
竹村勝則 プロフィール
尼崎・フェニックス

フェニックスの船着き。手前がチヌのポイント
尼崎港のフェニックスの釣り場は、渡船が1番早く着く場所で、岸壁の曲がり角の近くへ着く。
ここは全体にスリットになっていて、スリット際でも、竿2、3本前方でもチヌが釣れるが、だいたい前方を釣る人が多い。
水深は約5ヒロ前後と深い。
チヌはフカセ釣り、紀州釣り、落とし込み釣りともに釣れるので、自分の好みの釣り方ができる。
足下はコンクリートで広く、水面までは3m前後と釣りやすい
乗っ込みチヌを狙って出発
今年の春は天候不順で、波止の乗っ込みチヌはどうなるのだろう? と心配していたが、3月末の尼崎フェニックスでは、釣れたチヌは全てお腹が膨らみ、年に1度の産卵準備をしていた。
釣行当日、久保渡船(TEL:06・6416・0807)の1番船(6時発)は、何と釣り人でいっぱい。
今春は天候不順で渡船中止の日が多く、日曜の久しぶりの好天気ということもあってか、釣り人が多いと思っていたが、その釣り人の大半はチヌの落とし込み釣りの人。
次週に釣り大会があるそうで、その下見に来ているとか。同じチヌ釣りでもフカセ釣りの人は5、6人だった。
フェニックスの釣り場で大半の人が降り、残った数人は沖の武庫川一文字へ行った。落とし込み釣りとフカセ釣りとでは、狙うポイントが違うので、お互い苦にはならない。
フカセ釣りポイントはだいたい分かっているので、渡船を降りて少し左へ行く。
水面は先日の雨で見るからに水潮気味で、上潮は左へ少し速く流れている。
ここは左より右へ流れている方がチヌはよく釣れるのだが…。

大きな貨物船が通る
少し経って場所移動。波止の曲がり角から10mばかり東で、スリットの際を狙うことにする。ここでは以前に際狙いで年なしを釣ったことがある。
前方の潮は右へ流れているが、際は緩やかなので釣りやすい。
今は満潮で、タナは5ヒロぐらいと深いので仕掛けは軽いより重くして、少しでも早くタナへエサを届ける方がよいだろうと、1号オモリと円錐ウキに、ハリスは濁りがあるから1・75号。針は2号。
仕掛けが馴染めば、極ゆっくりウキが沈んでいくようにオモリ調整をして、ウキが30~40cm沈めばソーッと引き上げては、また落としていく釣り方。
マキエは際狙いだから無駄なく的確にできる。

当日使ったマキエ。ナンバー湾チヌⅡとニュー活さなぎミンチ激荒
際狙いで2時間してもアタリらしきものはなく、エサも取られない。そこで、10mほど東へ移動してまた2時間。でもアタリがない。
昼前、船着き左のポイントの潮が緩んできたので、再度場所移動した。
ここの潮は左より右へ流れる方がよいのだが、また左へゆっくりと流れている。タナは竿2本前で6ヒロぐらいと深いが、エサを底に少しハワせる。
釣り始めて約1時間。潮がたるんで止まったり、ほんの少しだが右へ流れるようになったりと、2枚潮でもある。
潮がわり時が時合でもあるので、チヌがくるかも…。
タナが深いのと2枚潮対策に、重め(1号ウキとオモリ)の仕掛けにしているウキが、根にモタレたかのように、ほんの少し沈む。
そこで聞き合わせをすると、竿がグーンと重くなった。
チヌが食っていた。しかもこの引きは半端でない。竿が胴から曲がり、グイグイと引く。この手応えからすると、年なしクラスだ。そう思った瞬間、竿がパッと軽くなった。針外れで残念、トホホ…である。
最初の1尾をバラすと後が続かないと言うが、この日は30分後の12時55分頃、今度はウキがスーッと入る明確なアタリ。
合わせると、グイグイ、グイーッとチヌの強引。ガバッと水面を割ったのは、いぶし銀のナイスボディの40cm級のチヌ。
当日は43cmのチヌ1尾だったが、帰路の渡船の中でフカセ釣りの人に話を聞くと、だいたい1人1~3尾のチヌを釣っており、大物では49cmも上がっていた。
アクセス
久保渡船(TEL:06・6416・0807)