釣ってきた魚で繁殖はできるのか?
私は何気にアクアリウムもやっており水槽が2つあるのだが、その片方で日本の淡水魚だけを飼育している。
その中には、私が釣ってきたタイリクバラタナゴが数尾いる。タイリクバラタナゴは、婚姻色が出ている期間も長いため、水槽飼育でもキレイな色を見せてくれ、鑑賞にもよいのでオススメである。
そして、そのタイリクバラタナゴは、水槽内での繁殖が可能である。

△産卵管の伸びたタナゴ
ただ、少し変わっているのが、タナゴ類は二枚貝にしか産卵しないという習性があること。タナゴは釣りで補充できるのだが、二枚貝を見付けるのに苦労する。
私が行く釣り場では、なかなか二枚貝を見付けることが難しいので、アクアリウムショップで二枚貝を購入することにした。
二枚貝と言っても種類があり、「ドブガイ」「カラスガイ」「イシガイ」と種類が豊富なのだが、今回は定番のドブガイを数個購入した。
タイリクバラタナゴの繁殖には毎年チャレンジしているのだが、実は今まで、成功したことがない。
タイリクバラタナゴの繁殖期の春頃から、二枚貝を水槽の中に入れるだけでよいのだが、二枚貝は砂の中に潜ってしまうので、お皿や小さな容器に入れて、潜り込まない程度に砂を入れて、水槽の底に入れておく。
そうすると、今まで平和な水槽だったのが一変して、オスのタイリクバラタナゴがナワバリ意識を持ち出し、二枚貝の周りを占拠し始める。
そして、メスのタイリクバラタナゴは産卵管が伸びてくる。その状態になってから、しばらく観察していると、メスとオスがペアっぽくなり、メスが産卵行動っぽいことをする。
産み付ける場所は、二枚貝の出水管。メスの伸びた産卵管を差し込み、卵を1つ産み付ける。その後、入水管にオスが精子を吸い込ませ、卵を授精させる。
そして、ふ化した後、3週間程度で、二枚貝から稚魚が姿を見せてくれる。
以上が、タイリクバラタナゴを含むタナゴ種の産卵プロセスである。
しかし、なかなか水槽内で自然産卵は成功しなかった。5年目にして、ようやく1尾の稚魚が、私の水槽に姿を見せてくれた。

△稚魚(左端の小さい魚)
今回のノミラボ実験結果は、「タナゴであれば、条件を整えると、繁殖は可能である!」であった。
今回は、なかなか時間がかかったが、自分の水槽で新たな生命が誕生するのは、感動的である。
タナゴ以外にも繁殖可能な魚もいるが、今回はタイリクバラタナゴでの産卵観察であった。
そのほかでも、ミナミヌマエビなどは、割と放置しておくだけで簡単に繁殖してくれたりするので、皆も釣ってきた日本の淡水魚で、産卵の観察をぜひ体験してみて欲しい。
この実験で今日もギターが冴えるぜ! ギュイ〜ん♪ 誰かがやらねば…(※淡水魚は都道府県により持ち帰りが禁止されてる場合があるので、確認してから持ち帰るようにしよう)。