面白過ぎた「東京湾バチコンアジング」。
アングラー・橋詰大輔さんが魅せてくれたのは、「釣りってこう楽しむものだよね」という部分。個人的にはそれをスゴく感じて。
前回記事で紹介した通り、今回の東京湾バチコンアジングは渡辺釣船店(神奈川・新山下)から出船。エサ釣りであるLTアジ船との同船。
そもそもLTアジ自体が、従来の重いビシカゴから40号程度のビシでアジ釣りを楽しめるようにしてくれた、エポックメイキングな釣りで、今やすっかり定着した東京湾奥の顔。
しかし、東京湾バチコンアジングはさらにライト。PEラインは0.3~0.4号(太くても0.6号ほど)、オモリは渡辺釣船店でいうと15号(以上)。当たり前ですがコマセ・エサも不要。
やっぱり、圧倒的に軽いんですよね。もちろんタックルも超繊細。だからアタリがもっと分かる。いざ掛けたら、これまで以上にアジの引きが面白い。
ただし、数釣りでいうなら基本的にはコマセ釣りに分があって、東京湾バチコンアジングはLTアジより釣れる…とは言えない。
けれど、ボッコボコに差を付けられるかというと、そうでもない。これは橋詰さんの場合は…なのかもしれないけれど(笑)。言い換えれば突き詰める楽しさもあったり。
まずはこのワームはいかが?
さて、前回記事でも紹介したように、東京湾バチコンアジングは逆ダン仕掛けでワームひとつでアジを食わせる。
橋詰さんはカラーから種類から様々ローテする。それが釣果に導くキモでもあるんだけれど、今回はあえて、「まずはこれを使ってみて」的なワームをご紹介してもらうことにした。
月下美人アジングビームバチコンカスタム
それが橋詰さんにとってはダイワの「月下美人アジングビームバチコンカスタム」。
まずは簡単にスペックをご紹介。
出典:ダイワ公式
サイズ(inch) | 色数 | 入数(本) | メーカー希望本体価格(円) |
2.2 | 14 | 10 | 500 |
3 | 14 | 10 | 500 |
ダイワ公式「月下美人アジングビームバチコンカスタム」詳細ページはこちら
なぜお気に入りなのか?
先に述べた通り、実際には状況に応じて様々なワームを用いる橋詰さん。それでも軸になるのは月下美人アジングビームバチコンカスタム。
その理由は、扱いやすく食わせやすい、そんなシンプルにして大事なポイントを抑えているから!
形状を見てみると、先端部分の軸が太く、中央から後端にかけて急激に細くなる。
先端部分が太いことで、フックに刺しやすい。真っすぐ正確に刺せることでワーム本来の動きをしっかり出せるし、ハリ持ちもよくなる。
急激に絞り込まれて細くなっている後方は、フッキング時に折れ曲がりやすい。吸い込み系のバイトをするアジにとっては、フックがしっかり立って刺さる。
中央から後ろは軸が細くなるから、その分リブが深くなり、しっかりと水をつかむ。
基本的に大きな誘いよりは小幅な誘いを適度にかける東京湾バチコンアジングだが、小幅な誘いでもしっかりとアクションを出してくれるのが武器。
また、素材はエラストマーではなく塩ビ。これもフックの刺しやすさにつながっている。エラストマーはもちろん耐久性に優れるのだけれど、フックを刺しにくいのがやや難点。
バチコンアジングは揺れる船の上でジグヘッドにセットしなくてはならないので、こうした配慮はうれしいところ。
また、しなやかさもあるので良いアクションにもつながる。
味とニオイとカラーの豊富さ
形状的には、そんな特長を持つ月下美人アジングビームバチコンカスタム。
もうひとつアジを誘う要因として、アミノ酸特殊誘引成分「アミノX」を配合している点が挙げられる。
出典:ダイワ公式
アミノ酸に分類されるグルタミン酸・アラニン・アスパラギン酸などを凝縮したものが「アミノX」で、これがアジを誘う。
ナチュラルに漂わせながらもニオイで寄せられるのも強み。
さらに、カラーラインナップが豊富。これまでお伝えしてきた通り、コマセで寄せる釣りではないだけに、カラーは重要。橋詰さんのカラーローテは結構頻繁だ。その時々で「大当たり」を探っていく上で、全14色という豊富なカラーは武器になる。
以下が全14色のラインナップ(カッコ内は発光タイプを表しています)。
グローレモン(夜光)
クリアグロースポット(点夜光)
グローピンク(夜光)
ちりめんじゃこ(ケイムラ)
粒アミ(ケイムラ)
グローイソメ(夜光)
SGルミノーバ(ルミノーバ)
フルルミノーバ(ルミノーバ)
微弱グローオキアミ(夜光)
ケイムラMAXパープル(ケイムラ)
ケイムラMAXピンク(ケイムラ)
チャートドットグロー(点夜光)
ちらし寿司ドットグロー(ケイムラ+点夜光)
レッドグロー(赤色夜光)
発光タイプもケイムラ、ルミノーバ、夜光、点夜光、点夜光+ケイムラ、赤色夜光(レッドグロー)と充実しているから、ローテーションの中で、本当のヒットカラーを探りやすいという。

フルルミノーバ。高輝度夜光顔料である根本特殊化学「ルミノーバ」顔料を大量配合。夏場のニゴリが入った状況やディープエリアで他のカラーを凌駕するアピール力で絶大なる威力を発揮

微弱グローオキアミ。きわめて少量の夜光顔料を配合。ルミノーバや通常のグローカラーにスレたときにローテーションとして重宝する

ケイムラMAXピンク。ケイムラを大量配合した朝夕マズメに強いカラー。日中のわずかに紫外線が届くディープエリアでも効果を発揮する

ケイムラMAXパープル。ケイムラMAXピンク同様、ケイムラを大量配合した朝夕マズメに強いカラー。日中のわずかに紫外線が届くディープエリアでも効果を発揮する
カラーの考え方
以前の記事でも紹介したが、改めてカラー選びの考え方を簡単におさらい!
濁りの入っていることが多い日中の東京湾バチコンアジングでは、まず見つけてもらいやすいハイアピールなカラーは持っておいた方がよい。
橋詰さん的にはSGルミノーバ㊤とケイムラMAXピンク㊦は外せないサーチカラーで、軸になる色だという。
強いカラーを試してダメなら、少しトーンを抑えた色を。
それが例えばグローピンク㊤であったり、ケイムラ+点夜光のちらし寿司ドットグロー㊦だったりする。
それでも反応が乏しいようなら、例えば弱い夜光の微弱グローオキアミ㊤や弱いケイムラの粒アミ㊦などを試す。
また、差し色というかジョーカー的カラーというか、そうした色もひとつあるとイイ。写真はレッドグローなんだけれど、夜光だけど赤色の夜光となっている。こうしたちょっと違う色を持っておくと、そればかりにアタリが出ることもあるそうだ。
上記は分かりやすいように具体的なカラー名を出したけれど、カラーの選択はフィールド(特に海中光量)によって数多くある。
ただ、その時にやみくもにローテーションするのではなく、「強い色を試したから弱い色を…」とか「夜光系を試したからケイムラいこうか…」など、指標はあった方がよい。
こればかりは場数になってしまうけれど、状況とその時使った色を覚えておくと引き出しが増え、うまくハメられた時にはニンマリしてしまうのではないでしょうか。
