山陰の夏、シロイカの夏!! イカパラダイスの鳥取で大剣&数釣りを楽しむための基礎知識

夏の日本海は、漁火の季節。

夕暮れ時の海岸から沖を見渡せば、あちこちに集魚灯を灯したが船が浮かんでいるのが見えます。

 

真っ暗な海上に、煌々と光る漁火、日本海側の初夏から秋までの風物詩ですね。

漁火は、イカを狙う釣り船の灯りですが、この季節の釣り船の多くが、美味なケンサキイカを狙っています。

ケンサキイカは日本各地で狙えることから地方名が多いイカで、「シロイカ」と呼ばれたり、「マイカ」と言ったり、「アカイカ」と呼ぶエリアもあります。関東では「マルイカ」とも呼ばれてますね。

そんなケンサキイカのメッカのひとつ、山陰・鳥取沖では通称「シロイカ」。そして、名物の胴長40cmを超える大型のものは大きな剣のようなイメージから、「大剣(ダイケン)」と言われ、釣り人たちのひとつのサイズ目標となっています。

この鳥取沖で例年のように、シロイカの釣果が上向いてきました。

鳥取沖のシロイカ仕かけ

鳥取沖では主にイカメタルやオモリグで、シロイカを狙っています。

基本的な仕かけイメージはこちら↓

 

イカメタルは一般的なオバマリグ仕様、オモリグは天ビンの下にエギ1つでもよいですが、ドロッパーに乗ることも多いので、天ビンの上にエダを出した仕かけを使用する人が多いです。

ロッドやリールは、イカメタルと銘打たれたものや、近年ではオモリグ専用に発売されているタックルもあるので、そちらを使用するとよいでしょう。

30号以上のメタルスッテの重要性

仕かけで最も注意したいのが、メタルスッテの重さ。

鳥取沖はアンカーで狙う船が多く、また流しても潮が速いこともあるので、メタルスッテは30号が必須。場合によっては、それ以上の重さを使用することもあるので、重めの号数は必ず揃えておきたいアイテムです。

 

30号のメタルスッテ、鳥取・賀露港の久幸丸、木村船長はこの重さのメタルスッテ持参を強く推します。

久幸丸は、潮が速いと流し釣りもする鳥取でも数少ない船ですが、大剣狙いを含めて、浅場で狙う時は多少潮が速くてもカカリ釣りを選択する時もあります。

また、船長は潮で仕かけがナビいて船下に入る時、重めのオモリを使うようアドバイスも送ります。

それはなぜか?

船長が言うには「船の下の暗い所に仕かけが入ると、イカが釣れにくい」と言います。

イカは集魚灯の効いている明るい所と暗い所の境目付近にいて、ベイトなどを捕食しているそうで、暗い所だけに仕かけがあると乗りにくい、との考えからです。

実際、仕かけがナビいて船下に仕かけが入っていた人に、それまで使っていたメタルスッテ20号から30号に変えてもらうと、仕かけが立ち、イカが乗り始めました。

また、別の人は「船が振って、自分の仕かけが暗い所から明るい所に出た途端にアタッた」とも言います。

やはり、仕かけの入っている位置というのは、かなりイカの乗りに影響してきそうですね。

鳥取沖のマストカラーは「信号機」

さて、次はエギなど仕かけのカラーです。

久幸丸の仲乗りの馬ノ介氏に話を聞くと、鳥取沖でのオモリグのエギやイカメタルのドロッパー、メタルスッテの基本カラーは「信号機の色」だそうです。

つまり、青(緑)、黄(チャート含む)、赤の3色がマストカラーですね。

これに、各色の濃淡、夜光、ケイムラなどが枝分かれすると言います。なので、最低限基本の3色は用意しましょう。カラーはこの3色を軸にして、アタらなければ、次々とかえていくとよいそうです。

仲乗りをしながら、実釣して好釣果を上げる馬ノ介氏の釣りを見ていると、アタらずに仕かけを回収する時は必ずエギなどのドロッパー、メタルスッテのどちらかを交換して常にどれによく反応するかを探していました。

カラーの目安としては、「濁り潮時は黄色系、澄み潮時は青が効果的」とのこと。

さらに、「今期は黒がよい」そうで、「それに近い色や、持ち合わせのカラーがなければ、油性マジックで真っ黒に塗るのもよい」と言います。

 

