
菊池 雄一(きくち ゆういち) プロフィール
皆さま、こんにちは。今回は「落とし込み釣り」です。
落とし込みとは、食物連鎖を生かした釣りの1種。この釣りは青物などの大型の魚を狙う釣り方で、エサとなるイワシやアジの反応を探し、そこへサビキを投入し、エサが針に掛かれば底付近にエサの付いたサビキを落とし込み、そこへ青物やヒラメ、根魚などが食い付く釣り方です。
また、ここでの多くは通常のサビキ釣りとは異なり、アミエビを撒くこともないですし(一部のエリアではアミエビを撒いてエサを掛けることもあります)、竿を上下に誘って釣るようなこともありません。
ちょっとかわった釣り方になります。そんな「落とし込み釣り」をピックアップ!
今回のお題
落とし込み最盛期突入! ~基本のテクニック習得術~
例えば、水深80mでベイト(エサ)の反応が40~60mだとすれば、サビキを落とし込んでいき、ベイトを掛けます。
上から下の釣りです。イメージできますかね?
落とし込んでいく際には、①フリーフォール、②テンションフォール、③サミング(ストップ&ゴー)の順で誘います。
①から1番よく掛かる釣り方で、掛からない際に②、③と展開していきます。
ベイトが掛かれば、反応の切れ目(60m付近)、もしくは80mの底付近で、本命のアタリを待ちます。
本命の食い気が立っている際には、ベイトが掛かってすぐに、もしくは狙いのタナに付いて、すぐにロッドが舞い込むことも、よくあります。
ここで少し冷静になって考えてみると、エサが掛かる針で、本命も釣り上げることができる針、仕かけとは、一体どんなモノなのでしょうか?
実際、小さい針、線形の細い針を使えば、エサはよく掛かりますが、本命が掛かってもパワー不足のために、針が折れる、伸びる、ラインが切れるなどで、釣り上げることができません(針サイズと同様で、ラインを細くすればするほど、エサの掛かりはよくなります)。
ベイト(エサ)を掛ける技術、そして本命を取り込む技術、針、仕かけのチョイスの判断が、この釣りの難しさであり、醍醐味でもあります。
①イワシ…身が柔らかく、ベイトの中での最高種です。
中でもウルメイワシ、マイワシなどは動きも鋭く、より最高です。
カタクチイワシは弱るのが早いので、上記に比べ、少し劣ります。
②アジ…こちらもオススメのベイトです。
中でもマルアジ(青アジ)やムロアジは、中層でよく暴れる性質のアジであるために、最高です。
逆にマアジは針に掛かった後、底付近でジッとすることが多いアジなので、上記に比べ、少し劣ります。
③その他…サバやイサギなどもベイトになることもあります。
まず、私は絶対に電動リールをオススメします。
なぜならば、ベイトを掛ける際に、誘いの回数が手巻きに比べて、圧倒的に違うからです。
ロッドですが、落とし込み専用が間違いなく1番よいと思います。
ベイトが掛かっても分かる穂先、本命が掛かった際の曲がり、トルクなどを考えても、専用ロッドが欠かせません。
①ベイト反応があるレンジを正確に知る
船長の指示ダナを守れば問題ないのですが、例えば、指示ダナが45~65mだとすれば、35mからフリーフォールで仕かけを落とし、45mを通過時には全速のスピードで落ちることが理想です。
ベイトが掛かる状況が続くようであれば、狙いのタナに着いて1~2分を目安に、ヒットがなければ、弱ったベイトで待つのではなく、元気な新しいベイトを積極的に掛けにいってください。
②船中におけるチームプレー
釣果を伸ばすためには、ベイトの掛かるタナの共有や、本命が掛かった際には、ほかのアングラーの仕かけを回収することで、オマツリが軽減され、取り込み確率が上がります。
③とにかくベイトを大切に
サビキに掛かってからは、優しくポイントまで送ってください。
また、ボトムに急に落とさず(オモリがボトムに付く反動でベイトが外れる、弱る)そっと置くだけでも、釣果がかわります。
④本命を想定したタナで待つことが重要
カツオ、サワラなどは中層で掛かることが多いです。
逆にカンパチ、ヒラマサ、ブリ、ヒラメ、根魚などはボトムでのバイトが多いです(活性が高い場合は、青物も浮いたタナで食います)。
ちなみにカンパチ、ヒラマサの場合、ラインを出すのはNG。掛かった瞬間、ドラグはフルロックでアングラー側に主導権を持たせ、強引にボトムから10m離すことができれば、取り込み確率が上がります。
⑤針、ラインの選定、見極めの重要性
基本、太めの大きな針をオススメしますが、ベイトの掛かりが悪い場合は、針を軽く、ラインを細くすると、より掛かります。
サビキ仕かけのため、通常のラインの強度に比べて7割程度のパワーであると、推測しておいてください。
また、ハリス(エダス)の長さも重要です。短ければ短いほど、ベイトが掛かりますが、本命が掛かった際の取り込み確率は下がります。
落とし込み実釣
長崎県・五島列島沖を堪能してきました!
2日間のメインの水深は60~80mラインでした。
初日は1投目からメガトルクを堪能。
77~96cmのヒラマサを10尾、カンパチ、サワラ、マダイ、アコウなど、高級魚のオンパレード。
2日目はサイズ狙いに絞り、104cmのヒラマサ!
ボトムの形状を把握し、ボトムから何m上げてアタリを待つかかが鍵です。
私の場合、手巻きで10mファイトした後、電動リールでやり取りを開始し、そこからはドラグ調整をしながら、口切れバラシをさせないように心掛けています
・ロッド:ゴウイン落とし込みシリーズ
・リール:シーボーグ300J(内海仕様)、シーボーグ400J(外海仕様)
・ライン:UVF PEデュラセンサーX8+Si²・3号(内海仕様)、5or6号(外海仕様)
・仕かけ:快適落とし込み仕掛けSS LBG 剛鋭イサキ5本、4本ショート
