夏の日本海はマイカ釣りが最盛期。
各沖ともに、夜は漁火を灯した釣り船で賑わう。
そんな中、メインはイカ釣りだが、少し早めの夕方に出船すれば、イカだけでなく魚も狙える五目釣りが楽しめる。
今回は夏の船釣りを楽しみ尽くす福井・越前沖の「マイカ五目」を紹介。
日本海のイカ狙いは、大きく2つに分けられる。
夕まずめ、あるいは日が暮れてからの出船でイカだけを狙う船。
もうひとつは夕方少し早めの時間帯に出船し、日がある時間帯は魚を狙い、日が暮れる頃から
イカを狙う、魚釣りとイカ釣りの2本立ての船。
中には、両方のプランを取り入れている船もある。

釣り船福丸の山下賢二船長(左)と山下学船長(右)
今回紹介するのは、後者の、「魚もイカも」と欲張り!? な2本立てが楽しめる、福井県越前白浜の釣り船福丸に乗船した。
出船は、日中の暑さが和らぎ始める16時。
この日はそよ風も吹き、涼しく快適だ。
ここ、越前沖はポイントも近く、港から10分ほどの近場から周辺にポイントが広がる。
潮が速いようで、ポイントに着くと、パラシュートアンカーが入った。
夕暮れまでは魚釣り。
この時期はマダイよりも、アジやレンコダイなどがメインの五目釣りだ。
エサ取りが多いようで、「マキエは入れずに、サシエだけでやってください」と船長のアナウンスで釣り開始。水深は70m前後だ。
タナは底。
オモリが底を引きずらないよう、少し上げたタナでアタリを待つ。
最初はエソが邪魔をしたが、レンコダイやチダイが上がり始めた。
この日は大型のアジは姿を見せなかったが、レンコダイはダブルもあるなど快釣。
夕まずめには60cm超のマダイもヒットした。
夕暮れ時から、少し沖にポイントを移し、本命のイカ釣りだ。
水深90m。
1投目には小型のタルイカが姿を見せた。続けて胴長20cm級のマイカも上がった。
暗くなるまでは、基本的にタナは底。
底から5m以内を探ると、マイカが単発で上がる。
だが、イカ釣りの本番は集魚灯が効き始めてから。
この日も辺りが闇に包まれた19時半過ぎから、船中でポツポツと上がりだした。

船長も竿を出しヒット。釣れたタナを共有して船中のヒットスピードは加速
釣れた人にタナを聞けば、「65m」、「50m」、「40m」と一気に上がってくる。
釣れるペースも一気に加速した。誘いを入れてから、アタるまでの時間が短い。途中で参戦し
始めた船長たちも35―40mで入れ乗りさせていく。
型は胴長15―20cmが主体だが、時おり30cm前後の立派なサイズもチラホラと上がった。
記者もイカメタルで仕かけを下ろしてみると、タナで2、3回シャクってステイさせた途端に、穂先が弾かれるような浮くアタリ。
ここからがピークの時間帯だったのか、仕かけを入れる度にアタる、アタる、アタる!!
タナもさらに浅くなり、20―30mが当日のコアなタナ。

船長は4mの超浅ダナでも釣り上げた
船長は最浅で4mでも釣り上げた。
皆がタナを共有しながら釣るので、タナは終盤まで安定。
各自のイケスを見て回ると、すでにイカだらけで底が見えない状態だ。
「前日はさらに釣果が伸びた」と言う終盤の減灯だったが、この日はどういう訳かタナが下がり、アタリが遠退く急ブレーキになったものの、この時点で全員土産も十分。

竿頭は青山氏の63バイ
最終的に、よい人はマイカ63バイ、少ない人でも25ハイと、皆が大満足の釣果に恵まれた。
「魚&イカ」と、日本海の釣りが楽しみ尽くせる「マイカ五目」、涼しく快適な、この夏イチオシの釣りだ。
乗り合いでは基本的に竿は1人1本だが、イカの土産が確保できれば、仕かけを泳がせ用にかえて大物も狙える。
メインはマダイで、上がれば良型確定!! エソなど外道も多いが、一発狙ってみる価値は十分だぞ。