「お土産は釣って帰りたい!!」そんなビギナー必見、イカ処の本場の船長が教えるヤリイカを釣るための秘訣【船イカ通信】

「冬のイカ」と言えば、皆さんは何イカが思い浮かびますか?

ケンサキイカ、スルメイカ、コウイカなどなど、エリアによってその思い浮かべたイカは違うと思いますが、日本海のイカ処、若狭湾ではヤリイカが最盛期に突入しました。

若狭湾のイカ釣りと言えば、夏から秋のマイカ(ケンサキイカ)が有名ですが、冬から春にかけてはヤリイカが旬を迎えてとっても美味。しかもヤリイカは、エアーポンプなどがあれば、生かして持ち帰ることも可能で、マイカとはまた違った食感と味わいが楽しめます。

近年の「船のイカ釣り」と言えば、旧来の胴突き仕かけにかわってイカメタルが席巻していますが、ヤリイカもこのイカメタルで狙えるイカです。

ただ、このヤリイカ、若狭の船長に言わせれば「マイカも釣果に差が出るけど、このヤリイカはその差がハンパない。よい人50パイ以上釣ったと思えば、かたやゼロもいる」とか。

高活性で仕かけを入れれば誰でもよく釣れる日もあれば、船中では釣れているのに自分はサッパリということもあるのがヤリイカ釣りなんです。

でも、せっかく楽しく釣りに行っているのだから、「最低1食分のお土産程度は釣りたい!!」のが釣り人の本音ですよね。

そこで、ビギナーでも「自分だけ釣れない!」なんてことがないように、若狭のイカ処、敦賀色浜の竹宝丸・竹腰船長に「ヤリイカを釣る秘訣」を聞いちゃいました。

▲竹宝丸の竹腰優一船長

船長が教えるヤリイカを釣るための秘訣

竹腰船長は「ヤリイカは仕かけ、タナなどがアジャストできていないとダメ。アタリも小さいので穂先に集中して釣らないと、渋い日にはなかなか釣果が伸びない」と言います。

ヤリイカの仕かけ

では、どんな仕かけがよいのか?

竹宝丸では旧来の胴突き仕かけも可能ですが、大半はイカメタル、最近は30~50mラインの浅場のポイントで狙い始めたので、オモリグでもイケるそうです。

まずはイカメタルから。

ドロッパー(エダに付ける仕かけ)は1つで、メタルスッテとの計2本仕かけです。

メタルスッテは20号を基準に、水深や潮に応じて15~25号を使い分けましょう。

ドロッパーは「現在、胴長30cmオーバーのオスのイカがメインで釣れていることもあり、何でも乗ってきている」とのことですが、「小型の抱卵したメスイカがよくまじるようになってくると、細身のシルエットの物がよい」そうです。

そうなると、ウキスッテとプラヅノのハイブリッドやプラヅノがよくなってくるので、タックルボックスには潜ませておきたいですね。

▲ウキスッテとプラヅノのハイブリッド

▲プラヅノ、敦賀沖では11cmオンリー

スッテのカラーは、例年だと偏りが出て、乗る色、あまり乗りにくい色と傾向が分かれるそうですが、今シーズンに関してはほとんどカラーの偏りはないそうです。ただ、プラヅノに関しては11cmがマストで、カラーは例年同様にケイムラ系か青系が圧倒的とのことです。

 

次に浅場では有効なオモリグです。

オモリグは図のように、1本仕かけ。仕かけにはエサ巻きスッテか、エギを使用します。

近年はエサ巻きスッテを見かける頻度が高くなってきており、ヤリイカ釣りのマストアイテムのひとつになってきています。

▲エサ巻きスッテにササミを巻いた状態

巻き付けるエサですが、キビナゴでもよいですが、船長は「ササミ一択。キビナゴはボロボロになってくるので、その度に巻きかえていると手返しも悪くなるから、群れが回遊してきた時に数が伸びなくなる」。ま、複数個用意しておけば別ですが、ビギナーなら、まずはササミでよいと思います。

そして、もうひとつがエギ。

サイズは「2.5号がベストかな」とのことで、釣れるサイズが大型のイカが主体なら3号、メスイカならそれより小さい物も忍ばせておけば対応できます。

▲エギは2.5号を主体で

ヤリイカの狙い方

ヤリイカは、状況によってはイカ玉(ヤリイカの群れが固まり、大きな塊で泳ぐ様)となって水面近くまで浮いてくることもありますが、「基本的にはタナは底。ただ、ベタ底ばかりを狙うのではなく、ポイントの水深に関わらず、底から10mは誘い上げてタナを探ることが大事」と言います。

誘いのアクションは、マイカでよく行われるようなシェイク(穂先を小刻みに連続で揺らす誘い)などの細かい誘いは不要で、「(仕かけを)大きく動かしてロングステイ」が基本であり、最も大事とのことです。

特にステイは長いほどよく、船長が言う目安は30秒ほど。

マイカメタルをする人は、結構キビキビと動かしてリアクションなども狙ってアタリを引きだしていきますが、ヤリイカは回遊性の強いイカのため、「じっくり待つ」という要素が必要です。

具体的に言えば、竿で大きくシャクリ上げて、フォール(フリー、テンションを使い分ける)させてからのロングステイ。これの繰り返しで群れに出合うタナを探っていきます。

タナの刻みは、およそ2m刻み。だいたい竿1本分ぐらいですね。

オモリグでは、ワンピッチジャークからのロングステイを繰り返します。

また、オモリグではスピニングタックルならキャストして船の周りも探ることができるので、船下でアタらない時は有効なワザです。

あと、底メインでアタるからと言って、ずっと底ばかりで狙うのではなく、必ず誘い上げていきましょう。

底にいるヤリイカに同じ仕かけを見せ続ければ、見切られて乗ってきません。

リセットの意味も含めて、誘い上げていくのは有効です。再び底に落とした途端に乗ってくるのは、ヤリイカ狙いではよくあることですから。

数伸ばすコツ

何と言っても数伸ばすコツは、追い乗りを狙ってダブルで上げていくことです。

イカメタルはメタルスッテのほかに、ドロッパーも付けて狙うことがほとんどですので、1パイが掛かっても一気に巻き取らず、始めの数mはゆっくりと巻いて追い乗りを狙いましょう。

ヤリイカは活性が高ければ追い乗りが高確率で期待できるイカです。

また、アタリは小さいことが多いので穂先に集中することも大事です。

んっ?という違和感でも、迷わずに全て合わせていきましょう。特にメスイカが主体となってくると、実際は触ってきているのにアタリがないと思ったり、アタるのに掛からないということも多々あります。

敦賀沖の近況

敦賀沖では2月に入ってよい人50パイ超の好釣果も続出中。現在は胴長30cmオーバーのオスイカがメインで釣れており、ボリューム満点です。

例年なら3月いっぱいまでは十分に狙え、シーズンが長い年ならムギイカ(スルメイカの小型)釣りの始まるゴールデンウイーク前頃まで狙えます。

オスのヤリイカは良型で引きも食べ応えも十分ですが、これからのメスイカは卵を持つので、これまた絶品のひとつです。

今が旬のヤリイカ釣り、凪の日を狙ってぜひ出掛けてみませんか。

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