近年、人気が上昇中のフグ。”カットウ”と呼ばれる一風かわった仕かけで狙う。
カットウ釣りは、オモリの下にエサを付けるフックがあり、その下に”カットウ針”と呼ばれる3、4本針がある。
エサを食ってきたフグがそのまま針に掛かるのではなく、エサを食ってきた瞬間に合わせて、カットウ針でフグを引っ掛けて釣る。通常の釣りとは違う釣り方にハマる人が続出している釣りだ。
今回は、大阪・樽井漁港の八千代丸に乗船し、実際に船長に教えてもらった釣り方をお届けしたい。

大阪・樽井漁港から出船している八千代丸
タックルと仕かけ
カットウ釣りのタックルだが、竿はカットウフグ専用ロッドが発売されているので、それがオススメだが、ない場合は船カワハギ専用ロッドでも代用できる。
リールは小型ベイトリール。タナは底なので、カウンターは必要ない。PEは0.8~1号でリーダーはフロロ3号、仕かけは各社からカットウフグ専用の仕かけが発売されているので、それを使用しよう。
オモリは、15~30号が基本だが、潮が緩い時やアタリが全く感じられない時は、オモリを軽くするのが効果的。そのため、5~8号も持っておくとよい。

オモリは中通しオモリを使用する。タイラバヘッドを代用している人もいた
エサはアルゼンチン赤エビを使用
カットウフグで使うエサは、アルゼンチン赤エビだ。
よくスーパーなどで見かける冷凍エビだが、フグには鮮度がよいモノがよいそうで、何度も解凍しているものや、解凍してしばらく経ったモノなどは、食いが落ちるようだ。
八千代丸で用意してくれているエサは瞬間冷凍しているもので、状態がよい。料金には5尾付いているほか、追加500円で7尾もある。エサの付け方だが、エビを身だけにして、ひと口サイズにカットしたものを針に縫い刺しする。
エビの横から針を刺す
アタリがあればスグに合わせることが肝心
①仕かけを投入
②サミングしながら、仕かけを底まで落とす
③着底したら糸フケを取る
④底をトントンするように誘ったり、竿をゆっくりと上下して誘う
⑤1分ほどステイ
⑥アタリがあれば、即アワセして、魚が掛かれば一定速度でリールを巻こう!
⑦魚が掛からなければ、④に戻って誘い直そう
フグは、いつの間にかエサが取られていることもある。そのため、ずっとステイしているのはよくない。誘いとステイをしっかり分けて、フグが食ってくる間を作ってあげよう!
また、この釣りの釣果を伸ばす上で大切なことが、こまめなエサのチェック。しばらくアタリがなくても、定期的にエサの確認をすることが大切だ。

フグが掛かれば、一定速度で巻き上げる。緩めてしまうとフグがバレてしまうことが多々ある
釣れたフグは捌いてくれる
フグには、種類によってさまざまな部位に毒があり、調理するには、フグの調理免許が必要となる。八千代丸では、船長がフグの調理免許を保持しており、釣れたフグは、帰港後に全て、”身欠き”と呼ばれる状態(内臓、頭、皮を取った状態)にしてくれる。
そのため、自宅に帰ってからは、下処理をする必要がなく、ブツ切りで鍋、薄造りにしてテッサを楽しむことができる。「帰った後に、下処理をするのが面倒だな」と思っていた方は多いはず。釣り人にとって有難いサービスを八千代丸ではやってくれる。
これから、さらに人気がでそうな”カットウフグ”。
面白い釣りなので、ぜひこの記事を参考に釣りに行ってみてほしい。
■取材協力:八千代丸