シマノジャパンカップクロダイ(チヌ)釣り選手権
第12回全国大会in高知県宿毛
「鋼のメンタル」、その言葉が相応しい、優勝した辻憲志郎選手の釣りを見た大会となった。
9月27、28日の両日に高知県宿毛で開催された、シマノジャパンカップクロダイ(チヌ)釣り選手権第12回全国大会(シマノ主催)は、シード選手3人と各地の予選を勝ち上がった21人の総勢24人で2日間に渡り、白熱した試合が繰り広げられた。
初日はマンツーマンの対戦で、予選リーグ3試合が行われ、合計勝ちポイントの高い8人(同ポイントの場合は合計重量差で順位決定)が、翌日の準々決勝へ進んだ。
翌日はマンツーマンでのトーナメント戦。早朝より2時間(1時間で釣座交代)の試合が各磯で行われ、4選手が勝ち残った。
準決勝の対戦は、辻憲志郎選手(天草松島大会)対下西ノ園大地選手(シード)、比嘉宗信選手(沖縄大会)対山田雄士選手(家島大会)。
準決勝も準々決勝に引き続き、各選手チヌを釣り上げる激戦。結果、辻選手対下西ノ園選手は1501g対780gで辻選手が、比嘉選手対山田選手は2069g対1358gで比嘉選手が勝ち上がった。
決勝戦を前にして、お互いが握手をしてコメントを求めらると、比嘉選手は「予選の初戦に負けたが、その後はイイ魚が釣れて決勝まで来れた。あとは楽しく全力で挑みます」。辻選手は「疲れていますが、自分が1番チヌを愛してると思って頑張ります」と話した。
決戦の舞台は、チヌの魚影が濃い宿毛湾の中でも、一級ポイントのひとつ、大島0番。岸寄りの小さな離れ磯で、前半は沖を向いて、右に比嘉選手、左に辻選手が入った。
両者ともにしっかりとマキエを打ってから、遠投で攻める。すると、開始10分で比嘉選手が良型チヌをヒット。比嘉選手は、その5分後にもチヌを取り込んだ。
一方、辻選手も2度魚を掛けたが、こちらは根に入られて連続バラシ。しかも、仕かけの高切れなどのトラブルもあって大きなタイムロス。
前半終了間際には、比嘉選手が1尾追加し、比嘉選手3尾、辻選手0尾で後半を迎えた。
場所が入れかわった後半、前半トラブル続きの辻選手が反撃。比嘉選手が前半に釣っていたポイントを遠投で狙うと、開始5分でチヌをヒット。
そこからは、ほぼ5分おきに連発で尾数で並ぶと、開始25分後には数では逆転となる4尾目。その後もアタリは止まらず、5尾目のリミットを揃えてからも数を伸ばして、怒涛の計8尾。比嘉選手は1尾追加して計4尾で、規定の5尾総重量勝負となった。
辻憲志郎選手、悲願の初優勝!!
その結果、辻選手5894g(5尾)、比嘉選手は4967g(4尾)で、辻選手が悲願の初優勝。
前半のバラシやトラブル続きで心が折れそうな試合展開にも屈せず、チヌを1番愛している漢が、チヌ釣りの全国大会の頂点を掴み取った。
検量後、生きているチヌは全てリリースされた。
優勝・辻憲志郎選手のコメント

決勝戦を戦った辻選手(左)と比嘉選手(右)の検量釣果
リードされて、自分は高切れで仕掛けを変えたりしましたが、日頃からメンタルもトレーニングしているので、「まだイケる」と信じてやりました。前半に比嘉選手が、シモリの横で釣っているのを見てたので、後半は同じ所を狙いました。前半は潮が上滑りしていましたが、自分が狙った時は素直な潮で入っていったので、棒ウキのスルスルで狙いました。
辻選手の仕かけ:鱗海アートレータ04号、デスピナ2500、棒ウキ3B、道糸PE0.8号、リーダーフロロ1.75号2ヒロ、チヌ針2号、エサはネリエ