りそくのオフィシャルクラブ、「つりそく船釣りクラブ」のメンバーが、釣りの魅力を紹介。
この記事を参考に、皆さんもどっぷりと釣りの世界にハマってください。

南 雅文(Masafumi Minam) プロフィール
何かと話題のアカ&シロアマダイ
アマダイは「甘鯛」と書き、ほのかに身に甘みがあり、「若狭グジ」と言えば京料理の極みともいえる一品です。
食べて美味しい魚ですが、釣るテクニックや、3段引きと呼ばれる独特の引きも素晴らしく、釣っても非常に面白い魚です。

▲シロアマダイ
関西圏の船釣りでは、日本海方面ではアカアマダイ、和歌山方面ではシロアマダイが主なターゲットとなり、四季折々に楽しめます。
まず、日本海のアカアマダイ釣りを紹介します。水深90m前後を狙う釣りで、若狭では古くから「ボッコ釣り」と呼ばれる釣法が知られています。特徴的な丸オモリを使用し、泥底を叩くように釣る胴突き仕掛けが用いられます。
舞鶴の船長仕掛けでは、ビーズを使い、下針を遊動式にすることで、泥底にめり込んだ際に下針が浮き上がるよう工夫されています。これはディギング釣法の元となった仕掛けで、錘で海底の砂泥を巻き上げ、エサが飛び出したように見せることで魚を寄せる効果があります。
一方、和歌山方面のシロアマダイは、近年発見された大型河川の河口付近、水深50m以内の浅瀬で釣れる魚です。
このエリアはほかに漁業価値の高い魚種が存在せず、長らく漁が行われてこなかったため、まるで埋蔵金のような存在でした。
遊漁のタイラバ船が偶然発見したことで釣りの対象となりましたが、今後、釣り人や釣り業界が資源を守りながら楽しめるかが問われています。
シロアマダイ釣りでは、天ビンフカセ仕掛けを使用します。重要なポイントは、①ハリスの長さ、②エサの選択です。
状況に応じて仕掛けを使い分けることが鍵となります。ここでは、船のスパンカーを立てたエンジン流しで、潮先の釣座を前提に説明します。
各メーカーからさまざまな仕掛けが販売されていますが、基本は2mのハリスです。潮が速い時は馴染みやすい2m以上のロングハリス、潮が緩んできたら誘いの動きに反応しやすい1.6mのショートハリスを使います。
次にエサの選択ですが、①オキアミ、②ホタルイカ、③青イソメを基本とします。
オキアミは比重が軽く吸い込みが良いため、アクションバイトを引き出しやすく、数釣り向きです。ホタルイカは基本となるエサで、青イソメは食わせのタイミングが難しいものの、大型狙いには適しています。特に青イソメは2、3匹をチョン掛けにすることで、ビッグベイト理論に基づいた大物狙いが可能です。
天ビンフカセの2本針仕掛けでは、ハリスの長さとエサの配置によって釣果が大きく変わると考えています。
例えば、朝イチの上り潮が速い時は、2.2mの長めのハリスを使用し、天ビン側に青イソメ、先端にホタルイカを付けることで、仕掛けの流れを演出しながら、最低限の誘いで大物を狙います。
潮が止まり、転流で下り潮に変わったら、仕掛けを短くし、エサを天ビン側にホタルイカ、先端にオキアミに変更。誘いを頻繁に入れてリアクションバイトを狙います。
このように状況に応じた仕掛けやエサの工夫をしながら、自分が狙った1尾を釣り上げた時の喜びは格別です。
私もつい最近、和歌山・海南のKAISHINで、神田船長のアドバイスのもと、47cmのシロアマダイを釣り上げることができました。

▲KAISHINでキャッチしたシロアマダイ47cm