
大東哲也(おおひがしてつや) プロフィール
タナとタイミングと「運」
食欲の秋! スポーツの秋! 秋と言えば…釣り人はタチウオの秋! でしょう。
温暖化の影響による生息域の拡大や、情報の広がりにより、全国各地でタチウオが狙えるようになり、関西エリアだけで盛り上がる釣りではなく、全国的に人気ターゲットとなった「タチウオ」。
狙い方も、関西で主流であった「テンヤの釣り」が波止、船問わず広がりを見せ、各地でフィーバーしました。
特に、船は東京湾を中心に大ブレイク。コロナ禍の釣りブームも重なり、各メーカーのテンヤが欠品に次ぐ欠品となったのは、記憶に新しいところ。
現在ではフィーバーも落ち着き、「テンヤの釣り」が完全に座席を確保した感があります。
関東発のシェイクをメインにした誘いは大阪湾に逆輸入され、トーナメンターがこぞって導入するなど、新たなムーブメントを生み出しています。
そんな「テンヤの釣り」が今、最も熱いエリアが、中京エリアです。
浜名湖や伊良湖水道という言葉を耳にする機会も増えました。そんな熱いエリアに行って来たので、今回はそのレポートをまじえながら、キモな話を進めてみようと思います。
中京エリアで本格的に「テンヤの釣り」が始まったのは、私の知る限り2021年で、その年は試験的にやってみたら大型が連発。それがキッカケで、2022年、2023年と手探りながら、天ビン船との相乗りも含めて徐々に拡大。
今や専門船が三重エリア、愛知エリアから出船し、関西からも遠征釣行される方が、非常に多くなりました。
私も、2022年に初挑戦。当時はテンヤの重さも50~80号と定まっておらず、専門船もほぼなし。それから2年、久々の伊良湖水道です。
ポイントは80~90mがメインで、大型狙いはこの水道部エリアが中心で、湾内では中小型メインで数釣りも楽しめます。
このエリアに来たなら大型を狙いたいところ。では、どうやってドラゴンを狙うのか? 重要なのは、「タナとタイミング」です。
先日の実釣をベースに、解説していきたいと思います。
まずは全体を把握します。
いる魚の濃さ(群れの大きさ)、サイズ感(中層が大きいのか? 底が大きいのか?)反応するパターンなど、ある程度把握できれば、そこから本格的に大型を狙ってあの手、この手となっていきます。
当日は2枚潮が激しく、潮の境となる50~60m付近に大きな群れがあり、そこを狙うと、ほぼ入れ食いの高活性モード。テンヤが落ちない場面も多々ありました。
大型を狙うなら、このタナを外すのが基本(そのタナで釣れる個体が大型ばかりの時は別)。
まずは、上のタナを探るも反応がなく、2枚潮もあり、上のタナはナシと判断。 今回は、釣れてきた個体に尻尾切れ(食われ)が数尾まじったので、メインのタナの下に大型が潜んでいると判断(尻尾が食われている=その下にそれを食う大型がいる) 。
激しいアクションをすると小型が反応していたので、微速巻きで誘うも、こちらはアタリが極端に減ったので、ストップ&ゴーを選択。
テンヤカラーもグロー、ノングローなど、反応のあるカラーを見極めつつ、来るべき大型が出やすい潮が急に走る時(オマツリが増える、釣りにくくなる)や、深場のポイントに入るタイミングを待ちました。
今回も潮が急に走り出したタイミングで、ドン! と1発。底からメインのタナの下までを、丁寧にストップ&ゴーで探った結果、ドラゴンゲットに繋がりました。
整理すると、下記のようなイメージです。
①全体像の把握(タチウオの群れの大きさや、サイズ感)
② 釣れそうなタナの絞り込み(メインの群れの上か下か)
③ 反応する誘い、カラーの絞り込み
④ 大型が反応するタイミングを待つ
もちろん、これをすれば100%ドラゴンに出合える訳ではありませんが、確率は間違いなくアップすると思います。 後、大切なのは、アタリがないことに耐える忍耐力と運ですかね…。
「メーカーの人間が、運言うたらあかんやろ」と言われるかもしれませんが、大型を釣ることに関しては、運も絶対に必要な要素。
「持っている、持っていない」「運も実力のうち」は、あながち間違いではないと感じることも多々あり、日頃から釣り運アップのために徳を積むよう、心掛けたりしています。
では、運だけよければ大型が釣れるのか? いえいえ、それをカバーするための、知識であり、技術であり、道具なので、製品開発、品質管理、情報発信で、皆さまのメモリアルな魚との出合いをサポートできればと思います。
では、今回のキモな話、釣りは「運」でした…ではなく、状況の把握と変化に気付くことでした。ドラゴンを釣りたいという方は、上記①~④を意識して、釣りをしてみてください。
使用アイテム
多彩なカラーラインナップのタチウオテンヤ
今回、紹介するのは、「掛獲船太刀魚テンヤ」の新色2色。
テンヤは薄型ヘッドで、操作感がよく、2枚潮でもアワセが決まる。ショートフックで掛けやすく、バラシにくいフトコロ形状が特徴のテンヤです。 実釣を重ね、針サイズ、形状を突き詰めたので、非常に使いやすいテンヤになっていると思います。
2024年の新色は「トロピカルチャート」と「ホワイトケイムラ」です。 「トロピカルチャート」は蛍光ピンク、蛍光イエロー、蛍光オレンジの3色と裏面グローの変則カラー。どちらもアピールカラーの明滅効果で、抜群のアピール力を誇ります。
一方、「ホワイトケイムラ」はケイムラベースの中間カラー。一部チャートとスポットグローで、警戒心の高くなる水質がクリアな状況下で、威力を発揮するカラーです。
ぜひ、お試しいただければと思います。