夏に近付き、海水温が上がってくると、海の中の魚も活発にエサを食い始めます。
これは本命魚、エサ取りなども含めて同じ。そうなると、夏の釣りはエサ取り対策が必要になってきますね。
船釣りでは、そんな季節に威力を発揮するのが「完全フカセ釣り」。
ラインと針にエサだけのシンプルな仕かけで、潮に乗せて仕かけを流し、マキエと同調させて食わせる釣りです。
船釣りで使われる天ビンズボや胴突き仕かけでは、タナを直撃する釣りですが、エサ取りが多い時期にはいくらタナを上げてもエサ取りが付いてくることも多々。そんな時はポイントから離した場所にアンカーを掛け、マキエで本命魚を寄せる完全フカセが効果的です。
また、この釣りの魅力は、その“アタリ”。スルスルと潮の流れに引っ張られて出ていたラインが、急にシャーッと走り出す瞬間はドキドキもの。これがヒラマサなどの大型魚なら、もう「何が掛かったの?」と思うぐらいジャーッと勢いよく出たりもします。
先日出掛けた京都・冠島周辺では、乗っ込みマダイをはじめ、ヒラマサやメジロ、イサギなどの活性も上昇中。完全フカセ釣りが面白いシーズンに突入しました。
ここでは、そんな冠島周辺の完全フカセ釣りのタックルや仕かけ、釣り方など、基本的なことを紹介。初めてでも、道具立てさえあれば、あとは船長のアドバイス通りに従うだけで大物が釣れる魅力の釣り。ぜひ体験してみてください。
舞鶴沖~冠島周辺のポイント
フカセ釣りのメッカ、若狭湾には好場が多数存在しますが、今回出掛けた京都・西舞鶴のV7がメインで狙っているのは、丹後半島から冠島周辺にかけて。
この時期は、乗っ込みのマダイや青物(ヒラマサやメジロ)、イサギが釣れるので、冠島周辺を中心に狙っています。ポイントは瀬もあれば、魚礁もありますが、その都度、船長が流す目安を教えてくれるので、初めてでも安心。当日は、船下で水深50~75mラインを狙いました。
タックル&仕かけ
フカセ釣りのロッドは、ラインがスムーズに出やすい外ガイド式がマストです。
長さは3~3.6mのオモリ負荷50号前後が目安で、しなやかに曲がり込んで、やり取りもしやすいマダイ竿を使う人も多いです。
リールは、スプールの回転が滑らかなフカセ釣り用の電動リールが便利でイチオシ。
リールによっては、アタリがあれば自動的にクラッチが入るタイプのモノもあるので、それらを使えば、慣れない人でもバックラッシュなどの心配は無用です。
ラインはフロロカーボンの6号が基準。潮が緩いと、ヒットポイントは近くなりますが、速い場合もあるので300mほど巻いておけば安心です。
仕かけは、市販のフカセ仕かけでOK。マダイや青物の大型もヒットするので、ハリスは最低5号以上。ヒラマサやブリ、メジロなどの青物がよく釣れる時は7号程度のモノを使うとよいです。
仕かけの全長は、10mが船長のオススメです。当日は6~10mの2、3本針仕かけを使いました。
また、当日の竿頭の人は途中から潮受けゴムを使用。潮の緩い時にも、しっかりと潮を受けてくれるので、仕かけが馴染みやすくなるので、タックルボックスに忍ばせておけば、引き出しの1つとして使えます。
エサはマキエとサシエ、どちらもオキアミを使用します。
オキアミは、尾バネを取って抱き合わせで付けます。
少し大きめの針を使う時は、アピール力とエサ持ちを高めるために、3匹付けにすることもあります。
釣り方:マキエを切らさず少量ずつ撒く
完全フカセ釣りの基本的な釣り方は、以下の通りです。
①仕かけ投入前に、マキエのオキアミを杓で数回撒きます。
②リールのクラッチを切って、先針から絡ませないように仕かけを入れていきます。
③仕かけの結節部分(市販品ならサルカンやスナップが付いている)まで下ろせば、仕かけが流れやすいように、リールのラインを手で引き出し、竿をアオって糸を送ります。
引き出し量は、潮の速さやポイントの遠近によってもかわりますが、当日は潮が緩く、ポイントも近めだったので20m引き出しました。
④ラインを引き出せば、竿は竿受けに置き、杓でオキアミを1匹か2匹ずつを間断なく撒き続けます。
⑤アタリがなく、船長の指示ダナまで流せば、仕かけを回収して繰り返しです。
アタリがあれば、ラインがシューッと速く引き出されるので、まずはクラッチを入れてから竿を起こします。
この時、フカセ釣り用の電動リールなら、「ピピピッ」と言うアラーム音と同時に、自動的にクラッチが入るのでバックラッシュの心配も少なく安心です。
あとは竿を立てて竿の弾力を生かし、ドラグ調整や巻き速度調整をしてやり取りを楽しみましょう。
ヒラマサやメジロ、マダイにイサギなど、嬉しいターゲットが多彩に釣れますよ!