釣りが上手くなりたい。
それなら、上手い人に直接聞いてしまえ! というワケで今回は、テンヤタチウオの名手である、シマノインストラクターの吉田昇平さんにご協力(無茶振り?)を頂いた。
記者がずっと気になっていた、「スペシャリストの目には、探見丸の情報ってどう映ってるの?」というトコロをインタビュー。
まず、吉田さんに1枚の画像を送った。それがこちら。
こちらは9月、テンヤタチウオ釣行の際に撮影したもの。吉田さんにもそのことだけ伝えて3つの質問をしてみた。
Q1 素人目には魚影が少なく見えるが、吉田さんはどう感じる?
記者はタチウオ船に乗った時、こんなことを聞いたことがあります。
“タチウオは縦に泳ぐことが多いが、そうなるとレーダーが当たりづらくなり、探見丸に映りづらい”

出典:つりそくYouTube
このことを踏まえて、吉田さんの答えはこうだった。
吉田さん「タチウオは魚探には映りにくいか、ということですが、確かに個人的にもそれは思います」
吉田さん「タチウオが横向きか縦向きか、泳ぎ方によっても反応が出たり消えたりするそうですが、そもそもタチウオ自体が魚探に映りにくいようです。一説によると、タチウオ1000匹の反応が、サバ1匹の反応と同等とも言われているくらい映りにくいみたいなので、殆どの船長さんはベイト反応しか見ていません」
え!そんなに映りにくいの⁉ では、タチウオの映っている場所を狙う、というよりもベイトの群れが映り、そこにでタチウオが居そうな場所を狙う。というのが、正しい解釈なのかも。
吉田さん「もちろん、魚探の精度や周波数にもよりますがタチウオが魚探に映る事もあり、その反応を当てに行く船長も居られるのは事実です」
この画像も、もしかしたらベイトの数は少ないがタチウオはいる。かもしれないというコトが分かった。
Q2 この映像を観て、攻めるならどう攻める?
続いては、この反応が薄い中、吉田さんはどのように攻めるのか? 吉田さんはこう答える。
吉田さん「この映像を見る限り、ベイトも少ないので期待度は薄ですが、攻めるとすればテンヤを潮上へ遠投し、リールカウンターで115辺りから横方向に誘い始めます。理由は、反応がすでに途絶えてるからです」

遠投は吉田さんの十八番だ
確かに、探見丸に映っている魚影はすでに通り過ぎた後で、これから駆け上がろうとしている最中。それなら遠投して、まだ反応が映っていない範囲を探ってしまおう、というのが吉田さんの考えだ。
Q3 この画像を見てほかに何か感じたことは?
ほかに何か気づいたことがあるか、吉田さんに聞いてみた。その返答は、さすがといった内容。
吉田さん「まず最初に、この映像が本当に釣りの最中の映像なのかを疑いました。移動中(船長が反応を見つけた直後)で、これからこの反応に向けて流していく、いわば釣りを開始する前の段階の写真なのでは? と」
吉田さん「すでにポイントを流している最中に映ってきた映像だとすると期待は薄いですが、これからこのポイントに入るのであれば信頼度は上がります。なぜなら、画面1番右、魚の反応がすでに消えているのと、あまりに映りが短いからです」
吉田さん「潮が速すぎるためなのか、単純に群れが小さいのか。もしくは、ポイントを変える前の段階の映像なのか。駆け上がっていく途中の映像なので、その可能性も考えられます」
吉田さん「私の最終的な見解ですが、この画像を見るに、恐らくですが『この反応を“今”から狙いますよ』。というポイントを、船長が探し当てた直後の映像ではと考えられます。今からこの反応に向かって流すのであれば、もっと船の移動スピードが遅いはずなので魚の反応が長時間帯状に映るはずです。」
吉田さん「以上が、私のこの映像を見た限りの見解です(笑)」
スペシャリストは、この1枚からここまで考えるのか…。いや、ここまで考えるからこそ“スペシャリスト”なのだろう。
ご協力してくださった吉田昇平さん、ありがとうございました!
次回はどんなスペシャリストにインタビューをお願いしようかな? お楽しみに。
吉田昇平さんの大阪湾タチウオ攻略動画もチェック