昨年登場した、シマノの最高峰イシダイロッド「25 極翔(きょくしょう) 石鯛」。
極翔の歴史は約20年。その間積み重ねたノウハウと先端技術が融合。登場から約1年経たずして、すでに“銘竿”と名高い。
さて、そんな「極翔 石鯛」に、2025年newモデルが2機種新たにラインナップされました。
極翔 石鯛
25追加モデル【540 遠投】、【525 口白】

出典:シマノ
追加となったのは、広いエリア・ポイントを探ることに優れた【540 遠投】と、記録級の老猾なクチジロ(イシガキダイ)をも欺く食い込み調子&強靭なパワーを持った【525 口白】。
それでは、各モデルの特長を紹介していきます。
各モデルの特長
より遠くのポイントに潜む大型イシダイを狙う。
足元周辺だけではなく、仕掛けを遠くへ飛ばせるほど狙えるポイントが増えるのは事実。もっと言うと、沖にはロマンがありますよね。
今回登場した【540遠投】は、ブランクスにネジレやつぶれに強いスパイラルXコア+ハイパワーX、さらに無駄のない筋肉質な高性能素材であるマッスルカーボンを採用。全体を高弾性化することで張りを持たせ、軽量化&高い復元力を獲得し、仕掛けを力強く飛ばして攻略エリアを広げてくれる…そんなロッドに仕上がっているようです。
さらに、遠投性能を突き詰め、バットガイドには脚の高いXガイドキャストチタンを#3に配置。
沖のシモリやエサを求めて回遊するカケアガリなどを狙う遠投釣りにとって、もうひとつ重要なのが底取り性能。
先に紹介した“張りを持たせたブランクス”のおかげで、手元に伝わる底取り感度もアップ。海底の状態を把握しやすく、ここぞというポイントへ的確にエサを置くことができるのもポイント。
またパワーも十分で、沖で食わせた大型イシダイをぐいぐいと寄せられるそうです。

△前モデルとの比較
■スペック
品番 | 全長(m) | 継ぎ方式 | 継数(本) | 仕舞寸法(cm) | 自重(g) | 先径(mm) | 錘負荷(号) | リールシート位置(mm) | リールシートタイプ | カーボン含有率(%) | 本体価格(税別) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
540 遠投 | 5.40 | 並継 | 4 | 146.4 | 695 | 2.5 | 20-50 | 331 | DOWNLOCK | 94.5 | 140,000円 |
記録級のクチジロと勝負する竿には、強靱なバットパワーが必要不可欠。それに加えて老獪な大型を喰い込ませる調子でなくてはありません。
「25極翔 石鯛【525口白】」は、手持ち、置き竿のどちらにも対応する5.25m。#2と#3の繋がりを見直すことで、極翔石鯛伝統の食い込み性能を進化させ、置き竿時の舞い込み性能が大幅にアップ。
先に紹介した【540遠投】同様、スパイラルXコア+ハイパワーXに加えてマッスルカーボンを採用。
ガイド設計はクチジロを獲るため、よりスムーズに曲がりブランクスの性能を引き出す17点オールチタンガイドに、元竿の太径化、全節を並継にすることなどにより、クチジロの強烈かつ執拗な締め込みや、釣り人をなぎ倒さんとする横走りにも、主導権を渡すことなく対峙できるように設計されています。
また、竿の根元から舞い込んだ状態からでも素早くピトンから抜ける二刀流石突、軽快な振り調子を実現するチタン製の口金など細部にもこだわり、釣り人を強力にサポート。夢の大物との勝負に大きなアドバンテージを与えてくれる1本です。

△前モデルとの比較
■スペック
品番 | 全長(m) | 継ぎ方式 | 継数(本) | 仕舞寸法(cm) | 自重(g) | 先径(mm) | 錘負荷(号) | リールシート位置(mm) | リールシートタイプ | カーボン含有率(%) | 本体価格(税別) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
525 口白 | 5.25 | 並継 | 4 | 142.4 | 740 | 2.0 | 20-40 | 331 | DOWNLOCK | 95.6 | 140,000円 |
中出 一也氏のインプレッション
記録級のサイズを1人で取れるのが口白竿だと思っています。口白って海面に浮かせてから何度も突っ込んでいく。下手したら釣り人が倒されてしまいますから、タモ入れなんて危なくて仕方がない。2人で並んで釣っているならタモを使うといいですが、1人だと抜き上げるのが安全。それだけのパワーが竿にあること、かつ、僕は基本的に置き竿で狙うので、ピトンに竿を掛けた状態で食い込んでくれる調子が必要です。新しい極翔石鯛525口白は、口白釣りに求められる2つの要素を十二分に兼ね備えた仕上がりですね。
小笠原諸島でのテスト釣行では、70cmオーバーを5、6尾含めて10数尾の口白を釣りました。竿は硬いけれど喰い込みが良くて、置き竿がきれいに舞い込んでいく。喰いが渋いときは手持ちで対応するのですが、525という長さは操作性が良くて口白を走らせやすいですよ。小笠原はサメがいるので、足元の水深が40mなどの深いポイントでは、掛けてからも一気に巻き上げてこないといけないのですが、胴がしっかりしているので、魚に右へ左へ走られることなく上げてこられる。締め込みに耐えていると自然と魚の頭がこっちを向く感じで、魚に主導権を与えないんですよ。
70cmオーバーともなると、竿が舞い込めば硬い64チタン製のピトン脚がしなるほど強烈なんですが、二刀流石突はスパッと素早く竿が抜けるので、すぐさま反撃に出られる。これも口白釣りでは大事なことなんですね。
一方、極翔石鯛540遠投ですが、遠投竿に求められる遠投性能と底取り性能を高い次元で融合した1本です。ブランクスを高弾性化したことと、リールから一番近いガイドを脚の高いXガイドキャストチタンにして元竿ではなく3番に配置したことが飛距離アップにつながっています。高弾性化されたブランクスは曲がりの戻りが早いので飛距離が出る。Xガイドキャストチタンによって、竿を振ったときにラインがブランクスに当たらないので失速しないんですよ。
遠投釣りで重要な底取りのカギになるのが1番と2番。ここが軟らかいと感度が悪いだけでなく、たとえばカケアガリの上へ仕掛けを上げてくるときに根掛かりが多くなる。溝にオモリが少しはまったときにそのまま噛み込んでいくんです。1番2番に張りがあると、そんなときでもポンポンと仕掛けを上げてこられるし感度も良い。極翔石鯛540遠投は1番2番の張りに加えて竿全体に張りを持たせているので、底取り性能はさらに良い感じですね。
出典:シマノ