【ヤエンの釣り方】やるとハマる奥深い”ヤエン釣り”のイロハ

寄稿:つりそく船釣りクラブ 青山博

昨今、アオリイカ釣りと言えば、エギングやティップランでの釣りをイメージする方が大半だと思います。

私も足繁く通う好きなジャンルなのですが、ヤエン釣りも勝るとも劣らない楽しい釣りです。

▲ヤエン釣りでアオリイカを釣り上げた筆者

青山 博(Hiroshi Aoyama) プロフィール

つりそく船釣りクラブ2期生で、2011年の船タチクラブ、船イカクラブのメンバーの1人。船釣り歴は40年。多種多様なイカ釣りが得意だが、新しい釣りも模索中
ヤエン釣りとは?

ヤエン釣りとは、生きたアジを泳がせ、アオリイカがアジを抱き込み、アジを夢中で食べている間に引き寄せて、掛け針を撃ち込みランディングする釣りで、ほかに類を見ない伝統的釣法になります。

和歌山・三尾川漁港のりき丸

今回は、 オススメのフィールドの和歌山・三尾川漁港のりき丸のカセ釣りを、具体的に織り込みながら、ヤエン釣りを紹介したいと思います。

▲三尾川のりき丸

▲りき丸の川端船長

りき丸のアオリイカ釣りカセは、湾内岸近くにアンカリングします。カセから岸に向かって釣るのですが、岸際にはアオリイカの産卵場所である海藻帯があり、絶好のポイントです。この海藻帯の攻略が、最重要ポイントになります。

さて実釣についてですが、この釣りは概ね4つのステージがあり、各ステージをクリアしないと先に進めません。全てクリアすれば、アオリイカを無事、釣り上げることができます。

では、ステージごとの要点など、私見ですが…

ステージ1

「アジを投入し、泳がせて、イカにアジを抱き込ませる」

・アジ投入はふんわりと放物線を描き、着水寸前にサミングで止める。

・糸は張らず緩めずで、アジが引いた分だけ付いていく。

・時おり、竿をアオったりして、アジにヒラを打たせて誘いを掛ける(これが効果的)。

・海藻帯の切れ目に、できるだけ近い所を泳がせる。

・海藻の中にアジが突っ込んだ時は、ゆっくり引き抜き、動きを止める(これも誘いになる)。

・アタリは突然、走り出すこともあるが、竿先に違和感があれば、少し持ち上げて聞いてみる。

ステージ2

「イカにアジを食べさせ、ヤエン投入射程内まで引き寄せる」

・イカは通常、アジの頭を落としてから胴の部分を食べる。夢中になって、食べるまでは3~5分ほど掛かるので、その間は刺激しないようにする。引き寄せを行う場合は、極ゆっくりと。

・いくら慎重にやっても、イカがアジを放す時がある。もし放したら、その場でステイさせておくと、再度抱き込むことがあるので、慌てて回収しないようにする。

・海藻も密集しているポイントでは、イカに自由させておくと、すぐに海藻に絡んでしまい、このステージで終了となる。早めに次のステージに移ることも大事。

ステージ3

「ヤエンを投入し、イカに到達させてフッキングさせる」

・ヤエンを入れる理想的な竿先とラインの角度は、45度ぐらいと言われている。しかしながら、前述の通り、臨機応変、早めの投入を心掛ける。

・ヤエンを入れる時は、何かとトラブルが多い。揺れるカセの釣りでは、全て手の届く範囲に必要な物は整理整頓しておく(竿置き場、使用するヤエンなど)。

・ヤエンを送る操作は竿を立てた状態で、ラインを少し緩めたり、張ったりして行う。

・ヤエンがイカに到達したかは、竿先でヤエンの重さを聞いてみる。重さが感じなくなったら、ヤエンがイカに到達しているので、竿先を少し上げ下げし、ヤエンがイカの下に入ったと確信が持てたら、竿を水平にして、引き合わせを入れる(この部分が1番難しい)。

・合わせた直後に、ジェット噴射があればフッキング成功。抵抗がなければ空振りで、このステージで終了となる。

ステージ4

「フッキングしたイカをランディングする」

・イカのサイズにもよるが、ファーストランは凄い。糸を出し過ぎると、すぐに海藻が絡むので、できるだけ耐え忍ぶ。

・フッキングしたイカは、常にテンションを掛けた状態で、ゆっくりと引き寄せる。

・イカが見えた段階で、必ずアジの状態を確認する。アジがイカから離れておらず、イカがアジを抱いたままであれば、ヤエンがイカに掛かっていないので、再度アワセを入れ直すようにする。

・取り込みは、水面に十分イカを浮かせてから、タモ、またはギャフで行う。私は基本的にタモを使用しますが、トラブル(タモ入れ失敗でヤエンとネットが絡むなど)の時に、ギャフを併用します。

以上となります。

全てのステージにおいて、アオリイカの生態と水中の状況をイメージしなければならず、釣り人の想像力がものを言う、大変奥深い釣りですから、釣り上げた時の喜びは格別です。

すでに春イカシーズンは開幕しています。1度チャレンジされてはいかがでしょうか。

タックルとワンポイント

①ロッドキーパー&スタンド。竿は基本的に手持ちだが、生きアジを針に付ける時と、ヤエンにラインを通す時など、一時的に竿を置きたい場合に重宝する

②一刀ヤエンL、2L、ikaクラオカサンヤエンM、L、ヤエンストッパー、オトリフック

③ロッドはボーダレスSS460MHーT、リールはBBーXデスピナC3000DXG、ラインはヤエンライン TYPEーF2.5号150m

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