
竹村勝則 プロフィール
福井県の耳川はアユ釣りの穴場のひとつで、海からの天然ソ上が多い上、川の大きさの割には放流量が多いので、なお魚影が濃い。
そして、釣り人が少ないときているので、好きな釣り場に入れ、のんびりとアユ釣りが楽しめる。
その耳川へ今年は何度か出掛け、「釣行毎に、40、50尾釣っている」と言う彦根のアユ釣りの名手、北川正徳氏の案内で実釣してきた。

組合事務所
耳川は美浜町の松原と和田の間で若狭湾に注ぐ川で、河口に近い国道27号が渡る美浜大橋の少し上流の左岸側に、耳川漁協の事務所がある。
藤長明組合長にお聞きしたあらましは、今年は4月中旬に海からアユが真っ黒い帯状になってソ上していった。
放流量は昨年より多かった。
放流は湖産170kgと人工産700kg。
アユ釣り場は河口に近いてんのう橋付近から上流へ約6kmの渓流の里付近まで。
ソ上アユは浅ケ瀬橋上流のエン堤まできている。
川は大きくないが、中下流部では8~9m竿が使える。
上流は川幅が狭くなり、木が邪魔になるので、竿は5~6mぐらいがよい。
解禁は6月20日だが、投網の解禁は8月13日の11時半からで、中寺橋エン堤より下流は友釣り専用区(9月30日まで)。
日券3000円、年券8000円。入川券とオトリは組合事務所(☎0770・32・5457)。
今年は梅雨の長雨で川は増水を繰り返し、ここ3週間で5日間ぐらいしか釣りができなかったと言う。
当日の水況は、まだ20cmほど高水だが、新アカが付き始めていたのが嬉しい。

中寺橋上流の川相
9時半頃から北川氏と一緒に舞鶴若狭自動車道と中寺橋の中間へ入った。
川へ降りた所に長い瀬があって、上流側へ北川氏、下流側へ筆者が入った。
少し高水の好水況で、瀬にはメロン大からスイカクラスの石も入っていて、新アカが付き始めている。
入れ掛かりにはならなかったが、ガツーン、グイーンの海産アユの引きが楽しめ、12時の昼食までに14尾(13~18cm)。
スマートな魚体が多かった。
北川氏は8.5m竿で、天糸PE0.4号2m、その下にフロロ0.5号1.5m、水中糸複合0・04号、ハナカン回りフロロ0.6号40cm、ハナカン6mm、サカ針2号、ハリス1.2号、針はエアーマルチ6号4本イカリの仕かけで、「荒い瀬では20cmの良型がきた」と言い、23尾掛けてきたのは、さすが名手といったところ。

てんのう橋下流の川相
午後は最下流のてんのう橋下流へ入った。
もう少し下流には海が見えている。
瀬肩のすぐ上流の早瀬で、水際のすぐ前が幅2mほど、長さ5mほどだけ石がピカピカに磨かれているポイントがある。
そこを4、5m後ろへ下がり、水中糸はフロロ0.15号(サンラインのトルネード鮎)、針は刻の6.5号3本イカリでオトリを送り出したところ、何と入れ掛かり。

てんのう橋では良型が主体に釣れた
しかも、型が16~19cmでナイスボディの海産アユが揃って16尾。北川氏は13尾(14~20cm)。
夕方の1時間ほどを組合事務所の少し上流へ入った。
ここは足場がよくない所で、川の中ほどに立ち込んで釣って、北川氏は11尾、筆者は5尾。

北川氏の釣果の一部
1日の合計は北川氏47尾、筆者は35尾だった。
この川は瀬が多く、川底にはよい石がたくさん入っている。
水もキレイでアユが美味しいと釣り人の評判。
北川氏の話では「平水に戻って、アカが十分付くと瀬での泳がせ釣りでよく掛かるようになるので面白い」と言う。