全国屈指のイカ処、福井県。現在は、各沖で人気のマイカ(標準和名ケンサキイカ)釣りが盛んで、釣果も上向いている。
今回はそんなマイカをイカタメタルゲームで攻略する名手・岩城透氏の誘いのテクニックをご紹介(取材協力:福井県三国港・神海丸)。

岩城透(いわきとおる)
若狭湾のイカメタルゲームの火付け役的存在。釣具メーカー「アニサキス」代表。ダイワフィールドスタッフ。【blog「イカメタリストのブログ」】
岩城透の考え方
岩城氏の考え方を大まかに説明すると以下の通り。
①釣り始め(まだタナが不明確)は鉛スッテ単体(枝スは用いない一つスッテ)でスピーディーにタナを探る
②タナがある程度絞れたら、テンポの早い「動」の釣りに反応しているか、あるいはステイ重視の「静」の釣りに反応しているかを見極める
③動の釣りに反応するなら「掛け調子竿の鉛スッテ単体」を、静の釣りに反応するなら「乗せ調子竿のオバマリグ」をチョイス

写真上は掛け調子タックル。下が乗せ調子タックル
掛け調子タックル
【ロッド】
・エメラルダス AIR AGS イカメタル K60LB IM
・エメラルダス AGS イカメタル K60LS IM
【リール】
・キャタリナIC 100SHL
・エメラルダスAIR LT3000S-CXH(※キャストする時)
乗せ調子タックル
【ロッド】
・エメラルダス AIR AGS イカメタル N60XULB IM
・エメラルダス AGS イカメタル N60ULB IM
【リール】
・スパルタン MX IC 150HL
・紅牙 IC 100PL-RM

使用する基本的な鉛スッテの一例。上から順にアニサキスッテの赤緑、赤黄、赤白(グロー)。アピールの差は赤緑=ローアピール、赤黄=中間、赤白(グロー)=ハイアピールとなる

オバマリグのドロッパーで使用するエギの一例。ローアピールの赤緑(写真上)、ハイアピールのピンク(写真下)。サイズは1.8号or2.5号
具体的な誘い方
具体的な誘い方を、実釣した三国沖(水深40m前後)を例に説明したい。
掛け調子は止め短く動きの中でアタリを取る
釣り開始からタナが絞れるまでは、テンポの早いひとつスッテ。
①まずは、ほぼ全層を3m刻みのゼロテンションに近いテンションフォールで狙う。下に構えた竿をリールフリーで大きく振り上げて3mほどラインを出し、そこでスプールを指で押さえてフォールで探り、竿先を下げてステイ。アタらなければ、再び3m刻みのフォールで底まで探る。

リールフリーで竿を大きく振り上げてラインを出す

ピタリとステイさせて乗りを見る
②底まで探れば、誘い上げ。上へ探る時も基本は3m刻み。巻きシャクリをしながら3m上げてステイ。ステイ前に大きくシャクり上げてスッテを跳ね上げ、フォールを入れてからのステイが効果的。

巻きジャクリでは、ヒットパターンを見つけるまではシャクリ幅、速度を変える
キャストからのカーブフォール
船下でアタリがない時は浅ダナで釣れる時はキャスト&カーブフォールも効果的。例えば、狙うタナが25mまでなら、15mキャスト、さらに10mラインを送り出して(計25m)カーブフォール。
フォール中はロッドのバットに手を添え、チョン、チョンとソフトに小さくシャクる誘いも織りまぜる。それをラインが竿下にくるまで繰り返して広範囲に探る。ほかの人が狙っていないイカにアピールできるので、ハマれば威力抜群。

バットに手を添え、ソフトに誘う
乗せ調子はドロッパーに乗せる意識でスローに
スローな釣りに反応がよい時は乗せ調子タックル(オバマリグ)。
①誘い下げ、誘い上げは掛け調子同様3m刻みで狙っていく。ただし、乗せ調子はドロッパーにイカを乗せることを意識するため、ステイは掛け調子での釣りに比べて長め(ロングステイ)がキモ。

ステイは長めがキモ。止めている間にもエギが水中で動き誘う。時折フワフワと誘うのも効果的
②アクションは周囲のイカにエギを見せるために大きく誘い上げるほか、ステイ時にフワフワと小さくソフトにシャクる誘いも多用する。

乗せ調子の場合は大きく誘い上げてエギをアピールし、フォールやステイでアタリをとらえる

神海丸・藤田吉則船長