マイカメタルシーズンも、そろそろ折り返し。
今年は盆頃に失速して苦戦を強いられる状況になりました。
現在は多少復調していますが、速い潮に悩まされています。
今回は季節のかわり目を迎えて、不安定な海況の攻略にピッタリのテクニックを紹介します。
今回は小浜新港の福丸です。
福丸は船体が大きいため、海況変化に強く、快適に釣りができます。
ポイントは水深102m。
潮が速いので、パラシュートアンカーの釣りでした。
船長からは「仕かけ絡み防止のため、50m以深には仕かけを落とさないように。メタルスッテは20号から始めてください」と指示がありました。
私はオバマリグにメタルスッテ20号、エダにはエギを装着。
ロッドはダイワのエメラルダスAGSN66XULBIM。
スーパーメタルトップ搭載で目視感度だけでなく、手感度もよく、不安定な状況でアドバンテージを取ることができます。
さて、まずは下限水深50mからワンピッチ2回+ステイ1回のスタイルでアタリを探ります。
海況からアタリは渋いと判断して、ステイ時にフワリと触れるようなアタリを捕らえるべく、メタルトップだけでなく、糸フケの変化からも違和感を捉えられるように、集中して誘います。
すると、水深38mで穂先に違和感が…。
穂先が微妙に左右に揺れたかどうか、という細かい変化。
触ったな? と判断した私は、タナはそのままでリールの巻き上げをせずに、数回シャクリを入れてステイ。
次は目視で分かるアタリが穂先に現れ、すかさずアワセ!
何とかマイカを上げることができました。
2ハイ目も同様のパターンで釣れましたが、このままセンシティブな誘いを続けると、集中力は持ちそうにありません。
どう状況を打破するか考えていると、北風が吹き出し、船が揺れます。
パラシュートアンカー時に風が吹くと、独特の引っ張られるような揺れで体勢が安定しません。
ここで私は、今年から多用しているフォールの釣りに変更しました。
フォールテクニックで以前紹介したのは「誘い下げ」というものでした。
これは、仕かけをタナに落としてから誘い上げるよりも、タナに到達する最中に誘いを入れることでヒットまでの時間短縮につながり、手返しよく釣るテクニックです。
今回紹介するのは「ステイフォール」
波でステイが安定しない時、フォール速度コントロールでスッテの姿勢を安定させて、ステイと同様の状況を作り出して、違和感なくスッテを抱かせるのがコンセプトです。
■具体的な例
①釣れるタナは40~35m付近と判断して、仕かけを43mまで落とします。
②43mからワンピッチ2回に1回のステイ。ステイ時間は短めの約2秒。
③アタリがなければ、再びワンピッチ2回に1回のステイ。この繰り返しで33mまで探ります。
④アタリがなければ、次は巻き上げのない数回のシャクリの後、レバーブレーキ、またはサミングしながら約1mゆっくり落としてステイ。
⑤2秒ほど待ち、アタリがなければ、再び巻き上げないシャクリの後、ゆっくり1m落とします。
⑥この繰り返しで43mまで落とし、アタリがなければ、①からやり直し。
この日は④か⑤の時によくアタりました。
しかも、ステイしてすぐにアタリがでることが多々。
おそらく、ゆっくりとしたフォール中に、イカはもうスッテに触っているのでしょう。
そして、一瞬仕かけが止まった時、竿先は明確にイカの存在を捉えます。
この釣法はフォールスピードを自在に操り、かつアワセはしっかりと入れられるレバーブレーキリールがオススメです。
私は、スクィッドAR75S-FLLに、インパルト2500H-LBD。
7.5ftの長さは、大型船に付き物の水面から釣座までの高さをカバーしてくれます。
もちろん通常のベイトリールでも、同様の誘いはできます。
今回は「ステイフォール」で全体の3/4のイカを捕らえることがで
き、竿頭で釣りを終えました。
波などでステイが決まり難い時には、フォール中心の釣りもお試しを。
上げ中心の釣りでは味わえない軽快なアタリを感じることができますよ。