タチウオ釣りを始めてみたいという人、多いと思います。
タチウオは淡泊な魚ですが、大変美味。
さばくのも簡単。そのままはもちろん、焼いても、揚げても、煮てもよし。いろんな料理が楽しめます。

皮の焦げ目が香ばしいタチウオの炙り
そして、何より手軽に釣れるのが魅力です。
身近な堤防で釣れますし、釣れる時間帯(時合)も明確。
お手軽かつ、効率的に釣りが楽しめるのも、魅力の1つです。
また、「ガツン!」というタチウオ独特の金属的なアタリがヤミツキになるのも、釣ったことのある人なら分かるはず。
そんな、一度釣るともっと釣りたくなる、釣り人を夢中にするタチウオ釣り。
今回は、「ルアーで狙う堤防タチウオ」に焦点を当てて、道具立て、釣り方を詳しく解説していきます。
タチウオはいつ、どこで釣れるの?
まず、タチウオですが、釣れる時間帯が明確です。
日が沈む前後の夕まづめがもっとも期待できるタイミングなので、日没前1~2時間から釣り始め、完全に日が沈んでからは、反応次第で1~2時間。平均して3時間ほどが、釣れる時間帯になります。
もちろん、明るい時間や、深夜にも釣れることがありますが、時合と呼ばれる、明確に活性の上がる時間帯は、日没前後になります。
なので、その時間帯だけ狙うと、非常に効率よく釣りが楽しめるということなんです。
地続きの堤防、釣り公園などの施設、渡船店利用の沖堤防が、メインの釣り場。
前記したように、タチウオは日没前後が狙い目となるので、その時間帯に釣りができる場所が前提です。
また、釣れている情報のある場所、タチウオ狙いの釣り人がいる場所が、確実性は高いでしょう。
釣具店で聞いてみたり、インターネットで情報を探ってみたり、近くのポイントを探してみましょう。
ちなみに、タチウオは時合を集中的に釣ることが、数を稼ぐコツ。
タチウオが回遊してきて、近くの釣り人にタチウオがヒットしたら、大チャンス到来と思ってくださいね。
なぜルアー釣りがオススメなのか
タチウオ釣りといえば、電気ウキを使ったウキ釣りや、キビナゴやドジョウを使った引き釣りがメジャーですが、なぜルアー釣りをオススメするのか。
それは、道具立てが簡単だからです。
ルアー釣りは、細かい仕かけやエサが不要で、道具立てがいたってシンプル。
タックルはそのままで、ラインの先のルアーを変えるだけで、いろんなスタイルが楽しめます。
また、手数が多くなることで、その日、その時間帯の状況に合わせることができますし、何より「釣った感」が味わえるのが面白いところ。
ルアー釣りは、常にルアーを動かして誘い、魚を食わせる釣り。
「なんだか疲れそう…」と思われるかもしれませんが、そんな大変な釣りばかりではありません。
キャストさえできれば、ルアー釣りは簡単。その上、アグレッシブで面白いんです。
- ワインド
- 引き釣り
- ジグ&プラグ
ルアーのタチウオ釣りは、主にワインド、引き釣り、ジグ&プラグに分けられます。
時間帯やタチウオの活性に応じて使い分けることで、釣果を伸ばすことができます。
では、それぞれの釣り方について、解説していきましょう。
1. ルアーを大きくダートさせて誘うワインド
ワインドという言葉、タチウオ釣りが好きな人なら一度は目や耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ワインドとは、針とオモリが一体化したジグヘッドと呼ばれるパーツに、ワームを装着し、それをシャクりながら動かして釣る釣りのこと。
ジグヘッドはタチウオ狙いに特化した、左右にダートするタイプを使用します。
規則正しく左右にダートさせながら誘うのが、ワインドと呼ばれる釣り方です。
このダート釣法が、活性の高いタチウオに有効で、ガンガンとアタってきます。
素早く、効率的に、手返しよく。ワインドは、高活性時に最強と言えるでしょう。
また、活性を見極めるために、まず投入してもOKです。
速い動きに反応がなければ、タダ巻きにしたり、ダートのスピードを変えたり、また違うパターンに変更するのも手です。
ワインドに必要なタックル
ロッドは、6~8フィート台のスピニングロッドで、使いやすさでいうと、MやMLクラスがベスト。
ワインド専用ロッドも多数ありますが、なければエギング用やシーバス用のロッドの代用も可。
リールは、スピニングの2500番から3000番に、メインラインはPE0.8、1号、リーダーはフロロカーボンライン5号。
ワインドリーダーと呼ばれる、さらに太めのリーダーや、ワイヤー製のリーダーなどをセットすると、タチウオの鋭い歯によるラインブレイクを防ぐことができます。
ワインドで使用するルアー
ワインド専用のジグヘッドとワームが各社から発売されています。

