初夏の釣り物の中で、1番に釣りに出掛けたいのが、麦わらイサギである。
食べて美味しいのはもちろん、釣って面白い魚だからである。
そんな魚を釣りに出掛けようではないかと、今回もシマノのタチウオ三銃士の1人で、食いしん坊の吉田昇平氏とやって来たのが、和歌山県すさみ町見老津。
彼の地では、ほぼ1年中イサギを狙っており、地元で「ジャンボ」と呼ぶ40cmオーバーのイサギが釣れるのが魅力である。
釣船は、「ジャンボイサギ」と言えば、この船と、誰もが認める乗合船、黒龍丸だ。
5時半に河岸払いした船は、見老津沖からひと流し目が始まった。
見老津では船を流しながらイサギを狙うので、ポイントごとに船長がイサギのタナをアナウンスしてくれる。
■イサギ釣りのポイントは「タナ返し」
指示ダナにプラス仕かけの長さ分だけ余分に仕かけを下ろし、すぐに仕かけの長さ分だけ巻き戻す「タナ返し」さえきっちりできれば、誰にでもイサギは釣れるのである。
ワクワクしながら始まったひと流し目、タナ返しをして1分も経たないうちにアタリがでた。
ワクワクしながらリールを巻くが、時々リールのドラグが滑るほど締め込みが強い。
ひょっとしたらジャンボかも知れない、といいように解釈して水面近くまで浮かせてみたら、白い尻尾がヒラヒラ。
あちゃあ、ここのイサギ釣りでは付き物のサンノジ(ニザダイ)ちゃんでないかえ。
この後、この1尾がきっかけで、サンノジ地獄が始まろうとは、予想だにしなかったのだが…。
水温17度2分。決してイサギが食い渋るほど低い水温ではないし、魚探の画面が真っ赤になるほど魚は映っているのだが、なぜかイサギは食わない。
イサギが食わないからサンノジが食うのか、5連発でサンノジを釣った後、ようやく本命のイサギがヒットした。
で、相棒はいかにと覗いてみたら、ロッドを曲げているではないか。
しかも、かなりの締め込みなのでジャンボかと期待したが、上がってきたのは大きなウスバハギだった。
その1時間後、ようやく相棒もボーズを脱したが、気が付けば朝イチから4時間近く経っていた。
余りの食いの悪さに昼前にギブアップしたが、船長は「史上最悪の日」と命名し、「今までに経験したことがない食いの悪さだ。2人とも厄払いに行って来い」と言われてしまった。
ただ、釣る人は釣る、和泉市からやって来た常連の藤原大輔氏がこの日の竿頭で、イサギ4尾にグレ2尾。
しかも、4尾のイサギの中には狙いの、41cmのジャンボがまじっていた。