基本的な釣り方

誘いのバリエーションは各個人さまざまですが、狙うタナはイカメタル、オモリグともに船長からの指示ダナを守って釣るのが基本です。

釣り開始間もない明るい時間帯なら、基本のタナは底。誘う範囲も底から5m以内でよいでしょう。

ベイト感度はあっても、底周辺にチラホラと出るぐらいです。

 

ただ、回遊性のイカが船の下に回ってくると、パタパタと上がるので、根気よく釣るのが大事です。夕まずめの時間帯は、釣れればデカいのも多いです。

釣果を伸ばしたいなら皆が必ず守ろう、船長の指示ダナ

それが日も沈み、辺りが暗くなれば集魚灯も点き、漁火の効果も出始めます。

 

上の写真で言えば、40mラインと35mラインにベイトのような反応が出ています。

船長も、この時は「そろそろ底ではなく、40m前後から、上は30mぐらいまでのタナを探ってください」とアナウンスしていました。

特に注意したいのが、船長の言う指示ダナ。

これは「釣果を伸ばすためには絶対に守ってほしい」と船長は言います。

「イカ釣りは船全体の共同作業。10人前後の釣り人全員がタナを揃えて狙えば、イカのタナは安定して、手返しもよく釣果が伸びる。逆に、数人でもこれを守らず、底など下のタナを狙うとせっかく浮いたイカもそれに付いて下がってしまうことも多い。そうなると、結果的に全体の釣果は伸びなくなる」そうです。

なので、船長の指示ダナは必ず守って狙うようにしましょう!!

地元名手の狙い方

誘い方は各個人さまざまと言いましたが、一例として、鳥取の地元の名手・アルミ製イカトロ箱の製作も手掛ける小林誠和氏の釣りを紹介します。

小林氏の釣り方は、オモリグ。天ビンの上にエダを出したリグ2つの仕様です。

①小林氏はどの釣座でも、まずは前方に仕かけをキャストします。

②着底まで、あるいは指示ダナまでラインを送り、そこから誘いを開始。基本はワンピッチのジャークで2、3回シャクります。

③そして、ステイ。

 

この繰り返しで狙うタナの間を誘っていきます。アタらなければ、再び狙うタナの下へ仕かけを下ろします。

狙いタナは同じでも、反応がなければ、ジャークの幅、スピードなどに変化を付けていろいろなパターンを探ります。

これでアタらなければ、仕かけを回収。小林氏も仲乗りの馬ノ介氏同様、仕かけを回収すれば仕かけを交換して、当たりカラーやシルエットを探っていました。

ちなみに、小林氏のタックルボックスがコレ↓

仕かけはオモリグですが、下に付けるリグはエギだけでなく、イージースリムやウルトラのようなシンカーの付いていないタイプも使用していました。

ちなみに先日は、集魚灯が効き始めてもタナがバラついていて、比較的底にアタリが集中していたので、底から5m以内を集中的に狙い、中盤からは入れ乗りモードに。

キャストして着底からのショートピッチジャーク2、3回からのステイ(カーブフォール)でよくアタったそうです。タナは底から5㍍以内だったので、それを2、3セット繰り返せば再び着底。これで数回アタリがないと、回収してエギなどを交換したそうです。

 

鳥取沖に限らず、イカが乗りだす時合は海況や月など天気の条件によってもかわりますが、先日のパターンで言えば、

17時頃の釣り開始時間帯はシーン

19時頃の夕まずめに良型がパタパタ

日が沈んで集魚灯が効き始めるまではシーン

21時頃にベイト反応が濃くなってきてバタバタと乗り始める

21時半頃から納竿の22時45分まで釣る人は入れ乗り!!

てな具合でした。

船中では胴長30cm前後主体に胴長40cm前後もまじって、オモリグ、イカメタルともに楽しめていましたよ。

そして、中にはダブルで上げた人も。

 

各自が良型のシロイカを上げて土産は十分の釣果が上がっていました。

 

鳥取沖のシーズナルパターン

鳥取沖の例年のパターンでは、7月中旬の梅雨明け頃までが「大剣」の最盛期ですが、以降は「中剣(胴長30cm前後)」主体に数が上がる、ビギナーにもオススメの絶好のシーズンで、正に「シロイカの夏本番」です。

今夏はオモリグやイカメタルで、鳥取沖のシロイカを堪能してみてはいかがでしょうか?

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