どんな釣りでもそうですが、釣れる人、釣れない人っていますよね。
特に、周りはそれほどでもないのに、特定の人だけ入れ食いってこともあります。
この差って、いったい何なんでしょう?
魚たちに聞けないので分かりませんが、その時のエサや仕かけ、誘い方、タナなど、ターゲットにとっての捕食スイッチが入るパターンになっていると、釣れ続くのだと思います。
船釣りで隣で入れ食いで釣れていても、自分には釣れない、そんな状況を経験したことありませんか?
船釣りの場合、場所の差はナシに等しい隣同士なら、ターゲットが自分の仕かけの周りにもいることは確実。でも、釣れない。
そんな時、釣れている人はその時のパターンを掴んでいるんです。
パターンが合えばキスが入れ食い!!
今回は、先日訪れた兵庫県家島沖のキス釣りで、竿頭に聞いた攻略パターンを紹介します。
ズラリと並んだキス。50尾にわずか1尾足らない49尾でしたが、ブッチギリでこの日の竿頭。
当日のヒットパターンを伺いました。
すると、「波気があった朝イチからの前半と、凪いできた後半とでは、パターンがかわった」と言います。
船のキス釣りは、潮や風で少しずつポイントがズレていくので、オモリで底を小突きながら誘いを掛けていきます。
竿頭の話では前半の誘いパターンは、「オモリで底をトントントンと連続で小突いていると、その小突いている途中にブルルッとアタってくることが多かった」とのこと。
「誘い幅は穂先のみで誘うように小さく、小突きの速度はトントントントンとリズミカルに速め、ステイは入れずにずっと動かしているのがよかった」そうです。
釣りはパターンにハマると、連続で釣れ続くことも多いですが、潮の動きや色、波気のあるなし、海中の明るさなど、いろんな条件に変化が出ると、そのヒットパターンもかわります。
この日も後半は、朝からの連続小突きではアタリが間遠くなったそうです。
そこで後半は、アタリを引きだすために誘いの幅、速度に変化を持たせていくと、再びアタリが続くパターンを見付けたそうです。
それが、「誘い幅を30~50cmと大きめにして、誘う速度もゆっくりに。これでトーン、トーン、トーンと3~5回小突き、最後に竿先をスーッと上げてオモリを底から20~30cm浮かせたイメージでアタリを待った」とのこと。
「ステイは5~10秒ほど取り、仕かけが馴染んだ頃にアタリがよくでた」そうです。
後半は全体的にキスの食いが立って、皆がコンスタントにキスを上げていましたが、竿頭はこのパターンでアタリが連発。1人だけアタリがでる頻度が圧倒的で、2番竿以下に大きく差を付けた好釣果を上げていました。
「キス」と言えば、エサは石ゴカイを思い付く人が多いと思いますが、家島沖ではどちらかと言うと、青イソメが主流の釣り場。
この日も両方を持参して、使い比べている人もいましたが、結果的には「青イソメの方が食いがよかった」と言う人が多かった印象です。
竿頭のエサも青イソメ。
頭の硬い部分をハサミなどでカットして、頭のあった前の方と尾っぽ側の後ろの方を2本針仕かけに刺していましたが、この日は尾っぽ側の方が圧倒的に食いがよかったそうです。
また、針からのエサの垂らしも、前半は短めでしたが、後半は長めに垂らした方がアタリが続いたそう。
エサの部位、長さなどでも、その時に合ったパターンを見付けると、より連続ヒットに近付きますね。
竿頭の仕かけは市販品ではなく、自作の全長80cmの2本針仕かけでした。ハリスは1.25号で、針はクリンチキス8号。
知々丸の船長オススメの仕かけも、秋田狐系の針を採用したモノで、それを船内で販売しており、家島沖に関しては、針は秋田狐系がよいのかもしれませんね。

▲知々丸船長のオススメ仕かけ
また、天ビンは各社から種類も多く発売されていますが、知々丸の船長が言うには、「オモリで小突きながら誘う釣りなので、手前マツリで仕かけが絡むのを避けるためにV字型の天ビンがオススメ」とのこと。

▲天ビンはV字型がオススメと船長
トラブルなく、手返しよく釣るのも数を伸ばす秘訣ですので、それも頷けますね。
さらに、船長はオマツリを避けるため、「投入時は周りのラインを見て、仕かけがその上に乗らないように、少し竿先へ振り込むイメージで投入するとオマツリを避けやすいです」と話してくれました。
家島沖のキスはそろそろ終盤戦を迎えますが、例年通り9月下旬までは十分数釣りが期待できます。
この日のパターンを参考に、釣行当日にあったその時のパターンを探し出し、入れ食いモードを味わってみてください。