春アオリのバラシを激減させる「YSW(やる気スイッチ)釣法」とは?

寄稿:あおりねっと 田中徹

みなさん、こんにちは!

アオリイカ専門ブランド「あおりねっと」代表の田中 徹(とおる)です。

私はとにかく、エギング、ヤエン、ティップランなど釣種にこだわらずアオリイカ釣りに没頭。アオリイカ釣りを突き詰めた結果、会社を立ち上げるほどのイカ好きです。

さて、今回紹介したいのは、私がヤエン釣りでバラシを激減させるために開発した「YSW(やる気スイッチ)釣法」です!

YSW(やる気スイッチ)釣法とは

この釣法はアオリイカの習性を利用し、バレるリスクを回避しできるだけ単純にしたもの。

文章で書くとどこから説明すればいいか難しいですが、まず前提として「春シーズンの親イカを獲るため」の釣法です。秋シーズンはあまり使いません。

春アオリをバラしてしまう理由は大きく3つ

春のシーズンは下記のような状況が頻繁にあり、せっかくアタリがあったのにバラしてしまうことが多いと思います。

Aパターン

アジを抱いたイカに、ジージージーやチリチリとラインを出されてなかなかイカが止まらず、そのうち藻場かシモリ(岩礁)に逃げ込まれ根がかり状態になる。もしくは沖に出過ぎて難儀する場合。

Bパターン

寄せに入ると強く引き込まれ、慌ててドラグを緩めてラインを出したのにアジを放されてしまい追い乗りがない場合。

Cパターン

かなり沖で乗り(又は、沖に出ていき)早めにヤエンを入れたがヤエンがイカまで届いたのか分からず、寄せに入ると途中で放されてしまい、急いでヤエンを回収して齧られたアジを再投入するも追い乗りしない場合。

この3つのパターンのバラシをカバーするとゲット率(捕獲率)が上がるのでは? と考えたのがYSW(やる気スイッチ)釣法を編み出すキッカケです。

YSW(やる気スイッチ)釣法のやり方

①ドラグは締めてファイトする!

アタリにはいろんなパターンがありますが、大型の親イカはチリチリとホバーリングしながら安全な場所に逃げ込みます。それを止まるまで放ってしまうと藻場やシモリ(岩礁)に逃げ込まれ根掛りに繋がります。

そこで重要なのは、逃げ腰にならずドラグを締めること!

アタリから約30秒~1分待って竿を体の横に持っていき(イカに対して90度)ドラグを締めて竿で寄せます。

竿は最大にしならせ、体の後ろの方にいっている状態です。

すると、イカは必ず抵抗します。すごい引き込みです! が、ドラグを一切緩めずラインを出してはいけません!

竿のしなり(弾力)だけで耐えます。通常3~4回の強烈なジェット噴射がありますが必死に耐えます!

②アオリイカの「やる気スイッチ」が入る

この時にアオリイカの「やる気スイッチ」が入ります!

通常ならアジを放されると思い、慌ててドラグを緩めてしまいがちですが、実際のところはイカは見切って放す原因になってしまうことが多いです。もしくは、止めどなくラインを出されて沖に出られ根掛かりしてしまいます。

ここでドラグを締めて抵抗を与えることで、イカは獲物に執着心が湧き、完全にスイッチが入れば放さないでそのまま素直に寄ってきます。

ヤエン釣りをしている方なら、イカのアタリを外道と間違えて強引に寄せたことないですか?
その時、グイグイ寄せても目の前までアジを放さないことが多くありませんか? それと同じです。

また、スイッチが入っていればアジを放したとしても何度も追い乗りをしてきます。(3~4回は追い乗りしてきます。)
ただし、やる気スイッチが入り切っていない時は追い乗りがない時もあります。

根に擦れている時はワザとアジを放させて、追い乗りさせるのもテクニック。私は放されて何度も追い乗りしてきた個体の方がやり易いですね。

③ドラグを締めたまま、リールで寄せる

ドラグを締め、竿を最大にしならせたままリールで巻き寄せに入ります。

経験上、ここまでくると、なぜか引き込み(ジェット噴射)が少ないですね。あったとしても、イカが獲物を取られまいと必死に抱いています。

ここで重要なのは、自分の射程圏内まで寄ってくるまでヤエンは入れないこと!