左右へダートしやすいように、三角形状をしているワーム。サイズ、カラーや素材の質感、テール(尻尾)の形状など、さまざまです
ジグヘッドの形状と重さ、ワームの形やカラーなど、たくさんあるとよいですが、どれを選んでいいか分からないという人は、まずはセットを購入するのがよいでしょう。
ジグヘッドですが、基本的には重さは10―18g。フックはトリプルフックが装着されていることが多いのでそのままでOKなんですが、アタリがあっても掛からない場合は、アシストフックをセットしてもいいですね。
ルアー以外に必要なアイテム

ケミチューンワインド(ルミカ)各カラー
タチウオと言えば、発光体。
ワームのお腹部分に挿入して使いますが、あらかじめ挿入する所が分かるように、ワームに穴が開いているタイプのものもあります。
発光体は、封を開けたら、ポキっと折って軽く振ります。そうすると、光りますよ!
ワインドの釣り方
ルアーをキャスト。
まずは底まで沈めて、着底したら糸フケを取って、大きめのワンピッチ(リール1回転毎に1シャクリ)して、ルアーを左右にダートさせます。
探る水深ですが、日が明るいうちはまずは底から。
日が沈むとタチウオは浮き上がってくるので、早い時間帯は、まずは底から始めて、探るレンジ(タナ)を徐々に上げてくるといいでしょう。
1キャストで1回か2回は、底を取り直す方がベターです。
アタリがあったら…
アタリは、「コツコツ」という違和感のようなものから、シャクっている途中でいきなり「ガツン!」というようなアタリまで、さまざまです。
気配を感じたら、竿を上にあげてフッキングしましょう。
タチウオの力強いアタリが手元に伝わってくるはずです。
2. タダ巻きだけでOK! 引き釣り
引き釣りと聞くと、テンヤを使ったエサ釣りのイメージを持たれると思いますが、いわゆるタダ巻き系の釣り。
ワインドのようにダートアクションで誘うのではなく、タダ巻き用のジグヘッドや、テンヤにワームをセットして、スローに引いてくる釣りのことを指します。
エサ釣りで使用するキビナゴやドジョウなどをイミテートしたワームをセットして、ただ巻くだけ。
ワインドは大きなアクションをする釣りなので、高活性時には非常に効果的なんですが、タチウオの活性が低い場合、どうしても対応しきれないのが事実。
そんな時、有効になってくるのが、この引き釣りになります。

便利なセットものもあります。太刀魚道場 スタートキット(メジャークラフト)
引き釣りに必要なタックル
基本的には、ワインド用と同じでOKです。
表層付近もスローに誘えますし、タダ巻きだけでなく誘いを入れてもOKです。

㊤エサのキビナゴをセットした、太刀魚ゲッターツイン噛む(シマノ)
㊦陸式アンチョビハイブリッド(ジャッカル)
この引き釣りは、ワームではなくエサをセットして狙っても、もちろん楽しめます。
テンヤの釣りでは、エサをワイヤーで巻かないといけませんが、最近ではルアーフィッシング寄りのハイブリッドなテンヤ系アイテムも登場中。
ワイヤーでエサを巻くのはちょっと…という人は、冷凍のキビナゴがワンタッチでセットできるアイテムがあるので、ぜひお試しを!

