竹村勝則 プロフィール
今年はまだ海水温がさほど下がらず、魚にも釣りにも少なからず影響しているようだが、現在面白いのが波止のグレ釣り。
10月1日、大阪北港の大関門スリットでグレがよく釣れたので、そのレポートをしよう。
たまや渡船(☎090・3286・3165)の1番船(5時便)で、大関門のスリットへ2人の常連さんと降りた。
常連さんの話では、「グレは足元でも、竿1、2本前方でも釣れる」と言い、朝イチは足元のスリット際を狙っていた。
釣り方はフカセ釣りだが、ウキは30~40cmの棒ウキ(1号)で、オモリ1号、ハリス1.5号を1ヒロ(中間にオモリ1つ)、針はグレ針6、7号といった重めの仕かけ。
これはエサ取り対策で、エサを早くタナへ届けるためのもの。サシエは波止のグレ釣りの定番の石ゴカイを1匹掛け。
マキエはヌカとパン粉主体だが、「グレ、チヌ用集魚材を入れる」と言う。
マキエはウキの周囲へ2、3回打つ。
狙うのは足元なので釣りやすい。
釣り開始10分ほどで早くもグレを釣り上げた。
型は手の平に尾ビレを足したぐらいの、今のレギュラーサイズ。
自分は昨秋にここで、0号ウキのスルスル釣りでグレを釣っているので、同じ仕かけにしたが、エサ取りの小サバがもの凄く多くて、サシエをフワリと落としていったのでは、タナへ着くまでに取られてしまう。
マキエの打ち分けをしても、歯が立たない。
そこで、3Bウキにかえ、オモリを3段打ちにした。この仕かけだと、エサがタナまでもつ。
円スイウキがシモるようにジワ~ッと沈む。グレ釣りは「早アワセは禁物」なので、ひと呼吸置いてから合わせると、竿にグイグイとくる強い引き。
1号竿がギューンと心地よく曲がる。
25cmまでのグレはゴボー抜きで取り込むが、30cm近い良型はタモですくう。
常連さんのタモ入れシーンも数回見た。
足下でグレのアタリが遠退くと、竿1~2本前方を狙う常連さん。その前方で良型グレが入れ食い。
2人が同時に竿を曲げるシーンも見られた。
自分も前方狙いに切りかえ、ウキ下5ヒロで流したところ、28cmの良型グレがきた。
グレは退屈しない程度に釣れ、10時半の納竿時で20尾(20~28cm)。
常連さんは20~30尾は釣っていた。
11時便で帰港したが、関電波止の人は、小アジのノマセ釣りで、何とハマチ、メジロ、ブリの出世魚3尾を釣っていた。
今秋は水温が高めに推移しているので、青物がまだ釣れるし、グレも10月中は十分望める。
大関門のポイント
夢洲の東端に白灯台の波止があり、波止の付け根から西南側がスリットになっている。
波止の付け根に柵があって、スリット側には行くことができない。
スリットは西へ長く伸びているが、グレの好ポイントは波止の付け根近くから一直線に伸びている50-60㍍の間。
この間は足元でも、竿1~2本前方でもグレが釣れる。
グレのタナは3~5ヒロと状況によってかわるようなので、エサ取りとの兼ね合いを考慮して、タナを探るとよい。
サシエは石ゴカイが定番だが、エサ取りが少なくなればオキアミでも釣れる。
マキエは、エサ取りが多い時はヌカとパン粉だけでよいが、水温が下がってエサ取りが少なくなってくると、グレ、チヌ用の集魚材をまぜて、グレのタナまで届けるのがよさそう。
マキエに生オキアミを潰してまぜるのもよい。
グレは、秋深まって水温がガタンと下がるまでは釣れるだろう。