気候的に快適に過ごせる日が多くなり、海の中も日に日に活性が高まってきています。
福井県小浜沖では、例年GW頃から面白くなる【イカ五目】が活気を帯びてきました。
イカ五目とは、イカ釣りと五目釣りをリレーで狙う出船プラン。「半夜便」と呼ばれ、午後に出船して夕まずめまでは魚を狙い、日没からは季節のイカを狙う釣りです。
その「イカ五目」、魚ではアジはまだ日ムラがあるものの、ガシラなどの根魚が食い活発。そして、本命のイカは美味なケンサキイカが釣れ出しています。
ここでは、イカ五目を楽しむためのタックルや仕かけ、基本的な釣り方などを紹介します。
出船から夕まずめまでの日中は五目釣り
今回乗船した小浜新港の幸洋丸では、4月下旬現在は14時半頃に出船し、日没近くまでは胴突き仕かけで五目釣りを楽しみます。
タックルや仕かけは、以下の通りです。
竿は船竿30~50号、リールはPEを巻いた電動リールですが、幸洋丸ではレンタルタックルが無料。
胴突き仕かけやマキエカゴ、オモリなど仕かけ一式も船に常備されているので、クーラーひとつの手ぶら釣行も可能です。

▲幸洋丸のオリジナルサビキ仕かけ
エサはマキエにアミエビ、サシエにオキアミを使用しますが、こちらも乗船料に含まれているので、用意する必要はありません。
エサの注意点ですが、アミエビはギュウギュウに詰め込むのではなく、少しゆとりを持たせて7、8分目にしておきましょう。
こうすることで、竿をシャクった時にエサが出やすくなります。
サシエのオキアミですが、仕かけの針にはサバ皮が付いているので、オキアミは1匹刺しでOKです。
五目釣りでは、基本的に狙いのタナは底。
仕かけを底まで下ろせば、根掛かりしないようにオモリを底から30~50cmほど上げます。このタナで、竿を大きく1、2回ほどシャクってマキエ。
マキエを撒けば、あとはアタリを待つだけです。
2、3分待ってアタリがなければ、再度竿をシャクってマキエ。これで少し待ってアタリがなければ、仕かけを回収して手返しをします。
アタリがあれば、竿を起こしてしっかりと針掛かりさせ、魚が掛かれば電動リールの中速で巻き上げましょう。
夕まずめからは本命のイカ釣り
日没が近付けば、イカ釣りのポイントへ移動。ここで仕かけもイカ釣り用へチェンジします。
幸洋丸でのイカ釣りは、人気のイカメタルやオモリグ、旧来からの胴突き仕かけ、いずれも楽しめるので、各自好みの釣りでイカを狙いましょう。
まずは、イカメタルの仕かけ。
イカメタルのタックルは、専用ロッドにカウンター付きベイトリールがベター。オモリグ用ロッドにスピニングリールでもイケます。
ラインはPE0.4~0.8号に、リーダーはフロロ3号程度でOKです。
ドロッパーはエギ2.5号をメインに、ウキスッテやエサ巻きスッテ(エサはササミなど)を使用する人もいます。
現在のポイントは、深場が主体で潮が速いこともあるので、メタルスッテは20~30号を使用。当日は水深86mラインで、釣り開始時は30号、その後は25号をメインに使いました。
基本的にはシャクってステイ、フォールも有効です。
現在狙っているポイントは、水深90m弱とタナが深いので、イカメタルでは、大きくシャクって、しっかりとスッテやエギを動かしてやることが大事です。
当日は1、2度大きくシャクって、ステイさせた後にアタリがでることも多かったです。
また、アタっても乗らなかった場合は、フォローアクションでシェイクやフワフワとソフトに誘うと、直後のステイに高確率でアタってきました。
底から狙いのタナ(当日は底から10mほど上)まで誘い上げた後は、誘い下ろしで2、3m刻みでテンションフォールやフリーフォールさせると、こちらもポツポツとアタってきました。
次は胴突き仕かけ。
胴突き仕かけのタックルは、五目釣りで使用する船竿30~50号を流用できます。
竿の調子は、アタリを弾かずに乗りのよい柔軟な穂先のモノがベター。リールはPE2~3号を巻いた小型電動リールがよいです。
スッテはウキスッテ2.5~3号、エギ2.5号などを織りまぜて、計5、6本の仕かけが捌きやすくてオススメ。
シーズン初期は大型のケンサキイカがまじってくるので、エサ巻きスッテをまぜるのもよいでしょう。
オモリは潮により、60~80号を使用しますが、こちらは船長から指示があるので、それに合わせましょう。
胴突き仕かけでもイカメタルと同様に、手持ち竿がベストです。頻繁に仕かけを動かしてアタリを引き出しましょう。
胴突きで狙う人は、置き竿での電動スロー巻きをメインに釣る人も多いですが、幸洋丸の山崎博船長は「ハイシーズンの数が釣れる日ならまだしも、ハシリでアタリも少ないこの時期は、頻繁に仕かけを動かして誘う方がよい」と言います。
実際、当日に竿頭を取った小林氏の釣りを見ていると、ロングステイを入れる時以外は手持ちでアタリを取り、頻繁に誘いを入れてアタリを引き出していました。逆に、置き竿での電動スロー巻きで狙った方には、ほとんどアタリなし。メリハリを付けた仕かけのアピールは重要です。
誘い方は、大きく竿1本分誘い上げて下ろすを1、2回入れてステイ、または小刻みに2段、3段で誘い上げてから、フォールさせてステイ、などと複数のパターンを組み合わせていました。
現在は釣れるイカが大きいので、アタれば竿を立ててアワセを入れ、追い乗りを待たずに電動リールの中速で巻き上げましょう。
以上が小浜沖で「イカ五目」釣りを楽しむためのキホンです。
イカは胴長40cmオーバーの大剣もチラホラと姿を見せており、今がでっかいイカを釣るチャンス。
日中の魚釣りと合わせて、若狭の船釣りをタップリと満喫してください。