お米の価格は昨年の倍、ガソリン代に至っては180円台へと、うなぎのぼりに高騰する昨今。それでも釣りに行きたいと、普段より1時間も早く起き、目的地まで眠い目を擦りながら、ひたすら地道を運転する、そこのアナタ!
高価なタックルの購入は我慢できても、タイラバがなくては釣りが始まらない。とは言っても、タイラバは消耗品。ヘッドやネクタイ、アシストフックの補充には、結構なコストが掛かるもの。
根掛かりで高価なタングステンを失くそうものなら、そのダメージは計り知れない。
先日、はるばる鳥取からやってきた釣友が、明石海峡大橋東側海域、通称・ジグの墓場で、立て続けに80gのタングステンヘッドを4個もロストし、「乗船代よりも高くついた」と、ガックリと肩を落としていた。
そこで今回は、わずか250円足らずで制作できる、釣れるタイラバを紹介しよう。少しでも費用を浮かし、釣行費を捻出したいと考えている、そこのアナタ、ぜひ、ご一読を‼
タングステンか、鉛か?
激戦区の明石で釣り勝とうと思えば、「ヘッドはタングステン」というのが一般的だ。特に、潮のかわり目には、流速の異なる上潮と底潮が、複雑な2枚潮を発生させ、比重の重いタングステンでないと、底取りがしにくい。
さらに、形状の小さなタングステンの方が、マダイに違和感を感じさせず、食いが立つというのも事実だ。
では、鉛のヘッドでは釣れないのか? 答えはNOだ。
最近の傾向では、海苔パターンのマダイには30~45gの比重の軽い鉛のヘッドを、海苔が漂うかのようにフワフワと動かした方が、よく食ってきた。
ストレート形状のネクタイはカーリータイプと異なり、ヘッドを引くことによって発生する反転流で、ネクタイがなびく。大きなヘッドの方が反転流が強く、ネクタイはよく動くというメリットもある。
また、産卵期にはタイラバを捕食するのではなく、あたかも威嚇や攻撃をするような、ガツンというアタリにビックリさせられることがある。
この時期には大きなヘッドを使う方が、攻撃型のアタリも多く、鉛ヘッドの出番となる。このように、状況に応じて大小さまざまな鉛ヘッドを使い分けることも、重要なテクニックなのだ。
作り方
筆者が使用する鉛ヘッドは、「鯛玉オモリ徳用パック」。ピンポン玉のような球形よりも、左右がフラットなものの方が、なぜかアタリが多い。
1パックの総量は約1kg。号数に応じて10号ならば27個入り、20号なら14個と、入り数が異なる。ネット検索の最安値では、ヘッド1個当たり100円以下で購入できることになる。
購入したら、先の尖ったピックで穴の両サイドのバリを削ろう。
鉛はタングステンと異なり、柔らかいので、保護用のチューブを挿入する必要はない。
潮色や明るさ応じて「鯛の目」と言うアワビシールを貼り付ける。タックルボックスに忍ばせておけば、船上で貼り付けることもできるので重宝する。これで鉛ヘッドのチューニングは完成だ。
アシストラインには3~8号のPEラインを使用する。テーリングしにくいアシストを望むなら、太めPE(6~8号)にしよう。吸い込み重視なら、細めのPE(3~5号)に小型のフックだ。筆者は、リールに巻き切れなかった残糸を有効活用している。
①PEラインを10cmに切り、フックを結ぶ。ダブルフックにするならば、両側にフックを結ぼう。長い方のフックはワンサイズ落とす。
②PEラインを折り返し、エイトノットを繰り返し、大きなコブを作る。
③6mmビーズを通し、上からウキ止めゴムを通す。ビーズとウキ止めゴム間にネクタイを通せば完成だ。
ウキ止めゴムはズレにくいので、ネクタイをしっかり固定でき、シングルカーリーでもファイト中にネクタイが落ちないし、安上がりなのが嬉しい。
ネクタイをカットすると言っても、特別なツールは必要ない。いずれも100均で揃う材料ばかりである。
ネクタイの幅や長さも自在にコントロールできるので、マッチザベイト、あるいは釣り人のイマジネーションで、自由にネクタイを設計できる。何よりも、自分で製作したネクタイで釣り上げたマダイは、喜びも一入である。
知らず知らずに、ネクタイの形状から、その動きが予測できるようになるから、やってみる価値はある。
①シリコンシートには、裏張りがないものと、裏張りシートがあるタイプがある。購入したシートに裏張りがないか、裏張りが薄地のものならば、まず、裏張りを張ろう。
カッティングマットにシリコンシートを敷き、上から養生テープを貼り付ける。シワにならないように、伸ばして貼り付けるのがコツだ。
ちなみに、ササラボの「カスタムラバー」は、厚手のシートが貼ってあり、ハサミでそのままカットできるようにしてある。初めての方にも扱いやすいアイテムだ。
②ネクタイのデザインについて。シリコンシートの裏地、あるいは貼り付けた養生テープの上からボールペン、または細字マジックでネクタイを作図する。中央が分かるように、クビレも書き込んでおく。
③ネクタイのカットには、ローラーカッターを用いるのがコツだ。
通常のカッターナイフで引くと、ゴムが伸びて切れ目がギザギザになる。定規を当て、しっかり押さえながら、裏地の方からローラーカッターを引くと、ネクタイをキレイに切り出すことができる。
ササラボの「カスタムラバー」は、裏地にしっかりしたフィルムを貼っているので、細字のマジックインキでデザインを描くことができ、裏地の台紙ごとハサミで容易にカットできる。カーリーネクタイがこんなに簡単に制作できるのかと、ビックリされると思う。
さあ、自作のタイラバがいくらで仕上がったか、表にまとめてみた。何と、230円だ。
海が荒れた日には、自作タイラバを制作するのも、雨の日の釣り師の楽しみである。ぜひ、チャレンジしていただきたい。