【船タチウオで釣果を伸ばす一手・深追い掛け釣法2025ver.】止めてアタリをだす「静」の釣りと、動かしながらアタリをだして掛ける「動」の釣りが融合

タチウオ特集

菊池 雄一(きくち ゆういち) プロフィール

「きくりん」の愛称で親しまれ、船タチウオテンヤ、落とし込み、ノマセ釣り、イカ(イカメタル・オモリグ)、タコなど、春夏秋冬の旬の釣りを楽しむ、マルチアングラー。ホームエリアは関西ながら、関東在住の環境を活かし、積極的に開拓中。大阪湾タチウオKINGバトル2016準優勝、タチウオKINGバトルチャンピオンシップ3位。ダイワスタッフ

船のテンヤタチウオ釣りは、タックルの進化とともに、その釣り方も旧来とは一変し、全国各地でいろいろな釣法が生まれています。

そして、それがエリアに合った釣り方なら、コンスタントに好釣果を上げることができるのも当然です。

そこで気になるのが、よく釣る人、いわば「名手」と呼ばれる人たちの釣り方。

偶然、同船しても釣座が隣同士にならない限りは、なかなかじっくりと観察できないですよね。

ここでは普段、見ることができないテンヤタチウオの名手の釣りを、タックルから釣り方までを紹介します。

今回はあらゆる釣りに精通し、船テンヤタチウオでは【深追い掛け釣法】の名手である、ダイワスタッフの菊池雄一氏の釣りにスポットを当てました。

深追い掛け釣法とは?

深追い掛け釣法は、その釣り方の呼称に「深追い」と入っているので、「タチウオに長い距離を追わせて掛ける」というイメージを持っている方もいるかもしれません。

菊池氏は言います、「場合によっては、結果的に長い距離を追わせることもありますが、初アタリからほんの一瞬、距離にして数10cmほどテンヤを移動させただけで掛けることもあります。勘違いしてほしくないのは、この釣り方は距離を追わせるのではなく、掛けやすいアタリへと導く釣り。初アタリ直後に追わせてでたアタリが、しっかりと掛けられるものなら、そこで合わせることもあります」。

この釣りの詳細は以前にも紹介していますので、こちらもご覧ください↓

船テンヤタチウオ上級者へのステップアップ、名手の爆釣メソッド!! 菊池雄一【深追い掛け釣法】

旧来の深追い掛け釣法は、テンヤを止めてアタリをだして追わせる考え方でしたが、菊池氏曰く「従来の釣り方にプラス、関東でのバイブレーションやトゥイッチを入れながらの深追いさせる釣り方もある」とのことで、今回は動かしながら、ラインも巻きながらの深追い、2025年度版の菊池氏の深追い掛け釣法を紹介します。

進化した深追い掛け釣法

動かしながら初アタリをだす

「動かしながら深追いさせる」、菊池氏は、東京湾などで盛んに行われているバイブレーションやトゥイッチを取り入れました。

電動リールは、常に微速で巻き上げた状態(当日はダイワシーボーグ100Jの巻き速度7、8程度)で、ノンストップのバイブレーション、あるいは少し振り幅の大きいトゥイッチを入れて誘います。

菊池的トゥイッチ&バイブレーションの違いは、

・トゥイッチ…ロッドの曲がりとラインスラッグを取りながらの連続シャクリで、テンヤの動きはソフトなロールアクションを演出。

・バイブレーション…ラインスラッグを取らずに、糸を張りながら速く小さい幅の誘いで、テンヤの動きは激しいロールアクションを演出。

ノンストップのトゥイッチで誘うと、テンヤが横にローリングしながら上がっていくので、より広範囲のタチウオにアピールできるそうです。

これを初アタリがでるまで誘い上げ。

時にピタッと止めて、メリハリを付けることもありました。

この動かしながらの釣りで、穂先のモタレを意識する釣りでアタリが分かるのか?と思いますが、菊池氏は使用する「極鋭タチウオテンヤSP EX82S-177に搭載されたSMTの感度が、テンヤを動かす重さにプラスして、タチウオがアタッてくるのが分かる」と言います。

