誘い方からアワセのタイミングまで、船タコ釣りの名手の釣りがバッチリ分かる!!【和田勝也のエギタコ攻略法】

船タコ釣り特集

和田 勝也(Wada Katsuya) プロフィール

ジギングやマダコ釣りをはじめ、瀬戸内の釣りに精通する、現在の明石エギタコブームの火付け役的存在。アルファタックル・フィールドスタッフ、マルキユー・フィールドスタッフ、墨族オクトパッシングスタッフ、アシスト工房代表。通称「ワダゲルゲ」。

全国的な人気を誇る船のタコ釣り。

近年は、タコ専用のエギを使用した「エギタコ」が初心者、ベテランを問わずに大ブームを巻き起こしています。

そんなエギタコですが、釣果に大きく差が出るのも事実。やはり慣れたベテランたちはコンスタントに好釣果を上げています。

ここでは、エギタコブームの火付け役となった船タコ釣りの名手・和田勝也氏のタックルや仕かけ、誘い方からアワセのタイミングまで、これを読めば名手の釣りの全てが分かるというぐらいに、和田勝也流のエギタコ釣りを紹介します。

タックル&仕かけ

エギタコ専用竿&リールに、ツイン仕様のエギ仕かけを使用

上の仕かけ図が、今シーズンの和田氏の仕かけです。

竿は、アルファタックルの専用竿「アルファソニック餌木タコ180ti LTD」と「同180」。

リールは、船タコゲーム専用に開発されたテイルウォークの「エラン オクトパスワイドVTN」と「オクトパス ライトプラス」です。

▲エラン オクトパスワイドVTN

▲オクトパス ライトプラス

和田氏は、アルファソニック餌木タコ180ti LTDとエラン オクトパスワイドVTNの組み合わせ、アルファソニック餌木タコ180とオクトパス ライトプラスの組み合わせで使用していました。

ラインは道糸にPE2~3号、リーダーはフロロカーボンラインの10~12号で、これにタコエギ専用のツイン仕様のスイベルとオモリ50号(船宿指定)です。

エギは、兵庫県明石では定番カラーと言われる、グリーン、白、イエロー、赤系にナチュラルカラーなどもタックルボックスに入っていました。

和田勝也流エギタコの釣り方

仕かけの投入点を意識してオマツリ回避&アタリ増

エギタコの釣りは流し釣りなので、基本は竿下に仕かけを下ろせばよいのですが、和田氏はキャストをメインにして仕かけを投入します。

そのキャスト方向ですが、仕かけを入れたラインがどの方向へ流されていくかを見て判断します。

キャストする方向はラインが流れる反対方向。

つまり、船下へ入れば前方へ。斜めになるようであれば、ラインが流されていく反対側の前方へという具合です。

真っ直ぐ前方へ出ていく場合も、軽く前方へ振り込みます。

これはオマツリを防ぐだけでなく、周りの人と違う筋に自分の仕かけを通すことができます。

キャストが慣れない人は、フワッと軽くその方向に入れる意識で仕かけを投入しましょう。距離が出なくても、仕かけを入れる方向を意識するだけで、オマツリが軽減されるばかりか、ヒットの確率も上がります。

エギタコの誘い方

仕かけを投入すれば、着底するまでラインを送り、糸フケを取ってからが誘いの開始です。

和田氏が言うエギタコの誘いのキモ、それはズバリ「オモリを底から浮かさずにエギを動かす!!」です。

よく初心者や、まだ慣れない人にありがちなのが、大きくシャクリすぎて仕かけが底から浮いている状態になること。

タコは浮いてエサを捕獲することもあるかもしれませんが、基本は底にいるモノ。オモリが底から浮いていれば、アタる確率は大幅にダウンします。

では、和田氏の誘いは、どんなものか?

こんな感じです。

①着底して糸フケを取った状態から

②竿の穂持ち辺りにテンションを掛ける具合にシャクる

この感じ分かりますか?

印を付けましたので、穂先から穂持ちに注目して、もう1度よく見てください。

この程度の竿の曲がり込みと、動き幅です。

立てた竿の角度、ほとんど変わっていませんよね。この小刻みなシャクリの誘いを数回から、10数回繰り返します。

そして、ステイ。

このステイが重要で、ここで興味を持って寄ってきたタコにエギをしっかり見せます。また、ラインを張りっぱなしだと乗りが悪いようで、テンションを抜いてやることも重要だそうです。

そして、ゆっくりと聞く。

この時、オモリを浮かさないように、ゆっくりと竿先で聞きます。

これはキャストから着底後すぐに誘い始めた時のものなので、ラインが前方へ出ていますが、竿下に寄ってきた時のイメージもありますので、ご覧ください。

こんな感じです。

竿下ですと、オモリを浮かさないように、特にシャクリ幅は小さいですね。

要は「穂先のテンションを抜く→わずかに掛けるの繰り返し」、穂先のテンション調整です。

この小刻みな誘いのスピードや回数、ステイの間などは、その時々に応じて変えていきます。その日のタコの活性に合わせて、その状況でのパターンを見つけるのが重要ですね!

