アジって日本人には超ポピュラーな魚のひとつ。料理法も、刺し身やタタキ、塩焼きに干物、小型のものは南蛮漬けなどと多彩で、しかも美味い。
各地ともにサビキの好シーズンを迎えており、波止は豆アジや小サバ、イワシなどを狙ってサビキを楽しむファミリーでいっぱいだ。
そんな中、ちょいと予算をアップすれば、周りに気兼ねせずにアジ釣りを楽しめるスポットがある。そのひとつが、福井県小浜湾の仏谷の筏。
陸っぱりの波止釣りと比べると、筏に渡るので渡船料金は多少かかってくるが、それを補って余るほどの魅力もある。

小浜湾仏谷の双児島の筏風景
筏のアジ釣りの魅力
①釣れる魚のサイズがアップする
現在、各地の波止では豆アジ、小サバ、イワシなどが釣れている所が多いが、ここ仏谷の筏で釣れるアジは20cmどころか30cmオーバーもコンスタント。小さくても波止ではMAXサイズの20cm前後、メインは20~25cmの良型が釣れる。
②周りに気兼ねなく、貸し切りで楽しめる
人気の波止では、釣座をキープするのにもひと苦労の場所取り。それが筏なら予約制なので予め自分の場所がキープされている。しかも、単独の1人釣行なら相乗りがある場合も稀にあるが、複数での釣行なら基本的に筏は貸し切り。気の知れた仲間で場所取りも不要で気兼ねなく楽しめる。
③波止に比べて水深があるので日中でも投げなくてOK
波止で釣っていると、日が高くなれば竿下ではなかなか釣れにくくなる。これはアジがやや沖目を回遊し始めるからだが、そんな時は飛ばしウキを使って少し沖を狙うのが波止での釣り方。だが、筏は波止に比べて足元から水深がある所が多いので、投げる必要なし。マキエさえ継続しておけば、投げる必要なく常に竿下に仕かけを下ろすだけで釣れる。
④狙える魚種が豊富
筏は沖に浮かんでいるので、波止に比べて水深があり、潮の流れもある所が多いので、狙えるターゲットが豊富。サビキ釣りにもヒットしてくることはあるが、仕かけをかえて狙えば、アジのほかにも、タイやチヌ、ヒラメ、スズキ、サワラ、キスなど多くの魚が狙える。
と、まあ簡単に挙げてみても、筏からアジを狙うメリットはこれだけでも十分すぎるほど。中でも、大きい魚が狙えることと、気兼ねなく楽しめるのは抜群の魅力だ。
ここ最近の仏谷の筏の釣果を見てみると、

7月14日の堀井氏の釣果

7月15日の高橋氏の釣果

布村氏の釣果はマアジ32㌢頭に73尾
7月14日は1人でマアジ20~32cm40尾、15日は1人でマアジ23~35cm38尾、少し遡れば1人でマアジ23~32cm73尾の日もある。
これらは全て、仏谷の双児島筏での釣果。双児島の筏は、仏谷の渡船区の中でも1番沖に面しているので、水深があって潮通しもよくて、アジの回遊コースになっている。それゆえに型のよいアジが釣れるのだ。
仕かけは、サビキ仕かけで波止で狙うよりもサイズがアップする分、針のサイズは8~9号程度がよく使われている。オモリは20号がメイン。マキエカゴは、水深があるので波止で使うフタのないモノではなく、タナでしっかりとマキエができるようにフタのあるマキエカゴがオススメ。エサは、マキエはアミエビだが、良型をメインターゲットにしているため、針にはオキアミを刺して狙う人が多い。

筏や船などのサビキ釣りで使用する蓋付きのマキエカゴ
あと、持参しておきたいものとしては、タモ(魚をすくう網)。20cm前後だと不要だが、筏では30cm前後の良型もまじってくるので、タモがなければ悔しい思いをすることも多々。アジは口が切れやすく、良型を抜き上げると魚の重みで口が切れて落ちるのだ。
筏釣りの魅力は十分に分かるけど、船など沖に浮かぶものに乗ると船酔いの心配が…、という人も中にはいるはず。そんな方には、沖に浮かぶ双児島筏ではなく、小浜湾内の最奥に近い児島筏がオススメ。こちらは湾内のさらに内湾になるので、揺れはかなり軽減され、酔いやすい方にもオススメの釣り場だ。

小浜湾仏谷の児島筏の風景、波静かで初心者やファミリーも安心
児島筏は水深が4~5mと浅く、アジのサイズは沖の双児島筏に比べて小さくなるものの、現在釣れているのは15~24cmがアベレージで波止に比べると、まだまだ大きいのが期待できる。しかも、こちらは安定感がハンパなく、連日3ケタ前後の数釣りが期待できるそうで、釣れた小アジを泳がせればヒラメもチラホラまじってくるとか。

児島筏で上がったヒラメ48㌢、ほかにアジ14~24cm120尾
普段は陸っぱりからしか狙わない釣り人からすれば、プチ贅沢な筏のアジ釣りだが、その魅力は十分。この夏のサビキ釣りは筏からがイチオシです!!