アワセのタイミング

当日も仕かけを動かしながら「アタッた」と言った後も、そのまま誘いを続けながら、やがてSMTの柔軟な穂先がバイブレーションの最中にグッとモタレて引き込まれました。

このタイミングで合わせます。

すると、しっかりとフッキング。

ステイでアタリをだし、ハンドルを巻いて追わせた状態と同じように、上がってきたタチウオは側面に針がしっかりと掛かり、バラしにくい状態。

正に、動かし続けるノンストップ深追い掛け釣法でした。

初アタリ後は、状況を見て2パターンの深追い

この動かしながらアタリをだす深追い掛け釣法ですが、菊池氏は「アタッた後の動作には、2パターンある」と言います。

1つは上記したように、そのままバイブレーションやトゥイッチを続けて、モタレた穂先が入るアタリで合わせるパターン。

もう1つは、動かしながらアタッた時点でバイブレーションやトゥイッチを止めて、従来のように追わせてモタレのアタリへと導くパターン。

菊池氏は当日、どちらも実演し、静と動のどちらのパターンでもアタリをだして深追いさせることが可能になった、進化した深追い掛け釣法を見せてくれました。

タックル

菊池氏のタックルは、ダイワの極鋭タチウオテンヤSP EX82S-177にシーボーグ100Jです。

極鋭タチウオテンヤSP EX82S-177

感度抜群の柔軟な穂先、SMTを搭載し、菊池氏の釣りのキモとなるモタれアタリがハッキリと分かる、深追い掛け釣法にベストマッチする竿。

穂先は柔軟に、穂持ちにはパワーを持たせて、タチウオが追従する絶妙なテンションを実現した82S調子です。

穂先にテンヤの負荷を掛けて、その曲がりを生かしてモタレのアタリを感じるので、常にラインを張った状態で、穂先は水平より上の高めの位置に構えると、アタリも分かりやすいそうです。

「極鋭 タチウオテンヤSP EX82S-177」の詳細ページはこちら

シーボーグ 100J

ダイワの電動リール史上最軽量の自重は375gで、サイズも超コンパクト。自重87gと、こちらも軽い極鋭タチウオテンヤSP EX82S-177とのタックルバランスもバッチリです。

トルクと瞬発力を兼ね備えたMAGMAXモーターで、デッドスローから微速巻きなどの誘い、回収時の高速での巻き上げもハイパフォーマンスで、船テンヤタチウオに最適な小型電動リール。

JOGパワーレバーは瞬時の加減速も指1本ででき、タチウオの急激な引き込みや食い上げにも対応しやすくなっています。

「シーボーグ 100J」の詳細ページはこちら

「静」と「動」の釣りを融合させる

旧来のステイでアタリをだす深追い掛け釣法を「静」、バイブレーションやトゥイッチを入れて誘う動かしながらの釣りを「動」とするならば、菊池氏はこれらを使い分け、あるいは融合させて釣っています。

実釣日も釣り開始時は、ジャーク&スローやステイでタチウオのタナや反応を探る「静」の釣り、途中でノンストップのトゥイッチで誘う「動」の釣りに切り替えたりしていました。

新たに加わった「動」の釣りの出番を聞けば、「大阪湾の場合は、ジャーク&ステイやストップ&ゴーでアタリがでない時、あるいは逆に高活性な時、さらには大型タチウオに捕食スイッチを入れたい時などに、アタリをだす一手として使ってみてほしい」とのことです。

釣果アップのために

テンヤタチウオはパターンを見付けて、それを再現して狙うと連続ヒットも可能な釣りです。

菊池氏は、深追い掛け釣法を実践しながら、「トゥイッチの強さ、止めの間、巻き上げ速度など、今している誘いやステイ、速さという自分の釣りを把握することが大事」と言います。

それを踏まえて、同じパターンで2、3度試して、アタリがでなければ、何か1つを変える。

1つと言うのは、1度に複数を変えると、何がよいのか分からなくなるからだそうです。

その変えるものとしては、誘い、テンヤのカラー、テンヤの形状(フックやシルエットの大きさなど)、エサを挙げました。

また、タナを探っていて、潮の重さを感じる「潮境」は狙い目のタナになるので、集中して狙うとヒットに繋がりやすい、とアドバイスしてくれました。

 

各個人には自分に合った釣りスタイルがあると思いますが、名手の釣り方を参考にするのもステップアップへの近道。

ワザの引き出しが多ければ多いほど、いろいろな状況に対応ができて、釣果アップも可能になりますよ。

当日の菊池氏の実釣シーンは、こちらをご覧ください↓

ダイワ(DAIWA)

1958年の創業、リール、ロッド、ルアー、用品などあらゆる釣り物のフィッシングタックルを扱う総合ブランドとして、国内、海外に多くのファンを抱えている。ジャパンクオリティの品質の高いアイテムを日々開発、その過程で、世界初となるテクノロジーも数多く輩出している!

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