太刀魚ゲッター ツイン噛む(シマノ)でキャッチしたタチウオ
夜になってルアーへの反応がない、どうしてもお土産がほしい、という時、クーラーに忍ばせておいた冷凍キビナゴで、タチウオをゲットしてください!
3. 明るい時間帯は広範囲をジグ&プラグで探ろう
タチウオはメタルジグでも、プラグでも楽しめます。
ワインドや引き釣りと使い分けをするなら、時間帯がよいでしょう。

写真上から、陸式アンチョビミサイルJr.(ジャッカル)、ビッグバッカー ジグ(ジャッカル)、サムライ太刀 ケミバイブ(ダイワ)、BC-16バックチャター(コアマン)
タチウオは明るい時間帯は底付近にいるので、ロングキャストできて深場を探りやすいジグが効率的で、どこにいるか分からなくて、広い範囲を探りたい場合は、バイブレーションやダート系プラグ、ミノーなどがオススメ。
パイロット的に投入して、いる場所やレンジが分かったら、そこをタチウオの活性を基準にワームで攻める。
数を釣るなら、これがもっとも効率的だと考えます。
ジグ&プラグで使用するタックル
ワインド、引き釣りのタックルでもOKですが、重めのメタルジグなどをキャストする場合は、少し強めのタイプが、キャストもアクションもしやすいです。
例えば、ライトショアジギ用ロッドや、シーバス用ロッドなどが適しているでしょう。
ラインセッティングは、そのままでもOKです。
メタルジグは、タチウオ専用のタイプやカラーもありますが、20~30gの一般的なタイプのジグでも問題ありません。
しかし、フックとカラーについては、選んだ方がベター。
フックは、トリプルフックが付いているタイプで、カラーはパープルやゼブラ系、グローに実績が高い傾向です。
メタルジグの釣り方
キャストして、まずは底まで沈めて、ワンピッチで誘ってくるのが基本です。
半分ぐらいまできたら、再び底取りして、同じ動作を繰り返す。
動作自体はワインドと同じで、難しくありません。
プラグは、バイブレーション、ダート用プラグ、チャターベイト系など、いろいろあります。
ダート用プラグはワインドのアクション方法と同じですが、そのほかは基本的にはタダ巻きでOK。
好奇心旺盛なタチウオは、いろんなルアーに興味を示します。ほかのルアーで釣ってみたいな…という人は、ぜひいろんなプラグをキャストしてみてください。
タチウオ釣りにマストアイテム1. フィッシュグリップとプライヤー
タチウオの歯は、写真を見ての通り、大変鋭く危険。
噛みつかれると大変なので、素手で触るのは、慣れていないとお勧めできません。
なので、フィッシュグリップがあれば、タチウオをがっちり固定できて安全なので、必須です。
また、フックを外す時も危険なので、プライヤーも用意しましょう。
タチウオ釣りにマストアイテム2. ヘッドライトとUVライト

ヘッドライト以外にも、キャップに付けるタイプの、Xtrada X1キャップライト(ルミカ)もオススメ
夜の釣りには、ヘッドライトはマスト。身の回りの安全を確保するためにも、ルアーをセットする時にも必要なので、ヘッドライトはお忘れなく。
また、夜光系のワームやルアーを効率的に蓄光するUVライトもあると便利です!
最後に…
ルアーのタチウオ釣りは、道具立てが本当に簡単なので、タックル1セット、ルアーが何種類かあれば、釣りが成立します。
ルアーのセッティングも難しくないし、エサも不要。
すぐに始められるのが、ルアー釣りの魅力だと思います。
まだタチウオを釣ったことがないという人ももちろん、エサ釣りはしているけど、ルアーにも興味があるなぁ…という人も。
ぜひ、この秋のタチウオ本格シーズンに、ルアーフィッシングにトライされてみてはいかがでしょうか。