自分の身長よりもデカい魚を釣る”夢”をスペインで見事叶える

166.9cmのオキナワオオタチ(メガタチ)
釣り人生で、”自分よりも大きな魚”に何尾出合うことができるであろう。そんなことを考えたりもする。身長154cmの私は、まだ比較的、その夢を叶えやすいかもしれない。とは言え、そんな私でも今までで叶えたことがあるのは、166.9cmのオキナワオオタチ(メガタチ)と171cmのバラムツの2尾だけだ。
ある日、”世界最大級のナマズ”と言われる「ヨーロッパオオナマズ」の存在を知った。鳥を食べたり、人食い伝説まである怪魚だ。ナマズは、日本ではもちろん、タイでは、メコンオオナマズを何度か釣っている。ならば、ナマズ界のラスボスに挑戦したい! と私の夢が始まり、クラウドファンディングを行うことに。
クラウドファンディングは無事達成。皆さまの応援のおかげで、夢を叶えるための切符を手に入れることができた。しかし、コロナ禍で延期に。そこから待つこと3年、いざスペインへ! 目指すは、身長超え! いや、2m越えの「ヨーロッパオオナマズ」だ。
関空-羽田-ドバイ-バルセロナ。さらに、空港から車で走ること数時間。目的地はアラゴン州「カスペ」。地中海に注ぐ、エプロ川という大きな川だ。サイズを狙えるが、釣れない可能性が高いポイントか、大きくはないが(アベレージ20kg)釣れる可能性があるポイントか。後者の選択をすることにした。時期的にも、産卵が終わり、回復のための捕食が多くなってくるので、よいタイミングのはず。
肝心のロッドは、岩を回避するために長めのロッド、GTロッド8ft以上のものがよいと聞いていた。パワーはもちろん、高負荷時の粘り強さ、仕舞い寸法(飛行機の荷物制限があるため)を考慮し、「ラグゼ ショアゴリラR/がまかつ」の「100XH」と「100XXH」の2機種を持参することに。
仕かけは、ペレット3個付け。転がっている1kgぐらいの石をオモリにする。石だと、外れた時も自然に優しい。竿に鈴を付け、魚がアタれば、鈴が鳴る。開始から2時間半、鈴が鳴り出し、竿先が激しく叩き出した。
キタッ! 糸のたるみを取り、思いっ切り合わせた。41度の炎天下でのファイトが始まった。油断すると走られる。気を抜けば、体を持っていかれそうだ。重心を落とし、ポンピングで巻き上げてくる。約15分のファイトの末、姿を見せたのは、恐竜のような存在感。大きな夢は余裕で越え、なんと2m34cm(74kg)の「ヨーロッパオオナマズ」だ。
大きなボディにつぶらな目。横に開く大きな口。顔は日本のナマズに似ているが、厚みがある。感動と感謝で涙が出た。日本人女子が釣ったのは、おそらく私が初めてであろう。
調子に乗って、さらに目標を100kgに更新したが、釣れたのは、5kg、20kg、40kg。14kgのコイが1尾しか釣れない日もあったが、初日に目標を達成できたので、リラックスして挑めた。
今回の釣り旅で痛感したことがある。それは、”いくつになっても夢は叶うものだ”と言うこと。そして、それが「釣り」である!