日本海に春の幕開けを告げる釣りのひとつが、福井県・小浜湾、仏谷のチヌカカリ釣り。波静かな湾内にカキ筏とチヌ筏があって、そこはチヌの住処でエサ場であって、越冬場所でもあり魚影が濃い。
仏谷のチヌ釣り場は児島、萩の下、双児島になるが、例年冬場は休業で、春の開幕時は特に波静かな児島の周りに筏を移動させている。

湾内にはチヌ筏、カキ筏が多数あり、チヌの好場になっている
各渡船店が筏を浮かべているので、チヌ筏、カキ筏が至る所にあり、チヌにとっては居心地のよい場所なのだろうか。
3月1日より解禁、釣況は悪くなく期待できそう
今年も3月1日からチヌカカリ釣りがスタート。大住渡船の釣況は、今のところ年なしは2尾(3月19日現在)で、多いのは30cm級と40cm級。1人で7尾、8尾の好釣果もある。

カキのむき身

くわせオキアミスペシャル
エサはカキのムキ身(地元のカキで渡船店にある)、ボケ、オキアミで釣れている。
大住渡船の話では「今年は天候が不安定なので、釣り人も例年より少ないが、開幕初期の釣況としては悪くない。日ムラはあるが、まずまずといったところ」とのこと。
好天に恵まれ釣り人15人の中一番東の筏に乗船し、釣りを開始
3月19日、好天気とあって釣り人が多く、15人ほどが乗船。すぐ近くの児島の周りに浮かんでいるチヌ筏へ1人ずつ上がっていった。

記者は一番東の筏に乗船
記者は児島の筏群の1番東の方の筏へ上がった。
ここは前後にカキ筏が1基ずつ浮かんでいて、両方向で釣れるが、本命ポイントは沖(南)向き。
大住渡船は毎週木曜日が定休日で、釣行前日が休みだったので、前日にマキエが入っていない。モーニングサービスは期待できないと思いながらも、まずはいつも通り、5Bオモリを付けた仕かけでカキのムキ身をチヌ針6号に付けて、竿下にそっと落とし込む。
白いカキが水面下2ヒロぐらいまでは見える。潮は澄んでいるようだ。
アタリがないので、竿一杯持ち上げては、また落とし込んでいく。3回繰り返してアタリがなければ、エサ切りする。
30分ほどしてもアタリがないので、次はチョイ投げで前、右、左と探るが、エサは取られていないし、アタリもない。
エサをカキ、ボケ、オキアミとローテーションしても音沙汰なし。
それならダンゴ作戦だと、ダンゴのアンコにオキアミとニュー活さなぎミンチ激荒を入れ、10個ばかり竿下に入れる。
ダンゴ効果か、1時間ほどしてから合わせどころがないジビジビアタリ(ボケエサ)で仕かけを上げると、針を取られていた。フグの仕業だ。針を取られたのは、午前中に3度あった。
昼頃の見回り船で各筏の状況を聞いて回ったが、チヌはまだ誰も釣っていなかった。
朝の水温は10度。潮も澄んでいるので、チヌの食いは渋いらしい。夕方の時合に期待するしかない。

近年仏谷で流行りのスピニングタックルでのウキ釣りの様子
仏谷の筏でも、近年は長竿でウキ釣りをする人も増えている(当日も数人いた)ので、右に習えで、ウキ釣りで前方のカキ筏のすぐ側を狙うことにした。
竿は1号の4.5m、スピニングリールに道糸は2号。ウキは棒ウキの5B、ハリスは1.5号1ヒロ、針は改良チヌ2号。オモリは3B2つで、ウキのトップが5、6cm出る程度にした。
マキエはチヌダンゴに、マキエ用のオキアミを2kgほど入れた。
潮は相変わらず右へ行ったり左へ行ったり、止まったり、手前へきたりと定まらない。午後は北寄りだった風が東からにかわり、上潮だけが速い2枚潮になったりした。
ウキ釣りでも相変わらずアタリもなければ、エサも取らない。3時間ほどで、コノシロのスレアタリらしきものが2回あっただけ。
仕かけをハワセるとアタリが出て2尾を続けて釣り上げた
カキ筏の側は根掛かりが多いと思っていたが、サシエが時々根にモタれる程度なので、さらにウキ下を深くして、50~60cmサシエをハワセるようにした。
これがよかったのか、オキアミのエサで17時10分頃にウキがスッと入った。
待ってましたと合わせると、グッグーッとチヌの力強い引き。嬉しい当日の初チヌは30cmで、針は口にちょこっと掛かっているだけだった。
18時の納竿時間が迫り、チラチラ横目でウキを見ながら道具を片付けていると、何とまたウキが入った。
急いで竿を持って合わせると、先ほどよりもよく引く元気なチヌで、31cmあった。

当日の釣果
30cm級のチヌでは自慢できないが、当日唯一の釣果なので、よしとした。