマルとHARDの使い分け
ここでふと疑問が…。
そこまで優秀な餌なら「ギュッとイワシHARDだけでよいのでは?」と意地悪な質問が浮かぶ。
オリジナルのギュッとイワシは不要なんじゃないかと思ったのです。しかし多田さんの答えは違う。
まず、大きさが違う。

△こちらは「ギュッとイワシ」、HARDと比べると少し大きく、皮にも〝ナマ感〟をより感じる
「HARD」は「ノーマル」よりも強く締めているため、その分小さい。どちらも食いにそん色はないのだが、特にドラゴンクラスがよくアタってくるような時は、少し大きめの餌となるオリジナルのギュッとイワシの方が、アタるような印象があるという。

HARDは締められている分シルエットが若干小さめ
もうひとつが皮のナマ感といえばよいのか。HARDはより締まった仕上がりで、若干ではあるが魚皮に締められた分のしわがある。だから魚皮のナチュラル感はオリジナルが優れるから、という点もドラゴンに有効なのでは?と感じているそうだ。
ただ、逆に餌のシルエットで食う・食わないという時もあるそうで、小さめな餌を好む場合も。だから選択肢は複数あった方がよい。
つまりは、HARDは非常に優れた餌ながら、「それ一択」となると苦労してしまう可能性は大いにあるのだと。
そのため多田さんは、船宿から配られたエサもしっかり使う。配布された餌で釣りをしている最中に、その一部をマルキユーの「軽締めアミノリキッド」や「旨〆ソルト」、「アミノ酸α」といった集魚&締め効果をもたらすアイテムを施した餌を準備。
生でイマイチなら、そうしたアイテムを添付した餌を、それでも小型タチウオや他魚がわずらわしい時、さらには深場で餌持ちを優先したい時はギュッとイワシ、同・HARDとローテーションするのだとか。
そうして、その日の「コレ!」を見つけていく。ゆえに、HARDだけでイイということにはならない。
唯一のデメリットは…釣り人の慢心(笑)!?
とはいえ、ギュッとイワシHARDの餌持ちのよさと集魚効果は、ビギナーからベテランまでプラスになってもマイナスになることはなく、ひとつ持参するなら「心からオススメできます」、とも。
最後に、そんなギュッとイワシHARDのデメリットはないのか聞いてみたところ…。
「実はねぇ…。ホンマに餌持ちがエエから、ついつい1つの餌を長く使い過ぎちゃうところ(笑)」
なのだそうです。大体1匹の餌でタチウオ4、5尾釣っても餌が残ることが多いそうだ!
その餌持ちを信頼しているから、〝あぁ、今かじられたけど、まだ大丈夫だな〟と、分かっているのに餌を付け替えないモノグサをすると…そんな時に限ってスーパードラゴンらしきアタリがきて、次のバイトが続かず…。
そして「あぁ~新品に付け替えておけば、まだまだ追ってきたのに」と後悔することはあるんだとか。
その餌持ちのよさ、釣り人側の「まぁいいか」も引き出してしまうことにはご注意を(笑)。
さてさて、先にも述べた通り、そんな「ギュッとイワシHARD」は現状ではテスト販売。とはいえ、決して今年限定販売のアイテムというわけではなく、ニーズが多ければレギュラー製品としてラインナップされるはず。このスペシャルな餌、皆さんの熱い声でレギュラー化を望んでみてはいかがでしょうか。