
横山晴也(よこやまはるや) プロフィール
年の瀬が近づき、日本海側ではシケにより、沖へ出られない日も増えてきました。
ずっとケンサキイカの復調を期待していたものの、定置網に入ったという情報もなく、今シーズンは終了してしまった模様です。
底曳き網にはヤリイカが入り始めていますので、ヤリイカメタルシーズン開幕は、目と鼻の先のように思われます。
残念ながら、今回も釣行の話はできませんが、先日メタルジグの水中映像を撮る機会がありましたので、同時にイカメタルの水中撮影も行いました。
その時に感じたことなどを、話したいと思います。
今回の撮影の目的は、メタルスッテの形状(ウエイトバランス)の違いによるフォールの変化です。
各社からさまざまなメタルスッテが発売されている中、カラー選択やアクション方法についてのコラムは多いのですが、メタルスッテ自体のウエイトバランスに深く言及・比較したものは、ほとんどないと思いますので、必見です!
ジギングとメタルスッテの違い
主にバーチカルでシャクる、ルアーフィッシングと言えばジギングです。
ジギングでは、シャクリ上げた時のジグの挙動(左右へジグを飛ばす等)と、フォール時の挙動(直線的なフォールやヒラヒラとしたフォール等)がジグのウエイトバランスによって大方決まってきます。
一方でオバマリグでのイカメタルでは、ドロッパーの抵抗があることと、竿も軟らかめのため、シャクリ上げた時の動きはウエイトバランスで変化しにくいです。
従って、ウエイトバランスが釣果に影響してくるのは、フォール時であると考えられます。
フロントバランスVSセンターバランス
私が好んで使用しているメタルスッテの形状は、センターバランスとフロントバランスです。
オバマリグのドロッパーに2.5号のエギを装着し、2種類のメタルスッテを同じようにアクションさせ、挙動を比較しました。

センターバランス型のメタルスッテ
フロントバランスの場合、シャクリ上げた後、ラインテンションが抜けると、1拍置いた後(慣性が働いているが、左右へ飛ぶ所まではいかない)、頭をやや前傾させて一定方向へ一直線にフォールしました。
フォール中は大人しく、イカがスッと逃げる動きによく似ていると感じました。
センターバランスの場合、シャクリ上げた後、ラインテンションが抜けるとすぐに横倒れし、フォールを開始します。
フォール中は平行を保ちながらもユラユラとよく動きます。
フォール方向も毎回バラバラで、フォールの最中にもメタルスッテの進行方向が変化しました。
フォールスピードは、フロントバランスの方が少し速く感じました。
どう使い分けるか
私の経験上、漁火で船の周囲に群れているイカは、スッテのフォールアクションによってスッテに興味を抱くと考えています。
ターゲットがケンサキイカの場合、竿頭で50パイ以上釣れるような高活性時は、イカもたくさんいますので、センターバランスでユラユラゆっくり落とすことで、しっかりスッテを見せて、たくさんのイカをスッテの周囲に集めてスッテ争奪戦にさせ、一気に抱かせる作戦が有効です。
スッテのカラーパターンはもちろん、フォール性能の合わせ技で、スッテ投入からヒットまでの時間を、いかに短縮できるかがポイントです。

フロントバランス型のメタルスッテ
反対に活性が低い時はイカも少数です。
争奪戦状態に持ち込めない以上、フロントバランスを使い、違和感なく一気にイカの目の前までスッテを送り込み、しっかりとアピールします。
フロントバランスは大型の実績が高いような気がします。
イカが捕食行動を起こすカギとなる要素は、今回紹介した限りではないと思います。
現地で、ウエイトバランスをも加味しながら、いろいろ試行錯誤できれば、とても楽しそうです。
私は、まだまだイカの気持ちになれませんが、早くイカメタルがしたいですね!