つりそくのオフィシャルクラブ、「つりそく船釣りクラブ」のメンバーが、船から狙う旬のターゲットを紹介。
この記事を参考に、皆さんもどっぷりと船釣りの世界にハマってください。

青山 博(Hiroshi Aoyama) プロフィール
アタリをだして掛け合わせる
「ひとつテンヤマダイ」
長く釣りをやっていますと、その時々に楽しく感じる釣り物は変化すると思います。
現在、私は「アタリをだして掛け合わせる」釣りが楽しく感じ、具体的にはイカメタルやエギング、ティップランの釣行が多くなっているのですが、これからは少し魚種、釣種も増やしたいなぁと考え、今回紹介する「ひとつテンヤマダイ」を少しやっていくことにしました。
この釣りは、関東圏(外房など)や瀬戸内・広島、岡山エリアでは、すでにメジャーな釣りとして確立されていますが、関西圏では鳴門や明石海峡で数軒の船宿が乗合で出ているほか、根魚対象で極一部のエリアの釣り物になっている程度で、まだまだこれからの感があります。
兵庫県明石でマダイを狙う
さて、具体的な釣行ですが、正月用にマダイの確保を目論み、12月26日に明石へと出陣しました。
この日のタックルは2セットを持ち込みました。基本的にスピニングタックルでよいのですが、明石エリアは潮流が速く、重めのテンヤを使用することと、誘い手返しのよいベイトタックルもありです。なお、ラインブレイクなどのトラブルも多い釣りなので、複数タックルは必要です。
仕かけですが、ポイントは一に着底感度、二に早い沈下です。そのため、抵抗の大きいテンヤ型は使用せず、カブラ型を使用するか、タイラバのシンカーを使用した遊動式でやります。使用した重さは15号・60g主体でしたが、1日通してやると根掛かりなどでロストもあるので、多めに持って行きました。

▲遊動式シンカー仕かけとエサ付け。 タイラバのシンカー40、60、80gを持参。ストッパーゴムを使用し、シンカーが動き過ぎないようにした。エビ2尾のエサ付けは有効
エビが跳ね上がるイメージでシャクり上げて
テンションフォールでアタリを引き出す
次に釣況ですが、この日は北西風が強く、波も少しありましたが、若潮回りで潮流が弱く、細く長い時合が続き、船中で誰かしら竿を曲げている状況でした。
釣り方は、ご当地のセオリーであるボトムバンプです。着底を感じた竿先でエビが跳ね上がるイメージで約1mシャクり上げ、デッドスローのテンションフォールを入れ、着底までにアタリをだして掛け合わせます。
9時過ぎの転流直後にプチラッシュもありました。私には大型はヒットしませんでしたが、概ね満足できる釣り納めとなりました。
この釣りの魅力は、何と言ってもライトタックルで大型魚とやり取りができること。さらに、よく釣れることです。
同日の船中全体の釣果は10人乗船で、マダイは最大63cm、全数61尾。加えて多彩なゲスト(サワラ、アコウ、ガシラ、カンダイ、メジロ、ハマチ、スズキ、コチなど)もよく釣れました。
このように魅力的で楽しい釣りですので、皆さんも挑戦されてみてはいかがですか? ファンが増え、船宿が増えて、今年のトレンドな釣りになることを予感するとともに、願います。
ロッド | ひとつテンヤ専用ロッド(Hタイプ)、タイラバロッド(掛け調子) |
リール | レバーブレーキ付きスピニングリール、カウンター付きベイトリール |
ライン | PE0.8号、リーダー4号 |
テンヤ | シンカー固定タイプの12、15号メインに18、20号 |
注目レシピ
できるだけ小型はリリースする方がよいと思うのですが、キープしたら美味しくいただきましょう。そこで、今回は小型のマダイをひと手間掛けて酢漬けにし、 押し寿司にしました!
①3枚におろし、腹骨などを除去
②濃い目の塩で1時間ほど締める
③酢水で塩分を洗い流す
④酢に1日漬ける。酢は市販の合わせ酢(べんりで酢、かんたん酢など)で、今回は香付けに柚木を入れる
⑤木型を使用し、押し寿司にする。酢飯の酢は、同じ合わせ酢でOK

▲今回の船宿は残った生きエビの持ち帰りを推奨していたので持ち帰り、から揚げ粉を付けて、揚げてみたが、ビールのアテに最高だった