
▲アマダイ釣りのベテラン、十川敬夫氏
若狭湾では「若狭グジ」とも呼ばれる、高級魚のアマダイ狙いが好シーズンを迎えています。
この時期のアマダイは、魚体に脂が乗って、その食味は年間を通してでも最高クラスに。そんなアマダイを、晩秋から春にかけて狙っているのが、京都府宮津・養老大島の新幸丸。
条件がよい日には、高級魚のアマダイが1人で2ケタ釣果も狙えるとあり、その魅力は十分。
今回は、そんな宮津沖のアマダイ釣りを、まだ体験したことがない人にも分かりやすく、タックルや仕かけ、釣り方などを紹介します。
タックル:73調子の船竿&小型電動リールを使用
竿は誘いやすい2m前後&仕かけを安定させやすい2.5m前後の2本を持参するのがベター。
アマダイ狙いは、基本的には手持ちでの釣りになるので、取り回しがしやすい2.7mまでの竿が扱いやすいです。
オモリは80号を主体に100号も使用することがあるので、それに対応できるモノを選びましょう。竿の調子は食い込みとバラシ軽減を考慮して、73調子がオススメです。
新幸丸の常連でアマダイ釣りのベテラン、十川敬夫氏はシマノのライトゲームリミテッドタイプ73H200と、同モデラートタイプ73H255の、2本の長さの異なる竿を持参して使い分けています。
これは、シーズンに波の高い日が多い日本海でも、底での仕かけの安定を図るため。
十川氏は、凪の日は操作性の高い2m竿をメインに使用し、波気のある日は長めの2.55m竿で波に合わせて穂先で付いていき、仕かけが底で跳ねないようにして、アマダイがサシエを食いやすい状態を作っています。
リールは小型電動リールで、PEは2号を200m以上巻いておけば大丈夫です。
仕かけ:小型天ビンにアマダイ用2、3本針仕かけを使用
仕かけは、天ビン仕かけにオモリ80号(状況により100号)を付け、その下に市販のアマダイ仕かけ2、3本針、あるいは自作の仕かけを使います。
仕かけの全長は2~3mで、エダ間は1m前後、エダは30cm前後あればOKです。
十川氏の仕かけを見てみると、天ビンは仕かけが絡みにくい形状記憶のLT天ビンを使用していました。
オモリは、通常の鉛色と夜光の2種類をカラーをかえて交互に投入し、アマダイやレンコダイなどのゲスト魚の反応を見ながら、パターンを探ると言います。
針は重さを使い分けており、基本的には先針には軽めのチヌ針、エダの針には重めのロングシャンクの針を使用。これにより、仕かけの浮き上がりを抑えています。
また、針のカラーも夜光とケイムラで、食いの違いも探り、その日、その時のパターン判別を意識しています。
さらに、針は誘いや、仕かけの上げ下げでエサがズレないように、Wケン付きの針を好んで使用しているのも特徴です。
エサ:オキアミの1匹掛けがメイン
サシエはオキアミが主流で、大きめのサシエ用オキアミを持参するのがベターです。
オキアミは、尾バネを切って、針先を尾から入れて、1匹刺しで付けるとよいです。
釣り方:底をオモリで叩き、少し浮かせてステイ
基本的な釣り方は、仕かけが着底すれば糸フケを取って、オモリで底をドンドンと数回叩きます。
これで底の泥や砂を巻き上げて、濁りを出すイメージです。
そこから竿先を1mほど上げてオモリを浮かせ、ハリスを張ってステイし、アタリを待ちます。
活性のよい時なら、これで穂先にググッとアタリがでるので、聞き合わせましょう。
アタらなければ、底を取り直してから、同じように繰り返し。
実釣当日は、1分近いロングステイも反応がよかった印象です。
好釣果へのキモ:アマダイの食うタナに合わせる
アマダイのタナは基本的に底ですが、活性が低い時は50cmほどのズレでも食わないことがあるそうです。
目安としては、釣れてくる魚を見て、タナを調整するのがベター。
メインゲストとなるレンコダイは、基本的にアマダイよりタナが上なので、レンコダイが釣れれば少しタナを下げましょう。

▲アマダイ釣りのメインゲストのレンコダイ
また、タナを下げていても潮が速い場合などは仕かけが浮くこともあります。そんな時は、針の少し上にガン玉を打って、仕かけの浮き上がりを抑えるのも有効な手です。
底潮が動いていない時や、アマダイの食いが活発な時は、少しタナを上げて探るのも有効なワザの1つです。
以上が、宮津沖のアマダイを攻略する礎。
これを基に、その場その場に応じた仕かけや誘いを臨機応変に組み合わせて、美味な若狭グジをゲットしてください。