目安は目の前の約10~15mくらいまでです。(私の場合はイカが水中にぼ~っと目視できるまで寄せてきます)これは確実にイカを獲るためです。

④ラインテンションを少し緩めてヤエンを投入

ようやくここでヤエン投入です! ここまで寄せてくると、ヤエンはすぐに到達します。

ここで注意が一点!

イカまでの距離が近い分、ラインにテンションを張り過ぎると早い速度でイカに激突して、アジを放す場合があります。そうなってしまうと致命傷。追い乗り率もグッと下がります。

なので、少しラインテンションを下げて送り込みましょう

距離が近いので、多少ラインテンションが緩くてもすぐにヤエンが到達します。到達すれば、またラインを最大に張って(竿を最大にしならせて)寄せてきます。

⑤ヤエンの到達後はラインを緩めない!

ここで絶対ラインを緩めないこと!

ラインテンションを張ることで、いつアジを放しても「向こうアワセ」で掛かる状態にしておきます。

⑥掛かっているかを必ず確認する

浮上してくると強烈なジェット噴射があります!が、でもヤエンはまだ掛かっていない場合がほとんどです。

と言うのも、スイッチが入っているイカはアジを簡単には放しませんので、なかなか掛からないんですね。ほんと、ビックリするほど放しません。

掛かっているかは、下記の2点で確認できます。

①水中で墨を履いているか?
②アジを放しているか?

この2点どちらも確認できなければ、アワセが必要です。

この時、スイッチが入ってるイカは軽いアワセではアジを放しませんので、思いっきりアワセてくださいね!

アワセが成功するとイカが必ず墨を吐きます!

⑦取り込みは慎重に

ここでようやく取り込みに入ります。

タモの場合はイカの後ろから、ギャフの場合は必ずエンペラーに掛けてくださいね。

これで無事、バラすことなくゲットです!!

Let’s YSW(やる気スイッチ)釣法!

YSW(やる気スイッチ)釣法は、アオリイカとの駆け引きも相まって、真っ向勝負に勝った気分になりますので楽しいですよ。

以上、簡単ですがYSW(やる気スイッチ)釣法について説明しました。

最後に、当たり前ですが必ず獲れる釣り方ではありません。

特に初心者の方は、ロッドワークや竿の性能を最大に活かすことが難しいので、逆に失敗してしまうかも?

ただ、この時期の藻場近くで大型モンスターを狙うと、モタモタしている間に藻に逃げ込まれます。できるだけイカに猶予を与えず、ラインを出さずに釣り人が有利になる釣法です。

バラしても責任は負いませんが、ぜひ一度やってみてはいかがでしょうか!(笑)

筆者のタックル

■ロッド
磯:アオリライドヤエン360MH ARY36MH
筏:アオリライドヤエン270MH ARY27MH
ボート:アオリライドヤエン360MH ARY36MH
■リール:レバーブレーキ付きリール
■ヤエン:「沖掛けヤエン」もしくは「フッカーヤエン

私も最近使っていますが、YSW釣法はレバーブレーキ(LB)リールがオススメです。

急激な引き込みでも瞬時にラインを出せるのと、寄せのときにテンションを掛けながら寄せることがやりやすいですよ!

あおりねっと プロフィール

1999年創業、大阪府堺市に拠点を置くフィッシング&アウトドアギアメーカー「T2企画」が手掛ける、イカ釣り関連ブランド。エギング、ヤエン釣り、イカメタル、ティップランなど、あらゆるイカ釣りにまつわるタックルや便利アイテムを続々と開発、輩出中!

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