そして、竿下に仕かけがきても、ステイと聞きは大事。

数回シャクれば、ステイを入れてから聞き上げます。

この状態から、

オモリが底から、ほんの数cm浮く程度のイメージで少し聞き上げます。

和田氏の誘いの基本パターンは、こんな感じです。

キャスト→着底→小刻みな誘い数回~10数回→ステイ→聞く→小刻みな誘い

という具合です。

時期による狙い方の違い

このようなパターンで、キャストした地点から自分の竿下まで広く探っていきます。

そして、和田氏は「初期と後期、そして最盛期では誘い方は同じでも、乗せるパターンが異なる」と言います。

それはなぜか?

個体数とタコの活性が異なるからです。

初期&後期のパターン:キャストから竿下もじっくり探る

初期は特に、まだ個体数が少なく、活性も盛期に比べると低いので、キャストして広く探るのはもちろんですが、仕かけが竿下に戻ってくると、必ず竿下でも十分に誘います。時間にすれば、竿下でもおよそ1~2分は誘い続けます。

これは、まだ数が固まっていないタコの群れに、どこで当たるか分からないので、周囲や竿下を含めてタコにしっかりとアピールをして乗せていくイメージだそうです。

最盛期のパターン:キャストして竿下までくれば、すぐに回収してキャスト

そして、6月後半から7月末の最盛期は群れが大きいのでタコの活性も高く、何をしても乗ってくることが多いので、竿下で粘らずに周囲にいる高活性の個体を手返しよく狙っていくそうです。

早アワセは禁物!! アタリからアワセ

仕かけを底から浮かさずに誘っていれば、そのうちタコが寄ってきてエギを抱いてきます。

そう、待望のアタリです。

この時、超重要なのが「絶対に早アワセはしないこと!!」。

和田氏だけでなく、掛かり損ないや巻き上げ途中でのバラシを見て、船長もマイクで口を酸っぱくしてアナウンスしています。

それほどタコ釣りでは、バラシも多いんです。

この「バラシを少なくするほど、タコ釣りは釣果が伸びる」と和田氏は言います。

では、どうするのか?

アタリがあれば、竿を上げるのではなく、逆に送り込むんです。

誘った後にステイさせて、この後に少しオモリを浮かせるように聞くと、竿先がクッと入る時もあれば、ジワーっと重みが掛かっていく時があります。そんな違和感があれば、タコが乗った可能性が高まります。

この時、和田氏はスッとオモリを下ろします。

和田氏いわく「この時に、穂先がトンと跳ねたりする感じなら乗っていないか、石に掛かったか。ここで穂先が戻らずに入っていけば、タコが乗った可能性が高い」。

前者の時は再び誘い始め、後者の時は竿先を下げていき、送り込むようにしてから力強く合わせます。

合わせる前に竿先を下げていくのは、「アワセの幅を確保するため」と和田氏は言います。

アワセは、下に向けた竿を力強く水平レベルぐらいまで持ち上げてフッキングさせます。

タコがエギを抱くイメージ

この送り込みの重要性、和田氏が自分の指をタコの足に見立てて実演してくれました(笑)。

それがこちら↓

エギに興味を持ったタコが足を伸ばしてエギに触れます。これがモソっとくるような最初のアタリ。俗に言う「お触り」です。

そして、ここで合わせてしまうと、カンナが足をすり抜けて仕かけが竿を上げた分、上に逃げます。

または、足1本に掛かったとしても途中でバレたりすることが多いのは、このためです。

そこで、早アワセをせずに送り込めば、エギは底に寝た状態になります。

「この状態を作り出すと、タコは一気にエギに覆い被さってきてエギを抱く」と、和田氏は言います。

足だけでなく、体ごとエギに乗っているので、カンナもタコに確実に掛かり、巻き上げ途中にもバラしにくくなる訳です。

掛かれば、ポンピングはせず、テンションを緩めないよう巻き上げます。

水面までくれば、竿を立てて抜き上げましょう。

大物はラインを持って抜き上げるか、タモがあればすくってもらうのもよいですね。

この抜き上げ時に注意したいのが、船べりには近づけないことです。タコは足がへばり付くと、なかなか取れないのでバラシの原因になります。

和田氏の釣りを見ていると、アタリをだすまでもエキスパートレベルなのはもちろんですが、アタってからのバラシは目を見張るほど少ないです。

「アタリをだす&バラさない」、これが名手たる所以ですね!

皆さんも、名手・和田勝也流のエギタコ釣りを参考に、釣果アップを目指してみてください。

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