今回は長崎対馬で遠征タイラバ! 好釣り場の実力やいかに
越冬に備えたマダイの荒食いが始まる秋。こんな季節には、思い切って夢の漁場に足を伸ばしてみたいものである。
コロナ禍で遠征釣行は3年ほど自粛せざるを得なかった。それもようやく解禁となり、全国旅行支援キャンペーンもスタート。年内であればリーズナブルな価格で遠征釣行を楽しむことができる。
そんな遠征先として私がお勧めしたいのが、長崎県対馬だ。
早朝に博多を出港し、玄界灘や対馬のマダイの好漁場でタイラバ釣りをエンジョイ。その晩は対馬に泊り、翌日は早朝から対馬北部の一級漁場でタイラバ釣り。
夕刻に博多に帰港するという、1泊2日の夢のような釣行をサポートしてくれる遊漁船が「マリブエクスプローラー」だ。
船は60ftもある大型船。ジャイロも搭載しているので、玄界灘の荒波でも安定して釣りを楽しむことができる。まさに遠征釣行を楽しむために造られた船だ。
龍野和浩船長は、「来年にはさらなる大型船を就航させ、タイラバ釣りを愛する全国のお客さまを魅惑のパラダイスにご案内したい」、と熱く語る。
前夜に博多入りし、翌早朝3時に伊崎漁港に集合。準備が整い次第、出船だ。
マリブエクスプローラーは一路、対馬北部の漁場を目指した。
沖合には朝鮮半島が見え、釜山らしい街並みも窺える。対馬の北端には自衛隊の白いレーダー基地があり、ここが国境に間近いことを感じさせる。
ファーストヒットは、広島から参加した福田哲彦氏だ。
ささラボのコブラカーリーのオレンジゼブラとシャインオレンジのコンビネーションに、いきなりマダイがヒット。
大阪から参戦した中立公平氏はコブラ・スリムカーリーのオレンジで食べ頃サイズのマダイをキャッチ。
福田氏はコンスタントに良型のマダイをキャッチしている。
私はプロトタイプの大型ワームでマダイをキャッチした。
続いて中立氏がプロポーションのよいマダイをキャッチ。
こんなサイズが釣れ続くのだから、対馬の海はスゴい。
福岡の常連、佐々木久美子さんも次から次へと良型を釣り上げる。
対馬は面積の89%を山林が占め、国の天然記念物に指定された原生林が3つ存在する。極めて自然度の高いとされる照葉樹林の「龍良山」、大陸系植物と日本系植物の混成林の「白嶽」、そして、貴重な鳥類の繁殖地「御岳」である。
豊かな山林は豊かな海魚を育むと言うが、対馬の魚が優れて美味しいのは、こうした自然が残されているからだろう。
また、秋の対馬と言えば「かいつけ漁」と呼ばれるヒラマサのエサ付け漁が最盛期を迎える。
マダイのほかにも、キハダ、ブリ、ヒラメ、アコウ、ハタなど多彩な高級魚がタイラバで釣れ盛るシーズンだ。
大ダイが居付く場所は、海底が谷状になった潮が当たる斜面である。だから、船を横向きに流しながら、海底の斜面をタイラバがトレースする、ドテラ釣りが断然有利だ。
昔から「鯛は潮を釣れ」と言うが、潮の流れる向きも肝心である。
龍野船長は、これまでの実績に基づいて、船を流す位置を選択した。
水深40~80m、船速は0.6~2ノットで東へ流れる。風と潮流によってタイラバヘッドは80~200gを使い分けた。
船が流されていくので、1回着底する毎に、タイラバは船から遠退く。
着底が分からなくなったら、ピックアップしてボトムを取り直すのがこの釣法だ。
出されるラインは200mを超えることも。だから、リールはハイギアタイプが断然有利。
クラッチを切ると、モーターが止まる、モーター&クラッチ連動機能の付いた電動リールは、完璧な等速巻きを可能にするし、タイラバの回収も楽だ。
ドテラ釣りにシマノのフォースマスター200は、極めて有効なリールである。
手巻き用には、オシアコンクエストCT300HGを用意した。
大型のマダイが釣れると言っても、特段にハードなロッドを準備する必要はない。ロッドの調子はMクラスで十分だ。
電動リールはロッドホルダーで船縁に固定したので、ストロークの長い炎月XR N-B72MH-Sを使用した。
フックはドテラ流し用に、掛けアワセ針の「凄腕グレ尾長 7号」を使用。
ほどなくして、ロッドホルダーに固定した電動タックルの穂先が絞り込まれた。
しっかり乗るのを待って大きく合わせると、ガッチリとフッキング。
掛けアワセ針は、上がってきたマダイの上唇をしっかり縫い刺していた。
この日、ネクタイはコブラカーリーのシャインオレンジ、オレンジゼブラがコンスタントにヒットしたカラーだった。
合わせてバチコーラ、海苔グリーンにもよく当たってきた。
初日は日没間際まで存分に釣りを楽しみ、上対馬の比田勝港に停泊し、すぐ近くの対馬ホテルプラザに宿を取った。ご一緒した皆さんと、情報交換をしながらの食事会も楽しい。
翌朝は、朝焼けに燃える上対馬でスタートフィッシング。日が昇るとマダイ、レンコダイ、さまざまな根魚がロッドを絞り込んだ。
熊本からご夫妻でお越しの本田香織さんは、この日1番の大ダイをゲット。
長氏も見事なガシラをキャッチ。
筆者も、見たことのないような巨大ガシラを釣り上げ、船長はこれは〝ゴジラ〟だと笑う。
このゴジラは2週間寝かして、刺し身と湯引きで堪能したが、さすがに対馬の魚は、最高の味わいであった。
そして、昼前には大型のマハタを熊本の本田孝夫氏が釣り上げ、船上は大いに沸いた。
佐々木久美子さんは見事な腕前で次々とマダイを釣り上げ、数を伸ばしていく。
釣果に恵まれ、思い出深い釣行となった。
秋晴れの対馬沖、玄界灘はタイラバ釣りのパラダイス。
通い慣れたホームグラウンドから足を伸ばし、皆さんも魅惑の漁場にチャレンジしてはいかがだろうか?